今さら聞けないゲイバー入門「扉の向こうはどんな世界?」前編

この数年、コロナ禍で夜の街は営業自粛を続けていたが、やっと営業再開して以前のような賑わいが少しずつ戻ってきている。

「ゲイバーに行ってみたいけど、どんなところなのか分からなくてちょっと怖い」、そんなゲイバーに興味はあっても尻込みしている人に、ゲイバーを楽しむための入門ガイド基礎編を届けよう。

この記事では3つのテーマで、ゲイバーの雰囲気や仕組みを前後編で紹介していく。

ゲイバーの基礎知識「ゲイバーって、どんなところ?」 
ゲイバーの価格設定「料金は、いくらくらいかかる?」
ゲイバー攻略ガイド「飲みに行くなら、いつがいい?」

ゲイバーの基礎知識「ゲイバーって、どんなところ?」

ゲイバーの基礎知識

ゲイバーには大きく分けてターゲット客層が異なる3つのタイプがあると考えてほしい。

「MEN ONLY」基本、ターゲットの客層はゲイのみ
「MIXバー」ターゲットの客層はゲイと、それ以外の男女
「観光バー」基本、ターゲットの客層はノンケ男女

この記事は「MEN ONLY」のゲイバーを解説していくが、その前に「MIXバー」と「観光バー」について簡単に説明する。

ゲイバーの基礎知識

■「MIXバー」

MIXバーは、都会型と地方都市型の二種類に分かれる。

都会型は、新宿2丁目などゲイバーが集中しているエリアに目立つ。MIXバーはゲイ客と、ゲイバーならではの文化を楽しみたいゲイ以外の客が混在することで、セクシュアリティの垣根を越えた交流が生まれることも少なくない。

地方都市型は、ゲイバーが1軒しかない地域に見られるタイプ。

その地域のゲイ人口が少ないので、ノンケ男女も受け入れて経営を成り立たせている場合が多い。しかし、地域唯一のゲイバーなので、ゲイ客にとっては大切なコミュニティの場としての側面も持ち合わせている。

■「観光バー」

「MIXバー」との大きな違いは、ゲイのマスターやスタッフがノンケ客をもてなすスタイルということ。ゲイ客が占める割合が低いのが特徴。料金システムは、「MEN ONLY」「MIXバー」に比べると高めの設定の場合が多い。

ゲイバーの基礎知識

「MEN ONLY」はゲイのコミュニティ

「MEN ONLY」のゲイバーの多くは、カウンター越しに接客するスナック形式。国内に数百軒あると思われるゲイバーは、カウンターのみか、もしくはカウンターに加えてボックスと呼ばれるテーブル席が何点か設置されているという小規模店舗が中心。

インターネットも、スマホもなかった昭和の時代、ゲイバーはその地域に住むゲイにとって、出会いの場であり、友達が作れる場でもあり、絆が生まれるコミュニティだった。

ほとんどのゲイがクローゼットだった時代は、ノンケ男性のふりをして社会生活を送っているゲイにとって本当の自分に戻れる大切な場所でもあった。

ゲイの出会いがGPSアプリなどインターネットを使うものに移ったとはいえ、ゲイバーは今でもリアルな出会いがあったり、友人が見つかるコミュニティであり続けている。

ゲイバーの価格設定「料金は、いくらくらいかかる?」

ゲイバーの基礎知識

勇気を振り絞って初めてゲイバーに行く時に、料金が分からなくて不安で1万円札を10枚近く財布に入れて向かった、という体験談を聞くことも珍しくない。しかし「MEN ONLY」のゲイバーは、キャバクラやホステスさんがいるクラブやバーよりも遥かに安価で楽しめる。

詳細な金額はエリアや店舗によっても異なるが、大半の店は

チャージ(チャームという場合もある)+飲み物代

で後払いうシステムになっている。チャージには「席料」と簡単なつまみ(スナック類、もしくはちょっとした料理)の料金が含まれている。

飲み物を注文するたびに支払う「キャッシュ・オン・デリバリー」の店では、チャージがかからない場合が多い。欧米や東南アジアのゲイバーはキャッシュ・オン・デリバリーが一般的で、日本でも都市圏を中心に存在している。

「最後にいくら請求されるのか不安」という場合は、注文するときにドリンクの金額が分かる「キャッシュ・オン・デリバリー」の店から初めてみるのもいいかもしれない。

スナック形式のバーのなかには、ドリンクの金額を記したメニューがない場合もある。細かい料金設定はそのエリアや店舗によって異なるが、2杯飲み物を頼んだ場合は3000円前後と考えておくとよさそうだ。エリアによっては、もっと安価な場合もある。

ゲイバーの基礎知識

気に入ったゲイバーに巡り合い、いつも飲む酒のボトル・キープをした場合の料金システムは、

新たにボトルを入れる時:ボトル代+セット料金
キープボトルを飲む時:セット料金のみ
※セット料金は(チャージ)+(割もの=氷や水、炭酸、トニックウォーター、茶類など)を含む。

という感じだ。エリアや店舗によっても異なるが、セット料金は2000円前後に設定している店が多い。ボトルの料金設定は店舗によって異なるので、店内にメニューがない場合は店のスタッフに尋ねて確認したい。

今さら聞けないゲイバー入門「扉の向こうはどんな世界?」の前編は、ここまで。

後編では「MEN ONLYゲイバーで法外な料金を請求される心配がない理由」と、ゲイバー攻略ガイド「飲みに行くなら、いつがいい?」を解説する。

★後編はこちら
今さら聞けないゲイバー入門「扉の向こうはどんな世界?」後編

★女性客がMIXバーを楽しむためのヒントはこちらを参照
【ゲイが教える女子ゲイバー入門】女性がゲイバーで好かれるための3つのヒント

(冨田格)

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昭和~平成、日本のゲイの出会い方はどう変わってきたのか?【前編】

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