映画『バードケージ』ロビン・ウィリアムズがネイサン・レインを守った話
1996年の映画『バードケージ』公開前のキャンペーン中に、まだゲイだとカミングアウトする決意が固まっていなかったネイサン・レインを、映画の仲でゲイ夫夫(ふうふ)を演じたロビン・ウィリアムズが守ってあげた、というエピソードを紹介。
『バードケージ』出演時はクローゼット・ゲイ
ネイサン・レインは最近、アメリカNBCの番組「サンデー・トゥデイ」に出演した際、1996年に故ロビン・ウィリアムズがゲイであることを暴露されるのを防いでくれたと明かした。
当時、ロビン・ウィリアムズとネイサン・レインはマイク・ニコルズ監督の映画『バードケージ』のプレスツアーに参加していた。レインとウィリアムズはこのコメディ映画でゲイ夫夫(ふうふ)を演じた。ネイサン・レインにとっては、映画で初めて大役を務めた作品だ。
ゲイだとカミングアウトする決意が固まっていなかったレインは生放送の「オプラ・ウィンフリー・ショー」の出番前に、とても緊張していたそうだ。
「カミングアウトするための準備はまったくできていなかったのです。テーブルからテーブルへ移動するように、自分がゲイであることを皆に伝える準備はできていませんでした。ようやく映画で大きな役をもらうことができたという喜びを話したかっただけで、自分のセクシュアリティについて話したくはなかったんです」
生放送で機転を効かせたウィリアムズ
『バードケージ』でオネエ役を見事に演じたネイサン・レインだが、そのために実生活で自分のセクシュアリティについて話すことは「ある意味避けられなかった」と考え、インタビューを受ける前にウィリアムズに相談したという。
「オプラが、私をクローゼットから無理矢理追い出そうとしていたとは思わないけれど、事前にロビンに『僕はまだカミングアウトする準備ができてないんだ』と言ったんだ。
『クローゼットから外に出てオプラと話すのがとても怖いんだ。全国放送で自分がゲイであることを話すなんて、準備してない。準備ができてないんだ』。
すると彼は、『ああ、大丈夫だよ、心配しないで、その話はしなくていいから』と言ってくれました」
実際、番組ではオプラ・ウィンフリーが「どうしてあんなに女性らしい演技が得意なの?」と、レインに対して鋭く突っ込み始めた。すると、レインの隣に座るウィリアムズがオネエっぽい演技を始めオプラを笑わせることで話の流れを変えて、レインを守ってみせた。
レインはウィリアムズのことを「美しく、繊細な魂の持ち主だった」と表現した。
※参考記事:instinct
(冨田格)
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