裸の男たちが躍動!台湾から来日したブラレヤン・ダンスカンパニーの衝撃

台湾のブラレヤン・ダンスカンパニーが初来日。12月3日、神奈川芸術劇場で裸の男たちが躍動するダンス・パフォーマンスを繰り広げた。その衝撃の舞台を紹介する。

台湾先住民の振付師が創設したカンパニー

ブラレヤン・ダンスカンパニー
Photo by Lafun Photography

ブラレヤン・ダンスカンパニーは、台湾先住民パイワン族の振付家ブラレヤン・パガラファによって2015年に台東で設立。

山での労働や岸辺での吟唱、フィールドワーク、自らの内面にある伝統文化の不断の掘り下げを通して独特の動きや語法を生み出している。近年は国際巡回公演を行い、国際的に高い評価を受けている。

今回、横浜国際舞台芸術ミーティング”YPAM”の開幕公演として、12月3日、神奈川芸術劇場で『LUNA(路吶)』を上演した。「YPAMディレクション」で台湾の劇団の作品が上演されるのは初めてであり、日本の観客、そして日本在住の台湾の人たちや、各国のYPAM出席者らで客席は埋まり、満場の拍手と熱気に包まれた。

ブラレヤン・ダンスカンパニー
神奈川芸術劇場でのリハーサルより
ブラレヤン・ダンスカンパニー
神奈川芸術劇場でのリハーサルより

YPAMは近年、アジアの現代舞台芸術における最も重要な国際プラットフォームの一つであり、実験的コンテンポラリーなパフォーマンスと深みのある交流ネットワークの構築を目標としている。

毎年の会期には公演、ミーティング、ワークショップなどの活動を通して、各国のアーティストが日本で現地ファンの開拓や国際巡回公演の機会を提供しており、毎回大きな話題を呼んでいる。

台湾先住民ブヌン族の伝統を掘り下げた

ブラレヤン・ダンスカンパニー
Photo by Lafun Photography

『LUNA』は、台湾先住民族の要素を多く取り入れた作品だ。

ブラレヤンは、様々な先住民族と漢民族混合のダンサーたちとともに海抜1,000メートルの高地にある台湾最大のブヌン族集落「羅娜(Luluna)」に赴き、台湾文化資産とされている美しい歌唱や、その日の狩りの成果を力強い声で叫ぶ「戦功の宴」などの伝統を研究し、作り上げたダンス作品。

「先住民の身体性や部族の儀式の中に、コンテンポラリーな語法や身のこなしを探し出し、あらためてサンプリングを行い、『人』という存在の観点を出発点として現代舞踊の内実を豊かにした」功績により、第17回台新芸術賞(2019)で年間グランプリを受賞している。

本番の前日12月2日に、謝長廷・駐日代表らがリハーサルを行うカンパニーを激励するために訪れた。

謝・駐日代表は、ダンサーらが表現する狩りの成果を叫ぶ「戦功の宴」のシーンや、合唱の絶妙な歌声などを称賛し、ブラレヤン・ダンスカンパニーの身体表現が作品の想像力をかきたて、言葉を超越したインパクトと感動があると高く評価した。

ブラレヤン・パガラファ(布拉瑞揚・帕格勒法)

台東嘉蘭地区生まれのパイワン族。15歳で漢名の「郭俊明」を名乗り故郷を離れ進学。台北芸術大学でダンスを学ぶ間に名をパイワン族名に戻し、卒業後クラウドゲート(雲門舞集)に入団。1998年、ACCフェローとしてニューヨークで学ぶ。クラウドゲート、マーサ・グラハム・ダンスカンパニーなどに招聘され振付を担当、国際的に高く評価される。2015年に故郷の台東へ戻りブラレヤン・ダンスカンパニーを設立。

ブラレヤン・ダンスカンパニー
ブラレヤン・パガラファ Photo by Lafun Photography

今回は、一回の公演で終わってしまったが、改めて来日して、より多くの観客の前で衝撃のパフォーマンスを見せてくれることを期待したい。

YPAM2022:https://ypam.jp/

(冨田格)

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