【再掲】今さら聞けないゲイバー入門「扉の向こうはどんな世界?」後編
※2021年11月にスタートした「ジオ倶楽部」1周年を記念して、この1年間公開した記事の中から今読むべき記事を再掲載する。
「ゲイバーに行ってみたいけど、どんなところなのか分からなくてちょっと怖い」、そんなゲイバーに興味はあっても尻込みしている人に贈る、ゲイバーを楽しむための入門ガイド基礎編。後編は、「MEN ONLYゲイバーで法外な料金を請求される心配がない理由」と、ゲイバー攻略ガイド「飲みに行くなら、いつがいい?」を解説する。
この記事では3つのテーマで、ゲイバーの雰囲気や仕組みを前後編で紹介していく。
ゲイバーの基礎知識「ゲイバーって、どんなところ?」※前編参照
ゲイバーの価格設定「料金は、いくらくらいかかる?」
ゲイバー攻略ガイド「飲みに行くなら、いつがいい?」
・【再掲】今さら聞けないゲイバー入門「扉の向こうはどんな世界?」前編
MEN ONLYゲイバーで”ボられない”理由

「MEN ONLY」のゲイバーで法外な料金を請求される、つまり「ボられる」話は、ほとんど聞いたことがない。
それには2つの理由が考えられる。
1つは、ゲイにとって「地元のスナック」のような存在だから。
「MEN ONLY」のゲイバーは、特別な時に気合いを入れていくようなラウンジバーとか、接待のために使う銀座のクラブのようなものではなく、郊外の駅前にある地元の人が毎日のように通ってくる居酒屋やカラオケスナックに近い存在。
常連客が毎日のように通ってくる気楽な飲み屋さんは、そこに集う人たちにとってのコミュニティの場。「MEN ONLY」のゲイバーも同じで、コミュニティという側面を持つからこそ、月に何回でも気楽に飲みに来られる金額設定になっている。

もう1つは、「ゲイバーには強固なネットワークがある」ことも重要なポイントだ。
同じエリアにある店舗同士に限らず、日本各地のゲイバーがそれぞれに繋がりを持っており、「口コミ」による情報共有のスピードは、インターネットがない時代でも驚くほど早かった。インターネットを介して繋がる今の時代は、その速度はさらに上がっている。
もし法外な料金を請求するような荒っぽい商売をする店があったら、その情報も瞬く間に日本各地で共有されるだろう。
ゲイバー同士の「口コミ」による情報共有ネットワークが、荒っぽい商売の抑止力になっているとも考えられる。
ゲイバー攻略ガイド「飲みに行くなら、いつがいい?」

ゲイバーの基礎的な知識と、料金のイメージが掴めたら、実際に飲みに行ってみよう。
最初に頭を悩ませるのは、どのバーに行けばいいのかということだ。ゲイバーに詳しい友人がいるなら、その人に連れて行ってもらうのがもっとも間違いがない。
しかし、そういう友人がいない場合は、SNSを活用して店探しをするという方法がある。TwitterやInstagramのアカウントを持っているなら、フォローしているゲイの中で好みが合いそうな人を探して、その人のフォローリストを見てみよう。
その中にゲイバーがあれば、その店は楽しめる可能性が高い。そのゲイバーのタイムラインを見ていくと、店の雰囲気はなんとなく伝わってくる。また、店のマスターやスタッフの画像がアップされている場合もある。
勇気を振り絞って初めての店のドアを開けたら、そこにはどんな人が待っているのか。事前にマスターやスタッフの画像を見ておくだけでも、ドアを開けるための精神的なハードルはかなり低くなる。
初めてならば週末を避けるべき理由

ゲイバーが混雑するのは、基本的には週末。一部のエリアを除くと、土曜日が混雑することが多い。混雑するということは、多くのゲイに会えるチャンスがあるわけで、楽しそうだと考えがちだ。
しかし、初めてゲイバーに行くのなら、週末は避ける方がいい。
週末のゲイバーは、友達同士で連れだって来る人の割合が高い。それぞれのグループで話が盛り上がっている中、知っている人が誰もいなければ一人でポツンと過ごすことになる。
また混雑しているときは、カウンターの中のマスターやスタッフも飲み物作りなどに追われて忙しく、客と会話できない状況も珍しくない。そんな状況では、初めて行った店で誰とも会話することなく、ぼっちな時間を過ごすことになりかねない。
勇気を振り絞ってゲイバーの扉を開けたにも関わらず、なにも楽しいことがないのではゲイバーを嫌いになってしまいそうだ。
初めてゲイバーに行くなら平日に限る

混雑する週末とは打って変わり、平日のゲイバーは静かでゆっくり話ができる雰囲気の店が多い。つまり、店の人や他の客と会話できるチャンスがあると言うことだ。
初めて来店した客に対して不躾に個人情報(本名や仕事や住所など)を聞いてくる店はまずないので、マスターやスタッフに聞かれたことは隠さずに答える方がゲイバーを楽しめるようになる。
例えば
「どこでこのお店のことを知ったの?」
「どんなタイプが好きなの?」
「どんな感じの店で飲むのが好き?」
などの質問をされることが多い。
マスターやスタッフにとっても、初めて来店した客に対しては手探り状態。サービス業ゆえに、せっかく平日の暇な日に来店してくれた客には楽しんでもらいたいという気持ちを抱いている人が多い。
色々と質問をしてくるのは、客が楽しめるヒントを探すため。初めてのゲイバーでは緊張したり、照れたりしてなかなか話しづらいだろうが、聞かれたことにはなるべくはっきりと答えて、会話を膨らませる方がいい。
話をすることで店の人に印象づけることができれば、次に店を訪ねた時にはスムーズに会話が弾んでいき、さらに楽しい時間が過ごせるはずだ。
また、平日は仕事帰りに一人で来店する客も多いので、客同士で話が弾むこともある。一度話が盛り上がれば、もう顔馴染み。次に会った時にも会話をしやすくなる。
初めて行った店を楽しいと感じられたなら、平日に何度か通ってみるのがいい。日によってスタッフが違う場合もあるし、来店する客も違うので、違う雰囲気を楽しむことができるし、新たな顔馴染みができるチャンスにもなる。
他の店を紹介してもらえることもある

先述のように、ゲイバーは店同士の繋がりが深い。初めて来店した客に、もっとゲイバーを楽しんでもらいたいと、その客の雰囲気に合いそうな他のゲイバーを紹介することも決して珍しいことではない。
平日に何度か飲みに行き、マスターやスタッフに存在を印象づけ、顔馴染みの客も少しずつ増え、さらに他の店にも行けるようになったら、混雑する週末のゲイバーに挑戦だ。のんびりしている平日と異なる週末の雰囲気には、また新鮮な面白さを覚えるだろう。
知らない場所を覗いてみたり、会う機会がなかった人たちと出会うのは、ゲイライフを大きく広げることに繋がる。もしゲイバーに行ってみたいと思っているなら、勇気を振り絞ってゲイバーの扉を開けてほしい。
今まで知らなかった、新たな世界と出会い、人生がもっと楽しくなるかもしれないのだから。
★前編はこちら
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(冨田格)
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