「ゲイが運営するケアマネ事業所」が東京で増えていく可能性を考える
介護関係の仕事に就くゲイ・バイ男性は少なくない。同じ職種のゲイ・バイ男性同士が知り合い、そして起業するという人たちも出てきている。今回は「ゲイが運営するケアマネ事業所」実現の可能性を考える。
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ケアマネジャー(介護支援専門員)に注目
ゲイ・バイ男性が就く職種の中で医療介護系は大きな割合を占める。ジオ倶楽部ではゲイ・バイ男性の仕事に注目しており、2023年は隙間時間を使って「訪問看護」で稼ぐ方法をNana訪問看護ステーションに以前インタビューをした。
高齢化がさらに加速していくなか、「訪問看護」とともに注目度が高まるのが「介護職」だ。
今回は「介護」の仕事の中でも、、ケアマネジャー(介護支援専門員)にフォーカス。ゲイ同士で働くケアマネ事業所(居宅介護支援事業所)に関して、ゲイ・バイ男性による医療介護系の実態をよく知るアライアンサーズの久保氏にインタビューして話を聞いた。
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ケアマネジャーの働き方
ジオ倶楽部(以下”ジ”):ゲイの介護職とはどのような資格の方が活躍されているのですか?
久保(以下”K”):介護は初任者研修、介護福祉士をお持ちの方が活躍されています。現場で経験を5年間詰むと、ケアマネジャー(介護支援専門員、以降ケアマネ)の受験資格もついてきます。
ジ:東京都内でもゲイ・バイ男性のケアマネが一定数おり、中にはゲイ・バイ男性のケアマネ同士で居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)を開設されている方もいるそうですね。
K:はい。私もゲイ高齢者身元保証事業(入院時の保証人対応)を行っている関係から、様々なゲイのケアマネさんと接してきました。
ジ:ゲイ・バイ男性のケアマネはどのような働き方をされているのですか?
K:ゲイ・バイ男性のケアマネ仲間と一緒に居宅介護支援事業所を開設する方もいましたし、ゲイのケアマネでひとり開業をされている方もいます。中には自治体のケアマネの代表者をされている方もいて、事業を通じて様々な地域貢献をされているようです。
ジ:ケアマネという資格を持つことで様々な働き方が出来ることは興味深いですね。
K:最近は私が知っている居宅介護支援事業所の経営者に『見習い経営者ケアマネ』として仕事を紹介しました。
『見習い経営者ケアマネ』とは?
ジ:『見習い経営者ケアマネ』とはどのような制度なのですか?
K:居宅介護支援事業所開設には主任ケアマネ資格が必要です。主任ケアマネ資格取得にはケアマネ試験合格後に最短5年間かかります。また独立した時点で確約された売上はありません
ジ:それはリスクがありますね。
K:そのため『見習い経営者ケアマネ』を受け入れる事業所の条件は「見習い経営者が新法人を設立する際、利用者を新法人にスライド出来ること」にしています。そうすることで新法人設立後に初月から黒字になるため、開業リスクは極めて低くなります。
ジ:なるほど、それならリスクを回避できますね。しかも居宅介護支援事業所の経営者がゲイであれば、カミングアウトなどの面倒も避けることができて、さらに働きやすいですね。
K:お互いの素性を知っているのは、精神的にかなり楽だと思います。ゲイ・バイ男性が主体のある事業所では、仕事のあとに職場仲間でよくゲイバーに行っていると聞きました。
ジ:それはプライベートも充実させられそうですね。
K:付け加えておくと、「見習い経営者ケアマネ」だけでなく、普通にゲイの居宅介護支援事業所へ就職したい方も増えています。様々な選択が可能です。
ケアマネの年収を上げるプロジェクト
ジ:東京に限らず、地方でもゲイ・バイ男性のケアマネは多くいるでしょうね。
K:いますね。地方にいるゲイのケアマネにも是非東京で仕事をする魅力を知ってもらいたいです。
ジ:東京でケアマネをすると年収はいくらくらいになるのですか?
K:地域のケアマネの年収は350万円~450万円程だと思います。
ジ:現在、ケアマネの年収を上げるプロジェクトに関わっているそうですが。
K:そうですね。まず徹底的な時短です。事務手続きでFAXは禁止(当面は電子FAX)。在宅勤務を基本とする。利用者様との面談は可能な限りオンラインで外出回数を減らすこと。ケアマネ一人当たり利用者を40~45名まで担当すること。居宅介護支援事業所のケアマネの人数を増やし、報酬加算を増やすこと。などを提案しています。
ジ:それは徹底していますね。
K:無駄な仕事を減らせば、売上があがります。その分を給料に還元することでゲイのケアマネの給料や報酬をあげるコンサルティングを行っています。
ゲイ・バイ男性が東京で働く利点
ジ:地方在住のゲイ・バイ男性のケアマネが東京で仕事をすることになって、プライベートが好転した実例などありますか?
K:プライベートで男と出会うチャンスが格段に増えた、ということを語る人は多いです。やはり東京はゲイ・バイ男性の人口が多いですからね。出会いは、人生を豊かにすると思います。彼氏や友達が出来るチャンスは増しますし、多様な考えに触れることで自身の幅も広がりますしね。
ジ: 実際に東京で医療や介護の仕事を始めた方にはどのような方がいますか?
K:今までゲイ友達がいなかったけれど、ゲイバーで飲み仲間が出来た方や、自分よりも若い彼氏が出来た人もいましたし、ゲイサークルに入って趣味のバレーボールに打ち込んでいる方もいます。
ジ:仕事だけではなくプライベートも充実するのは素晴らしいことですね。この記事を読んで、東京で働こうとか、独立してみようかと考えた方がいたら、どうすればいいでしょうか?
K:当社アライアンサーズの問い合わせフォームよりご連絡頂ければお話を伺いますので、まずはご連絡ください。条件に合ったゲイの居宅介護支援事業所をご紹介します。
■アライアンサーズ株式会社
ゲイのケアマネや医療介護のお仕事に関する【問合せフォーム】
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