日本で何本見られるか?2023年世界の新作ゲイ映画・最速情報
ゲイがテーマだったり、ゲイの主要キャラクターが活躍したりと、ここ数年ゲイ関連映画の制作本数が世界的に増加している。今年も公開が楽しみな作品が何本もスタンバイしている。
すでに日本公開が決まっているものから、今年公開の新作、そして日本公開を期待したい作品など、2023年の気になる最速ゲイ映画情報をまとめて紹介する。
日本公開が決定している注目作
■『世界は僕らに気づかない/Angry Son』(1月13日公開)
<物語>
群馬県太田市に住む高校生の純悟は、フィリピンパブに勤めるフィリピン人の母親レイナと暮らしている。父親のことは母親から何も聞かされておらず、ただ毎月振り込まれる養育費だけが父親との繋がりとなっていた。
純悟には恋人の優助がいるが、優助からパートナーシップを結ぶことを望まれても、自分の生い立ちが引け目となり、なかなか決断に踏み込めず、一人苛立ちを抱えていた。
そんなある日、レイナが再婚したいと、恋人を家に連れて来る。見知らぬ男と一緒に暮らすことを嫌がった純悟は、実の父親を探すことにするのだが…。
脚本・監督:飯塚花笑
出演: 堀家一希、ガウ、篠原雅史 ほか
公式サイト:https://sekaboku.lespros.co.jp/
■『エゴイスト』(2月10日公開)
<物語>
14歳で⺟を失い、⽥舎町でゲイである⾃分を隠して鬱屈とした思春期を過ごした浩輔。今は東京の出版社でファッション誌の編集者として働き、仕事が終われば気の置けない友人たちと気ままな時間を過ごしている。
そんな彼が出会ったのは、シングルマザーである⺟を⽀えながら暮らす、パーソナルトレーナーの龍太。
自分を守る鎧のようにハイブランドの服に身を包み、気ままながらもどこか虚勢を張って生きている浩輔と、最初は戸惑いながらも浩輔から差し伸べられた救いの手をとった、自分の美しさに無頓着で健気な龍太。惹かれ合った2人は、時に龍太の⺟も交えながら満ち⾜りた時間を重ねていく。亡き⺟への想いを抱えた浩輔にとって、⺟に寄り添う龍太をサポートし、愛し合う時間は幸せなものだった。しかし彼らの前に突然、思いもよらない運命が押し寄せる――。
監督・脚本:松永大司
出演:鈴木亮平、宮沢氷魚、阿川佐和子 ほか
公式サイト:https://egoist-movie.com/
■『二十歳の息子』(2月公開)
「父親」になったゲイの男性と、実親を知らない「息子」―少し不思議な、普通と違った「家族」のドキュメンタリー。
監督:島田隆一
出演:網谷勇気、網谷渉
公式サイト:http://hatachi.brighthorse-film.com/
■『ノック 終末の訪問者』(4月7日公開)
アジア系の養子の少女とゲイ夫夫が休暇のために人里離れた山中のキャビンに、凶器を持った4人の男女が押し入ってくる。そして3人の家族は究極の選択を迫られる。
監督:M.ナイト・シャマラン
出演:デイブ・バウティスタ、ジョナサン・グロフ、ベン・オルドリッジ ほか
公式サイト:https://knock-movie.jp/
★詳細はこちら
・過酷な運命を背負うゲイ家族・映画『ノック 終末の訪問者』が凄すぎる
■『ザ・ホエール』(4月公開)
ゲイ・セクハラによって鬱になり表舞台から遠ざかっていたブレンダン・フレイザーが巨漢のゲイ役で復帰した話題の作品
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ ほか
公式サイト:https://whale-movie.jp/
★詳細はこちら
・ブレンダン・フレイザーが巨デブなゲイに!映画『ザ・ホエール』来春公開
2023年公開される新作ゲイ映画
■『Marry My Dead Body(關於我和鬼變成家人的那件事)』
中華圏の一部では、若くして亡くなった未婚の男女にあの世で添い遂げる「伴侶」を用意する「冥婚」という儀式がある。この映画はゲイの孫が亡くなった悲しみから祖母が仕組んだ「冥婚」相手となった警察官の青年と、孫の幽霊が巻き起こすコメディ映画。2月10日より台湾で公開。
監督:チェン・ウェイハオ
出演:グレッグ・ハン、リン・ボーホン、ワン・ジン ほか
■『Cassandro』
メキシコ系アメリカ人のゲイ・プロレスラー、サウル・アルメンダリスの物語を描く。プロレス界に入ったサウルは、派手でオネエな”カサンドロ”というキャラクターとなり「ルチャリブレのリベラーチェ」と呼ばれて、マッチョなプロレス界に驚きを与えた。カサンドロはメキシコの人気レスラーの一人となり、外国生まれで初めて世界タイトルを獲得することになった。『Cassandro』はAmazonプライムビデオで2023年配信予定。
