【非オネエ】普通のゲイ男性がテレビで活躍できる時代は来る?
オネエ・タレントやジェンダーレスなタレントをテレビで見ることが当たり前の時代だが、オネエ言葉を使うわけでもないごくごく普通のゲイ男性が同じようにテレビで取り上げられることはない。ところが米国ではまったく事情が異なるようだ。
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テレビには普通のゲイ男性の居場所がない
昭和の時代から日本では、美輪明宏、カルーセル麻紀、ピーター、おすぎとピーコなどオネエ・タレントやジェンダーレスなタレントが活躍する場所がテレビの中には存在した。しかし、普通のゲイ男性の場合はそうはいかない。
1970年代には女性人気が高かった映画評論家や、お笑いタレントがゲイだと暴露されたことでテレビで活躍する場を失っていったことがある。それ以降も、ゲイだと公表してテレビで活躍するゲイ男性は日本では現れていない。
オネエ・タレントやジェンダーレスなタレントと違い、日本のテレビ界には普通のゲイ男性が活躍できる場所は、令和になっても存在しているとは思えない。
では、米国ではどうだろう?
米国には、2人ともテレビのニュース番組で活躍している同性婚カップルがいる。ジオ・ベニテス(Gio Benitez)とトミー・ディダリオ(Tommy DiDario)を紹介しよう。
週末の看板番組キャスターで活躍
ジオ・ベニテスは、現在、ABCの『Good Morning America(グッド・モーニング・アメリカ)』の土日の共同キャスターとして活躍している。
「Good Morning America」は、1975年から続く朝の報道番組。この番組から派生して『GMA』と名付けたワイド番組が、午後の時間帯にも放送されている。
数年前、その一つである午後の番組『GMA3: What You Need to Know』の男性キャスターがスキャンダルに見舞われた。その時にジオ・ベニテスが一時的にキャスターに抜擢された。
ハンサムで感じのいいベニテスは人気を博し、今ではメインの朝の時間帯の週末キャスターに起用されている。
1985年、フロリダ州マイアミで生まれたジオ・ベニテスの両親はキューバからの移民で、その文化や育ちがジャーナリストという職業を選択する理由になったと語っている。ベニテスは、英語とスペイン語を流暢に話すことができる。
他にもABCの特派員として『ナイトライン』『20/20』など多くの番組に出演しており、ますます活躍の場が広がっている。
幅広い分野で才能を開花
ジオ・ベニテスと 2016年に同性婚したトミー・ディダリオは、1986年にニュージャージーで生まれた。現在は、エンターテインメント・ニュースをとりあげる『ExtraTv』の番組ホストや、ポッドキャストのホストでもある。
得意な分野は、ファッション、トレンド、グルーミング、旅行、健康、フィットネス、ウェルネスなどライフスタイルに関するトピックから、セレブのインタビューなど幅広い。また、モデル、俳優、ライフスタイル・レポーター、ファッション・エキスパートとしても活躍している。
マーケティング、ソーシャルメディア、ブランドのコンサルティングを行う「DiDario Consulting Inc.」のCEOも務めている。
ベニテスとディダリオは、インスタグラムでつながり、2015年1月に初デートを行った。その翌年、2016年4月16日にフロリダで、ディダリオの妹メグの司会で挙式を行なった。
ディダリオは最近インスタグラムに、ベニテスとクルーザーに乗っている動画を投稿。そこにはこのコメントが添えられていた。
『季節はあっという間に巡ってしまうけれど、いつもこの人がそばにいてくれることに感謝している。みんなにとって素晴らしいハロウィーンの季節がやってきますように』
オネエ・タレントでもジェンダーレス・タレントでもない、ごく普通のゲイ男性カップルがテレビのニュースショーで当たり前に活躍する米国の現状をご理解いただけただろうか。
日本でも近い将来、同じような状況になるのか。それとも、そこに到達するまではまだまだ時間を要するのか。どのように時代の空気が変化していくのか、期待もこめて見守っていきたい。
最後に読者に、普通のゲイ男性がテレビで活躍する時代が来ると思うのかを尋ねてみる。
(冨田格)
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