タチ・ウケに貴賎なし!セクポジに誇りを持って共同作業のセックスに挑もう
「本当はウケなんだけど、恥ずかしいからタチ(もしくはリバ)だと言っておこう」
昭和時代から、日本のゲイの間で脈々と受け継がれる「ウケは恥ずかしい」思想。でも、自分のポジションを偽装していたら、本当の幸せをつかめやしない。
今こそ、胸を張って自分のセクポジを正直に言おうではないか!
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性交渉はタチとウケとの共同作業

令和の今でこそ、堂々と自分のポジションを「ウケ」だと公言する人は増えてきたが、平成、そして昭和の頃は「自分はウケ」だと言うことを恥じるような雰囲気が色濃かった。
筆者が20代の頃、つまり昭和の終わりから平成に年号が変わっていく時代は、まさに「ウケは恥ずかしい」思想が蔓延していた。そこで当時から「バリウケ」だと自覚していた筆者も人からポジションを尋ねられたら、「リバ…かな?(嘘)」と答えていたものだ。
しかし、ある人から聞いたこの言葉で考えを改めた。
「男同士の性交渉は、タチとウケとの共同作業。どっちもいなければ成り立たないのだから、ウケを恥ずかしがる必要がどうしてあるの?」
その言葉が、あたかも天の声のように感じ、それ以来ポジションを尋ねられたら、堂々と「ウケです!(キッパリ)」と答えるようになった。
自分の正直になることで肩の力は抜けて、ものすごく楽になったことを覚えている。そして自分に正直になってからの方が、それ以前よりも出会いのチャンスに恵まれるようになった。
なかには揶揄する人もいたけれど、多少揶揄されることと、出会いのチャンスに恵まれることをハカリにかければ、後者がはるかに重要であることは言うまでもない。
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「ウケは恥ずかしい」思想は損をする

それでも、まだ「ウケは恥ずかしい」思想から抜け出せない人もいるかもしれない。
しかし、想像してみてほしい。もしあなたが「タチ」だったとして、顔や体が好みのタイプに興味をもってポジションを尋ねたとき、はっきり答えないとか、もしくは「タチ」だと嘘をつかれたら、それ以上は話を進める気にならないだろう。
また「タチ、だけどウケもできるよ」という微妙な言い方をすると、「タチ」の心を揺さぶる力は弱いと考えた方がいい。
つまり、「ウケは恥ずかしい」思想に囚われてしまい、自分に正直になれないことで、最高の出会いのチャンスを逃してしまう可能性だってある。
あなたを好ましいと思う「タチ」にとっては、あなたのポジションが「ウケ寄りリバ(つまりほとんどウケ)」とか「ウケ」とか「バリウケ」であることは、喜びでしかない。そこに失望や、もしくはあなたを軽蔑するような理由はまったくないのだ。
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セクポジを公言するゲイの有名人

アメリカのゲイメディア「OUT」が、セクポジに関する興味深い記事を公開した。
欧米ではゲイであることをカミングアウトする有名人が増えているが、それだけではなく自分のポジションについても公言している人が少なくないというのだ。
たとえば、ディズニープラスで配信中のゲイ映画「ファイアー・アイランド」で主演のジョエル・キム・ブースターは「リバ(Vers)」、同じく「ファイアー・アイランド」のボーウェン・ヤンは「ウケ(Bottom)」。


著名なテレビ司会者のロス・マシューズは「タチ(Top)」、俳優兼モデルのニコ・トルトレッラは「タチよりリリバ(Vers Top)」。


さらに、日本ではまだ定義する言葉がないポジションも存在する。
Netflixのオリジナルシリーズ「スペシャル 理想の人生」の原作者で主役でもあるライアン・オコンネルは「Power Bottom(パワー・ボトム)」。これは、性交渉において王座に就く、つまり主導権を握る「ウケ」を意味する。

レバノン出身でMCUの「エターナルズ」に出演した俳優ハーズ・スレイマンは「Total Bottom(トータル・ボトム)」。これはオーラルを与えることと、アナルに受けることを好むポジション。日本語に言語化するのがなかなか難しいポジションなのだが、恋愛というよりハッテン場での性交渉や、ストレート男性への奉仕を好むタイプと捉えると理解しやすいかもしれない。

「タチ」「ウケ」「リバ」では収まりきれない、セクポジの世界。それだけ、それぞれのこだわりが強いということがよく分かる。
セクポジがマッチしてこそ最高!

男同士の性交渉において、お互いのポジションがマッチすることが何よりも重要だ。自分に嘘をついてのセックスでは心から開放されることもなく、完全に楽しむのは無理に決まっている。そして、自分が楽しめていないセックスを、相手が心から楽しめるはずもない。
後味のよくないセックスゆえに、その関係が一回こっきりで終わってしまった経験がある人は、決して少なくないと思う。
現状、男との出会いに満足していない人は、自分のセクポジを尋ねられた時に正直に答えられているか、一度振り返ってみることも必要かもしれない。
「ウケは恥ずかしい」思想から抜け出しポジションがマッチする相手を見つけて、心から楽しめるセックスを実現していきたい。その出会いが、かけがえのない関係に育っていくかもしれないのだから。
※参考記事:Out
(冨田格)
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