「Glee/グリー」の真実に迫るドキュメントの標的はリア・ミシェルの悪行?
個性的なキャストが集まり、長年続くドラマの制作舞台裏では、視聴者には知り得ないさまざまな人間模様が展開されているはずだ。特に、2009年から2015年まで6年間に渡り放送された「Glee/グリー」の舞台裏では、とてつもない問題・アクシデント、そして軋轢が生じていた。
シーズン6まで続くヒットドラマに
米国オハイオの高校を舞台に、スクールカーストでは最底辺の負け犬たちが、グリー(合唱パフォーマンス)部に所属して仲間たちと勝利を目指すドラマ「Glee/グリー」は、ミュージカル系の実力派キャストを集めた見事なパフォーマンスと、スパイスが効きまくった一筋縄ではいかない物語の展開が受けて大ヒット。
2009年から2015年まで6シーズンも続いたことから、オリジナルキャストが高校を卒業した後の社会での苦労まで描き、学園ものの範疇を超える世界観を築いていった。
歌、踊りというパフォーマンスの実力があり、かつスクールカーストの最底辺の存在を演じるキャストは、当然のことながら個性的なメンバーが集まることになる。実力がある個性派が集まり、長年仕事を続けていけば、さまざまな軋轢や問題が生じるのは当然のことだ。
キャストとスタッフが語る制作舞台裏
動画配信サービス「Discovery+」は、「Glee/グリー」の舞台裏を描く3部構成の新しいドキュメンタリー番組を製作中だと発表した。
主要なキャストとスタッフにインタビューをして、ドラマ制作当時のエピソードを語ってもらう予定だとのこと。その中には、番組に関わって良かった思い出もあれば、ネガティブな話題も登場するに違いない。
そうでなくとも「Glee/グリー」のキャストには、さまざまな問題・アクシデントが発生した。
番組のファンにとってもっとも印象深いのは、主役のレイチェルの恋人となる、アメフト部とグリー部を掛け持ちするフィン役のコリー・モンティスがシーズン5制作直前に薬物の過剰接種で亡くなったことだろう。
実生活でもレイチェル役のリア・ミシェルと恋愛関係にあったコリーの突然の死は衝撃的であり、シーズン5の第3話でフィンの死を追悼するエピソードが制作された。
フィンの相棒的存在のパックを演じたマーク・サリングは、番組終了後に児童ポルノ所持で逮捕されて有罪を認め、その後、自殺した。またサンタナを演じたナヤ・リヴェラは、2020年に不慮の事故で溺死してしまった。
リア・ミシェルの悪行に焦点が当たるのか
さまざまな問題・アクシデントのあったドラマだが、最大の焦点となりそうなのは、主役のリア・ミシェルと他のキャストたちとの軋轢だ。
「Glee/グリー」の大ヒットによってブレイクしたリア・ミシェルは、CDデビューを果たし、ドラマ出演やCMキャラクターの起用など、順風満帆な芸能生活を送っていたのだが、2020年にシーズン6に出演したサマンサ・ウェアが撮影中にリアから受けた差別的言動などをSNSで指摘した。
それをきっかけに複数のキャストから同じような指摘をされ、SNSで謝罪に追い込まれるも炎上はおさまらず、結局CM契約は解除され、出演予定の舞台もキャンセルとなり、表舞台から遠ざかることになった。
この秋、ブロードウェーの舞台「ファニー・ガール」で復帰することが発表されたが、共演者からは辛辣なコメントが寄せられており、さらにこのドキュメンタリーが放送されると、再び炎上することになるかもしれない。
「Discovery+」は最近、映画「君の名前で僕を呼んで」のアーミー・ハマーと彼に対する虐待疑惑についてのドキュメンタリー番組『ハウス・オブ・ハマー』を発表して大きな話題を呼んだ。「Glee/グリー」に関するドキュメンタリーが完成したら、同じように話題になることは確実だろう。
現段階で「Discovery+」はアジア地域で展開を始めていないが、『ハウス・オブ・ハマー』や「Glee/グリー」のドキュメンタリーが日本で配信されることを切に願う。
「Glee/グリー」公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/drama/glee
※参考記事:Out
(冨田格)
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