「杉山清貴 35周年ライブ」あの頃の気持ちが蘇る心のタイムトラベル

音楽は不思議なもの。好きだった曲を聞くと、自然とその曲を聞いていた頃の記憶が蘇る。

80年代リアル世代には懐かしい杉山清貴の35周年ライブが始まった。

今のようにオープンではなかった時代だけれども、バブルに向かって世の中が明るくなっていくにつれ、ゲイの世界も「隠花植物」と自虐的に称していた70年代的な暗さから変化していった、まさに過渡期な時期だった。

そんな時代が蘇ってくる、Takanobu Tanaka氏によるツアー初日レポートを紹介する。

■80年代の曲がメインのセットリスト

11月14日、杉山清貴のソロデビュー35周年を記念したバンドツアー「Sugiyama Kiyotaka Band Tour 2021 〜Solo Debut 35th Anniversary〜」が横浜・KT Zepp Yokohamaからスタートした。

杉山清貴&オメガトライブの活動を経て、1986年5月にシングル「さよならのオーシャン」でソロアーティストとして始動。

80年代、90年代、2000年代、2010年代とコンスタントに作品をリリースし続け、2018年から“杉山清貴&オメガトライブ”としての活動も展開しつつ、2020年には80年代のシティポップの雰囲気も感じさせるオリジナルアルバム『Rainbow Planet』もリリースした。

今回のツアーは、周年ライブであり、ソロとしては久しぶりのバンドツアーということもあって、まさにファン待望のツアーとなった。

注目したいのは、入江誠(ギター)、山本連(ベース)、宮崎裕介(キーボード)、アンドウヒデキ(シンセサイザー)、SION(ドラム)という今回のバンドメンバー。

ライブのMCで「私も含めた平均年齢が35歳でした」と杉山が言っていたが、杉山がソロデビューした1986年に生まれていたのは宮崎だけという若いミュージシャンたちが集結。

その理由を「今年は私のソロ35周年。せっかくですから、最近やってなかった80年代の曲をメインにしてもいいかなと思いまして。そうなると演奏陣も勢いのある感じで選んでみました」と語った。

■イケイケの時代を振り返るMC

ライブはソロデビュー曲「さよならのオーシャン」で始まり、アルバム『beyond…』『realtime to paradise』『kona weather』『here & there』と、MCでの宣言通り、ソロでの歴史を辿るかのように初期のアルバムの中から楽曲を披露していく。

「80年代はイケイケで、何も怖いものはないという感じでした。いろんなタイアップをいただいて、そのたびに自分のスキルも上がっていったので突っ走っていた感じでしたね。3枚目のアルバムでちょっと違う方向性に行ったり、ちょこちょこ自分の歩く道を変えながらやってきましたので、そんな流れを今日のステージでも感じていただければと思っています」

と、曲間のMCでは当時の頃を振り返り、90年代にロサンゼルスでレコーディングしていた時のことなど、たくさんのエピソードも聞かせてくれた。

今回のステージでフィーチャーされていたのは80年代と90年代の作品。そして、後半はソロ30周年を迎えた2016年以降の作品も多く披露した。

「90年代に試行錯誤しながら音楽に向き合い、2000年代に入るとKTバンドでしっかりとレコーディングを始めました。でも、KTバンドとの作品はちょっと毛色が違うので、それはまた別の機会に。2016年に『OCEAN』というアルバムが出来上がった時、“俺はこんなアルバムを作りたくてずっと悩んできたんだな”って思いました。それからは、自分の作品うんぬんというより、いい曲を歌いたい、かっこいい曲を歌いたい、今までなかったことをやりたいと思って1枚1枚作ってきました。アレンジャー、作曲家など、新しい人と出会って、新しい刺激を受けて、眠っていたものがムクムクと目覚める感じをここ数年受けております」

と、最近の楽曲には新たな挑戦が詰まっていて、「楽しくてしょうがない」という気持ちになっているようだ。

■ツアーは12月25日クリスマスまで続く

ツアーが始まったばかりなので、詳しい楽曲(セットリスト)は伏せておくが、80年代、90年代、そしてここ数年の中でのターニングポイントとなった楽曲たちが繋がって、杉山清貴のストーリーを描き出したライブとなっている。

「本当に久しぶりにあの時代(80年代、90年代)の曲を本気で歌いました。去年からコロナでグシャグシャになってますが、少しずつエンタメの世界も理解してもらえるようになってきていて、できる限りのことをして皆さんをお迎えしています。これから年内ずっと旅をして回っていきますので、またどこかでお会いできたら嬉しいです。ありがとう!」

と、アンコール時のMCでは達成感に満ちた表情でファンに呼びかけた。

「自分の過去の作品が、命を吹き返す感じがしていて興奮しています」

と杉山自身が話していた通り、フレッシュなバンドメンバーの演奏で瑞々しく再生される名曲たちを、ぜひライブ会場で味わってもらいたい。

ツアーは、クリスマスの東京ファイナルまで全国各地をまわって行く。まだチケットが買える会場もあるので、気になる兄貴たちは早めにチケット情報を確認してみよう。

懐かしい曲を聞くと、当時好きだった彼氏のことや、連んでいた友達の顔が自然と蘇ってきて、しばし心のタイムトラベルに浸れそうだ。

杉山清貴「Sugiyama Kiyotaka Band Tour 2021 〜Solo Debut 35th Anniversary〜」

11月23日(火・祝)群馬・昌賢学園まえばしホール 小ホール
11月27日(土)埼玉・飯能市市民会館 大ホール
12月04日(土)宮城・仙台PIT
12月05日(日)新潟・新潟LOTS
12月11日(土)広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
12月12日(日)福岡・電気ビルみらいホール
12月16日(木)愛知・Zepp Nagoya
12月24日(金)大阪・森ノ宮ピロティホール
12月25日(土)東京・LINE CUBE SHIBUYA

公式サイト:https://islandafternoon.com

Photo by ITSUKA (AMP UP)

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