友活レポート・老後と終活への備えを学ぶ勉強会 第一回「老後資金の作り方と老後に使うお金」

ゲイが歳を重ねていくと、さまざまな問題が生じてくるが、なかでも大きいのは「孤独」だ。

家族や親戚は他界していき、退職すると他人との関わりも極端に少なくなる。また大人になってから新たな交友関係を広げていくのはとても困難だ。

ゲイの老後の「孤独」問題を解消するきっかけになるべく、アライアンサーズが実施している「友活」イベント。4月から7月にかけて全5回の「ゲイ・バイ男性向けの友達づくりと老後対策の勉強会」が開催された。その模様をレポートしていく。

老後資金の作り方と老後に使うお金

友活勉強会

全5回の「ゲイ・バイ男性向けの友達づくりと老後対策の勉強会」、初回はゴールデンウィーク直前の4月24日、渋谷の会議室で開催。

第一回めのテーマは、「老後資金の作り方と老後に使うお金」。

最初に「老後資金の作り方と老後に使うお金」というテーマに関してパネルディスカッションを行い、その後、参加した人たちがいくつかのグループに分かれてグループでディスカッションを行う。テーマごとに各グループでどんな話がされたのかを発表してシェアする、という流れで進行した。

親の介護は自分の老後への予習

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独身のゲイ・バイ男性にとって気になるテーマのひとつが、「親の介護」。一人っ子ならばもちろんだが、独身ゆえに親の介護を担うゲイ・バイ男性も少なくない。自分の老後を迎える前に直面する「親の介護」問題は、多くのゲイ・バイ男性にとっても他人事ではない。

とはいえ、親が75歳を超えて後期高齢者になったとしても、認知機能も肉体面でも大きな問題がなければ「介護」を実感することはないだろう。

しかし、介護は「ある日突然、現実に降りかかってくる」ものだ。

認知症は前触れもなく始まるものだし、突然体調を崩して入院するとか、なんでもないところで転倒して骨折して入院するということは珍しくない。後期高齢者がひとたび入院すると、筋力も認知能力も低下するので、入院前の状態に戻ることはない。当然、ひとりでできることが少なくなっていくので、退院後は「介護」が必要なってくる。

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パネルディスカッションでは、親の介護に関わる「介護保険料」の話や、介護の自費負担分のこと、有料老人ホームで一月にかかる金額や、「特別養護老人ホーム」はどこも満室でなかなか入居できないこと、など親の介護で知っておくべきことを解説。

さらに「地域包括支援センター」の存在と、介護が必要になる前に相談に行っておく方がよいということや、介護にかかる費用を準備するための民間の介護保険の存在、それに加入できるのは介護認定を受ける前に限られることなど、親の介護にかかる費用などについて様々な実態を解説した。

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親の介護をすることは、実は自分の介護のための予習になるということを、参加した人たちは実感したようだった。

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自分の面倒は誰がみてくれるのか?

介護関連以外のテーマとしては、「墓じまい」問題と、入院や高齢者施設に入居する際の「身元引受人」問題や「死後事務委任契約」に関してもパネルディスカッションで解説した。

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独身ゲイ・バイ男性にとって、自分以外に「墓」を継ぐ人がいない場合は「墓じまい」という問題と向き合わねばならない。実際「墓じまい」をするためにかかる費用は、決して小さくないものであり、できれば親が存命のうちに話し合っておく方が賢明だ。

親の介護や自分の老後についていろいろと準備をしている人の中でも、「墓じまい」に関して考えている人は意外に少ないのだが、自分が直面せざるをえないということは理解する必要がある。

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親が入院したことがあり、その手続きをした人はわかっていることなのだが、入院時には「連帯保証人」と「身元引受人」を求められる。これは高齢者施設に入居するときも同じだ。

「連帯保証人」は支払いに関する保証だとわかるのだが、「身元引受人」はどんな役目を担うのだろうか。これは万が一亡くなった場合の遺体を引き取るという役目を担うものなのだ。

親が入院する場合は子供が「連帯保証人」「身元引受人」になればいいのだが、独身ゲイ・バイ男性が入院や高齢者施設に入所する場合は、誰が「連帯保証人」「身元引受人」になってくれるのだろうか?

さらに、独身ゲイ・バイ男性が高齢になり入院したり、高齢者施設に入所したり、また亡くなった時に誰が自分の住んでいた部屋を片付けたり、もろもろの事務的な手続きなどをやってくれるのかということも考えなければならない。

「男一人だからなんとかなるさ」とか、「パートナーがいるからなんとかなる」とはいかない、独身ゲイ・バイ男性が直面する老後の厳しい現実についてパネルディスカッションで解説したことで、その後のグループでのディスカッションはとても活発に意見が交わされていた。

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大切なのは現実にある問題を知ること

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独身ゲイ・バイ男性にとっての老後問題は、知っておくべきこと、計画的に準備しておくべきことが、実はとても多い。この「ゲイ・バイ男性向けの友達づくりと老後対策の勉強会」に一度参加しただけでは、すべてを理解して、行動を始めるのは難しいかもしれない。

しかし、よく知らないがゆえに「楽観的すぎたり」、反対に「漠然とした不安だけを抱え込んで」しまったりする人にとっては、現実の問題を知り、それを解決するための方法を同じ立場の人たちと話し合うことは、非常に有意義なことだろう。

具体的な問題点がみえてきたら、着実にひとつずつ準備を進めていけばいいのだから。

「ゲイ・バイ男性向けの友達づくりと老後対策の勉強会」のレポート、次回は5月14日(土)に開催した第二回「ゲイの終活~公正証書・老後の住宅と老人ホームの選び方~」の模様を紹介する。

老後に関して、もっと詳しく知りたいとか、具体的に相談したいという人は、アライアンサーズに連絡してみるのもよさそうだ。

アライアンサーズ
所在地:東京都新宿区新宿2-12-13
電話:03-6260-8637
問い合わせ:https://alliancersjp.com/contact/

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