【世界で感染拡大中】ヤバい!今度のエムポックス(サル痘)は重症型

2年前の初夏から秋にかけて、欧米でエムポックス(サル痘)がゲイ・バイ男性の間で大流行したことを覚えているだろうか。日本国内では大きな流行にならないで済んだのだが、ここにきてアフリカから欧州へと感染が広がり始めた。WHOが「公衆衛生上の緊急事態」を発令した今回の流行は、かなりヤバいようだ。

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2022年のサル痘騒動を思い出そう

ヤバい!今度のエムポックス(サル痘)は重症型が感染拡大
ヤバい!今度のエムポックス(サル痘)は重症型が感染拡大(イメージ画像)

2022年の初夏、スペインからゲイ・バイ男性の間で広がり始めたエムポックス(サル痘)。

欧米ではコロナのロックダウンが開けた時期で、かつプライド月間に重なっていたために、多くのゲイ・バイ男性が欧米各地のプライド・イベントに合わせて移動していた。そして、旅先での肉体的な接触や至近距離での飛沫や呼吸などによって感染が広がっていった。

エムポックス(サル痘)の潜伏期間は5~21日(通常7~14日)と言われている。つまり感染したことに気づかないまま日常通りの生活を送り、肉体的な接触や飛沫などで周囲の人に知らずに感染を広げていく可能性があるということだ。

欧州での感染拡大はすぐに北米大陸にも飛び火。全米ではゲイ・バイ男性が一時パニック状態になるほどに感染が広がっていった。同年7月にはWHOが「緊急事態」を宣言するほど、流行が広がっていった。

しかし、米国CDC(疾病対策予防センター)の動きは早く、エムポックス(サル痘)の予防となる種痘の接種をゲイ・バイ男性を対象に開始。感染拡大から半年を経たずに、流行が下火になっていった。

当時、日本はまだコロナ禍の鎖国状態でインバウンドが再開されていなかった。2022年の11月下旬から徐々にインバウンドの受け入れを再開、2023年にかけて国内での感染例や死亡例の報告もあったが、幸いにも感染拡大という状況にはならなかった。

WHOが「公衆衛生上の緊急事態」を宣言

ヤバい!今度のエムポックス(サル痘)は重症型が感染拡大
ヤバい!今度のエムポックス(サル痘)は重症型が感染拡大(イメージ画像)

もうエムポックス(サル痘)も過去のことかと思っていたら、ここにきて再びWHOが「公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

BBC JAPAN NEWSが報じた『WHO、エムポックスで「公衆衛生上の緊急事態」を宣言』より引用する。

世界保健機関(WHO)は14日、アフリカの一部地域で発生しているエムポックス(サル痘)のアウトブレイク(大流行)について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

最初のアウトブレイクはコンゴ民主共和国(DRC、旧ザイール)で発生し、少なくとも450人が死亡した。

現在は中央アフリカと東アフリカの一部に拡大している。科学者たちは、新たな亜種が急速に広がっていることや、その致死率の高さを懸念している。

https://www.bbc.com/japanese/articles/c5yp0wvzq00o

実はエムポックス(サル痘)は、大きく分けてクレード1(コンゴ盆地系統群)とクレード2(西アフリカ系統群)の2種類がある。

2022年に感染拡大したのは、比較的症状が軽いとされるクレード2(西アフリカ系統群)だった。当時から、厄介なのはクレード1(コンゴ盆地系統群)だと言われていたのだが、今回の感染核は、このクレード1(コンゴ盆地系統群)の亜種だという。

昨年9月ごろ「クレード1b」と呼ばれる派生型が生まれ、それが急速に感染拡大している。この変異株は「これまでで最も危険なもの」だと指摘する科学者もいるそうだ。

アフリカ大陸以外で初のエムポックス感染者

ヤバい!今度のエムポックス(サル痘)は重症型が感染拡大
ヤバい!今度のエムポックス(サル痘)は重症型が感染拡大(イメージ画像)

WHOが緊急事態を宣言してから2日後、16日には欧州スウェーデンでの感染例が早くも報告された。

こちらもBBC JAPAN NEWSが報じた『スウェーデンでエムポックス感染者、アフリカ大陸以外で初の特定』より引用する。

スウェーデンの公共衛生当局は15日、アフリカの一部地域で流行している、従来より危険なエムポックス(サル痘)の感染を、国内で確認したと発表した。アフリカ大陸外での感染例確認は初めてだという。

スウェーデン公衆衛生局のオリヴィア・ウィグツェル長官代理は、感染者はストックホルム地域で治療を求めたと説明。だが、スウェーデン国内で治療を受けているからといって、より広い範囲の人々にリスクがあるということにはならないと述べた。

英パーブライト研究所で痘そうウイルスを専門とするジョナス・アルバルナス博士は、アフリカ以外で初の感染者が出たことは、「昨日私たちが知っていたよりも感染が広がっている可能性がある」ことを意味すると述べた。

https://www.bbc.com/japanese/articles/cp354qe5wdyo

今回の流行は2022年と違い、ゲイ・バイ男性が中心というわけではない。だからといって、他人事のように考えるのは間違っている。

現在は2022年とは比較にならないほどインバウンドが活発であり、様々な国からの観光客が来日している。その中にはもちろんゲイ・バイ男性もいるわけで、日本人も訪日外国人とアプリやSNSを介して出会ったり、また発○場などでと肉体接触をする機会もある。

もし出会った相手がエムポックスの潜伏期間であったら、知らぬ間に自分も感染してしまう可能性は非常に高い。

現時点で徒にパニックを起こす必要はないが、厄介な「クレード1b」のエムポックス(サル痘)の感染がどのように拡大していくのか、状況を注視する必要がありそうだ。

ジオ倶楽部では、今後もエムポックス(サル痘)の最新情報をレポートしていく予定だ。

(冨田格)

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