映画『ブロークバック・マウンテン』に主演したかもしれない7人
ゲイ映画の名作として愛され続ける映画『ブロークバック・マウンテン』。ジェイク・ギレンホールとヒース・レジャー以外に、制作時点でキャスティング候補に上がった7人の人気俳優の名前が明らかになった。
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目次
映画『ブロークバック・マウンテン』とは
1963年の夏、山中で行う羊の放牧のために雇われた2人の季節労働者の青年イニスとジャック。
羊に囲まれ山の中で一夏を過ごすうちに、若い男性たちの間には化学変化が生じていく。しかしゲイがタブーだった時代に、イニスとジャックは互いへの想いをひた隠しにするしかなかった。そしてそれぞれに結婚した二人だが、年に数度の隠れた逢瀬で愛情を確認しあう。
同性愛がタブーだった時代に巡り合ってしまった運命の二人の愛情と、抗えない現実を描いたこの2005年の映画。原作は、1997年に発表されたアニー・プルックスの短編小説『ブロークバック・マウンテン』だ。
監督はアン・リー、イニスをヒース・レジャー、ジャックをジェイク・ギレンホールが演じた。またそれぞれの妻役のアン・ハサウェイとミシェル・ウィリアムズの熱演も相まって、記憶に残る名作となった。
低予算ながら、世界各国で予想以上の興行収入を挙げる。また作品としての評価も高く、アカデミー賞では、監督、脚本、音楽の3部門を受賞した。
制作準備段階で名前が挙がった俳優たち
ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールが演じる、時代が許さなかった悲劇のゲイ・カップルに涙した身としては、この2人以外のキャスティングは考えられない。
とはいえ、ハリウッドの映画制作はクランクイン前に長期の準備期間があるのが普通。脚本も何回も修正が加えられ、監督候補が変わっていく場合も珍しくない。
ましてや俳優のキャスティングが決定するまでには、多くの俳優が候補に上がり、オーディションを繰り返していくのは当たり前のこと。
『ブロークバック・マウンテン』も同様に、主役の2人には様々な人気俳優が候補に挙がっていた。
もしかしたらイニスとジャックを演じていたかもしれない男たちを紹介しよう。
ジョシュ・ハートネット
映画『パール・ハーバー』などに出演し、90年代から00年代にかけて人気を博したジョシュ・ハートネットは出演候補の一人。
彼は、2021年のインタビューで、イニス役でキャスティングされたが2006年公開の映画『ブラック・ダリア』との契約上の問題に降板せざるを得なかったことを明かした。
その時点でジャック役には、ホアキン・フェニックスがキャスティングされていたという。ハートネットは、こう語った。
「ホアキンとキスをしたかった。それが私の最大の後悔です」
ホアキン・フェニックス
ジョシュ・ハートネットが明らかにしたように、映画『ジョーカー』の主演俳優ホアキン・フェニックスが、ジャック役を演じる予定だった。
レオナルド・ディカプリオ
監督がアン・リーに決まる前は、映画『マイ・プライベート・アイダホ』の監督ガス・ヴァン・サントが演出する予定だった。
主演候補には数多くの名前が挙がっており、その中には当時のハリウッドのトップスター、レオナルド・ディカプリオの名前もあった
ガス・ヴァン・サントは2018年のインタビューでこう語っている。
「私はこの映画には、有名なキャストが必要だと感じていた。しかし、(候補に挙がった俳優は)誰もやりたがらなかった」
ブラッド・ピット
レオナルド・ディカプリオと映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で共演したブラッド・ピットも、ガス・ヴァン・サント監督から出演を打診されたが断ったと伝えられている。
マット・デイモン
ガス・ヴァン・サント監督の映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』に出演したマット・デイモンにも主演の打診をしたが、彼は断ったとヴァン・サントは語っている。
ライアン・フィリップ
映画『父親たちの星条旗』主演のライアン・フィリップも、同様にガス・ヴァン・サントの打診を断った。
しかしフィリップは、1992年にテレビの昼ドラ(ソープオペラ)『One Life To Live』で、ゲイのキャラクターを演じて評判になっており、ゲイ役を演じることへの抵抗感は他の俳優ほどは高くなかったと思われる。
マーク・ウォールバーグ
マーク・ウォールバーグも出演候補の一人に挙げられていた。ウォールバーグは2007年に、報道陣にこう語っている。
「アン・リーとは、脚本に関して話し合ったことがある。冒頭の15ページを読んで、少しぞっとした。描写がとても生々しかったからだ。行為の準備をするために、手に唾を吐きかける場面などがそうだ」
公開後、しばらくしてからウォールバーグは映画館で『ブロークバック・マウンテン』を見に行ったそうだ。そして彼は、映画を好意的に受け止めたという。
果たしてヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールではなくここに名前が挙がった俳優たちが演じていたら、どんな映画になっていただろう。
※参考記事:Out
(冨田格)
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