「友達がいない」ゲイの老後の孤独を回避するための『友達作りマニュアル』
「あなたは友達、いますか?」
こう問いかけられて「もちろんいます!」と明るく返答できる人は、もうこの先を読まなくても大丈夫。しかしこの問いかけに、明るく返答できない人たちは、孤独な老後への道をひた走っているかもしれない。
ゲイの老後の孤独地獄に陥る前に、友達作り重要性を真剣に考えていきたい。
孤独な老後を迎えるゲイはどんなタイプ?
「ゲイ」と一言でいっても、様々なタイプの人がいる。
若い頃から、ゲイバーや、スポーツや音楽のサークルなどを通じて、多くのゲイの友人がいる社交的なタイプの人は、年齢を重ねても孤独になる心配はなさそうだ。
逆に、若い頃はゲイバーで誰とでもすぐ「友達」になれたような感覚があり交友関係が広いと思い込んでいたのに、それは友達ではなく知り合いにすぎず、いつしか会う機会が減っていき、気づけば「友達」と呼べる人がいないという人もいる。
ゲイと関わるのは「ハッテン場」などを通じての性的関係だけでいいと割り切り、友達も恋人も作らないまま年を重ねてきてしまった人もいる。
また、若い頃からゲイだと知られないよう用心深くクローゼットとして生きてきたために、ゲイバーもハッテン場に行く勇気もないまま年を重ねてしまった人だっている。
若い頃から社交的ではなかったゲイにとっては、定年退職して仕事関係のつながりがなくなってしまった時に襲ってくる「孤独地獄」が大きな問題だ。
友達を作りたいなら能動的になるしかない
筆者は、アライアンサーズが主催する老後の準備を学ぶ「友活勉強会」に参加した時に、老後の孤独を不安に思ったり心配する人の悩みに接して、その切実さをより強く感じた。
「孤独地獄」の中で苛まれるのは、どう考えても精神衛生上よくないのだから、LINEなどでメッセージを交換したり、たまにはリアルで会ってお茶か食事でもできるような交友関係をもっているのに越したことはない。
しかし、様々な理由から交友関係を築けないまま老後を迎えたゲイが、いきなり「友達作り」をするのはかなりハードルが高い。
6月27日に公開した記事「ゲイの恋愛生存戦略『ナイモンの相互ブリをリアルに繋げるロードマップ』」では、出会いに関してゲイの大半は「マチコ(待子)」であると解説したのだが、これは「友達作り」でも同じだ。
「友達がほしい」「友達をつくりたい」と考えていても、自分から積極的に動けずに声をかけられるのを待っているのだが、現実はそんなに甘くない。「友達がほしい」なら、自分からアクションを起こすしかないのだ。
共通の趣味の友達を作るための方法
「自分からアクションを起こす」といっても、いきなりゲイバーに行って片っぱしから声をかけていく、なんてことができるタイプなら老後の「孤独地獄」に陥ってしまうはずもないわけで。そんなハードルが高いことは考えない方がいいだろう。
どんな「友達」を求めているのかは人それぞれだと思うが、誰でも始められるハードルが低そうな「友達作り」の方法を紹介したい。それは、「同じ趣味を持つ人」を探すことだ。
趣味によっては、サークル活動などで人と繋がっていく方法もあるとは思うが、社交的ではない人にとってはサークルへの参加はハードルが高い。
ハードルが低めで手軽に始められるのは、SNSの活用だ。
InstagramでもFacebookでもTwitterでも構わないが、アカウントを持っているならそれを有効活用しよう。使っていないなら、新たなアカウントを取得して始めたい。
SNSを活用しての「友達作り」のプロセスの一例がこちら。
1)自分の趣味に関することの発信を始める。
2)文字だけじゃなく、画像を添えると人の興味をより惹く可能性が高い。
3)あまり期間を空けずに発信する。毎日が大変なら2~3日に一回は発信するよう心がける。
4)同じ趣味の人をキーワード検索して、その人の発信に「いいね」などのアクションをする。
5)何度かアクションを起こしたら「フォロー」や「フォロー申請」をする。
6)相手があなたの発信に「いいね」などの反応したり、フォローしてきたら興味を示した証拠
7)その人の発信に「いいね」だけじゃなく、コメントを入れてみる
8)コメントへの返信があったら、しつこくなりすぎない程度にコメントを入れ続ける。
9)「コメント」「返信」などのやりとりが続くようなら、DMで声をかけてみる。
重要なのは、「相手の反応を見て、自分へ興味を持っているのか、いないのかを冷静に判断すること」だ。相手が興味を示していないのに、ぐいぐいと押していったら、空気の読めない「しつこい人」で迷惑だと思われかねない。
「友達」は即席で作れるものではない。「急いては事を仕損じる」という言葉を胸に刻み、腰をおちつけて、じっくりと取り組んでいきたいものだ。
「ジオ倶楽部」は今後も、高齢ゲイの友達作り問題を取り上げていく予定だ。
(冨田格)
※「孤独」を不安に思いすぎると「友達作り」も上手くいかないので、この本を参考に少し気長なスタンスで考えてみるのもよさそう。
「精神科医が教える60歳からの人生を楽しむ孤独力」
著者:保坂 隆(だいわ文庫)770円
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