年齢を言い訳にしない!熊親父アンソニーに、おとな人生の楽しみ方を学ぶ
「もう若くないから」そんな言葉を言い訳にして、人生を諦めていないだろうか。50代から魅力を増す欧米の熊親父の生き方から、歳を重ねた大人の男だからこそできる人生の楽しみ方を学んでみよう。
若さだけが「善」なのか?
日本人、いやアジア人は全般的に「若さ=善」という概念に囚われているように思う。
もちろん若くてツヤツヤした張りのある肌は魅力的だし、若い時にしか持ち得ない魅力もあるだろう。しかし、若さを失えば男の魅力が消滅していくなんてことはない。むしろ、歳を重ねたからこそ醸し出せる魅力があるはずだ。
たとえば「渋い」「いぶし銀」という言葉は、ある程度以上の年齢でなければフィットしない形容詞だ。しかし、それは「枯れる」方向に偏りすぎかもしれない。若さとは異なる、でも活力に満ちた「雄」としての魅力をアピールする道はないのだろうか。
欧米のゲイにとっての「ベア(熊系)」は、まさにそんなカテゴリーだ。アジア圏なら”ガチムチ”とか熊系は20代~30代にも多いが、欧米のゲイの中での”ベア”の中心は50代以上の親父たちだ。そしてベア親父たちは、旺盛な性的アピールをしまくり、人生を謳歌している。
映画の世界で育ったメイクアップアーティスト
そんな熊親父の一人が、アンソニー・ゴードンだ。
アンソニーの祖父は俳優・スタントマンのジャック・ゴードン、父はエミー賞を受賞したプロデューサーのスタン・ゴードン。映画一家に生まれたアンソニーは、ハリウッドのスタジオで育ったようなものだという。
アンソニーが目指したのはメイクアップ・アーティスト。
そのキャリアは、1970年代後半から80年代にかけてのロサンゼルスのパンク・ロック・シーンで始まり、地元のナイトクラブでヘアカットやメイクを行い、幅広いアートのバックグラウンドを活かして、ディスコからニューウェーブへの移行を告げるユニークなルックスを作り出した。
LA初のパンクロック・サロンで働いていたアンソニーは、前衛的なデザイナーであるニコラ・ペリーとハリー・パルネスに招かれ、ビバリーヒルズで行われたファッションショーで初めてランウェイファッションを体験し、チームワークの創造性とエネルギーに魅了された。
以来、アンソニーはファッションと広告の分野で活躍しながら、多くの映像作品にも関わっている。最近ではNetflixの「ダーマー」や、ザック・スナイダーの2023年公開予定の新作映画「Revel Moon」を担当している。
年齢で人生を諦めないから輝き続ける
アンソニーは仕事とは別の個人アカウント”surfbearla”では、肌の露出が多めの画像を連日のように公開している。
メイクアップの仕事とは別に、プライベートで打ち込んでいるのは、サーフィン、ボクシング、レスリング、重量挙げ、と根っからの体育会系なアンソニー。豊かな体毛に覆われた筋肉と年齢相応の脂肪がのった体型はまさにガチムチ熊。
堂々としたアンソニーの画像の数々からは、日本人だとつい思いがちな「もう若くないから」「年とったから」という謙遜というか諦めのようなものは一切感じない。そこから感じるのは、人生を謳歌している姿だけだ。
もちろんアンソニーは、仕事も収入も肉体的にも恵まれた圧倒的な勝ち組であることは事実だろう。そのままを真似することは困難であるのは承知のうえなのだが、アンソニーの精神性を真似することはできるはずだ。
2022年11月27日に60歳になったアンソニーは、誕生日を記念した投稿に80~90年代のエイズ禍を生き抜いてきたゲイとしての思いをこのように記している。
50歳以上の同志へ。私たちは、人生の新たな段階を迎えています。シワや白髪が目立ち、体重も増えてきているでしょう。しかし、私たちはこれまで以上に良い時期を迎えているのです。
私たちは仕事をして生活費を支払い、病気や悲しみ、喜び、勝利など、人生から課されるあらゆることに対処してきました。
私たちは生存者であり、静かな戦士であり、男であり、クラシックカーのように毎年その価値を高めています。最高の自分自身に成長し続けているのです。
私の友人の多くは、年を取る機会がありませんでした。しかし、私は、そして同志のみなさんはその機会を失ってはいません。私は、生きられなかった魂に、悲しみの中にも感謝しています。
たとえ体が衰えても、魂と勇気と力は宿り続けます。私たちは、謙虚に、優雅に、そしてこれまでの経験に誇りを持って、年を取ることで人生の新たな「章」を迎えたことに感謝するべきです。
今の自分と年齢を、誇りを持って写真におさめることに挑戦していこうではないですか。
諦めてしまったらそこで終わり、そこから先に生まれるものは何もない。どうせ人生は一回きりしかないのだし、健康で動ける時間には限界がある。
歳を重ねた今の自分だからこそ醸し出せる魅力は何なのかきちんと向き合って、それを追求していきたいものだ。人生を悔いなく楽しむために。
※参考記事:one model place
(冨田格)
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