監督:ロジャー・ロス・ウィリアムズ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロバータ・コリンドレス、ラウル・カスティーロ ほか
■『GANYMEDE』
舞台は、米国南部の小さな町。その町で代々政治家を務める一族の3代目の後継者である高校生リー・フレッチャー4世の物語。ゲイであることを公言している同級生に恋心を抱いたリーは、グロテスクで顔のない生物につきまとわれ、次第に彼の思考に入り込み、身体的危害を加えるようになる。
映画監督のサム・プロブストと、プロデューサーのコルビー・ホルトというリアルなゲイカップルが制作するホラー・スリラー『GANYMEDE』。
故郷であるケンタッキー州パデューカで撮影したことに関してホルトは、「現代南部でのクィア体験、そして自分がゲイであること、クィアであることを自覚することで感じさせられる恐怖を探求したかったのです」と語っている。
『GANYMEDE』は、2023年各地の映画祭デビューを目指しているとのこと。
監督:サム・プロブスト、コルビー・ホルト
出演:ジョーダン・ダウ、パブロ・カステルブランコ、デヴィッド・ケックナー ほか
■『Barrio Boy』
マッチョな世界に生きるラテン系理容師が、汗ばむほど暑い夏のブルックリンで、見知らぬイケメンに惹かれ、前途多難な状況に直面する。
監督:デニス・シャイナーズ
出演:デニス・ガルシア、ジェームズ・フィシック、キート・デイヴィス ほか
■『Strange Way of Life』
ペドロ・アルモドバル監督による西部劇。25年の時を経て、シルヴァは馬に乗って砂漠を横断し友人のジェイク保安官を訪ねる。二人は出会いを祝うが、翌朝ジェイクは、旅の理由は二人の友情の思い出の道を行くためではないと告げる。
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:イーサン・ホーク、ペドロ・パスカル、マヌ・リオス ほか
日本でも熱烈公開希望作品
■『Inspection』
<物語>
母親に拒絶され、将来の選択肢もほとんどない若いゲイの黒人男性は、自分を見捨てるようなシステムの中で成功するために必要なことは何でもしようと海兵隊に入ることを決意する。
しかし、根強い偏見と基礎訓練の過酷な日課と戦いながらも、彼はこの新しいコミュニティで思いがけない仲間意識、強さ、サポートを発見し、自分のアイデンティティを形成し、人生を永遠に変えることになる得難い帰属意識を与えられる。
監督・脚本:エレガンス・ブラットン
出演:ジェレミー・ポープ、ラウル・カスティーリョ、マッコール・ロンバルディ ほか
★詳細はこちら
・黒人ゲイが海兵隊で成長し愛を知る映画『インスペクション』日本公開希望
■『In From The Side』
<物語>
テムズ川を見下ろすペントハウスでリッチな恋人と同棲中のマークは、ゲイのラグビーチームに入部する。チーム内でトップレベルのベテラン選手ウォーレンと出会ったマークは、その魅力に心を鷲掴みにされてしまう。それはウォーレンも同じだったようで、目があって5分後に、ウォーレンはマークをトイレの個室の壁に叩きつける。
お互いに惹かれあっているとはいえ、2人の関係はオープンにはできない。なぜならウォーレンにはチームメイトである恋人がおり、その関係は浮気厳禁の非オープンリレーションシップだからだ。
しかし2人の想いは抑えられず、互いのパートナーやチームメイトに必死に隠そうとしながらも燃え上がっていく。その秘密がバレ始めるにつれ、チームスピリット、忠誠心、仲間意識が試されていく…。
監督・脚本:マット・カーター
出演:アレクサンダー・リンカーン、アレクサンダー・キング、ウィリアム・ハール ほか
★詳細はこちら
・ラグビーチームで秘密の恋。新作ゲイ映画『In From The Side』日本公開希望
年明け早々の現時点でも、かなり楽しみな作品がスタンバイしていることが分かる。このラインナップの中から一本でも多く、劇場公開や配信などで日本で見られる機会ができることを期待している。
(冨田格)
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