「自分が望む男になれる空間」を作り続けるブラジルの写真家ジョタ・ペー
ポルトガル語の「alternativa(アルタナティヴァ)」は英語なら「alternative(アルタナティブ)」。”別の可能性”という意味を持つ「アルタナティヴァ」とネーミングしたウェブサイトで、男たちの魅力的な写真を発表している、ブラジルの写真家JotaPê(ジョタ・ペー)を紹介する。
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「動画は生きた写真である」
JotaPê(ジョタ・ペー)が写真を始めたのは、そう古いことではない。それは2017年のことだ。ダンスをテーマにしたYou Tubeチャンネルを作ろうと考えたジョタ・ペーは、制作過程を記録するために、友人から中古のカメラを購入した。
ジョタ・ペーは「動画は生きた写真である」という思いから、カメラの電源の入れ方という基礎中の基礎からカメラを学ぶことにした。とはいえ、写真講座を受ける費用もないので、毎日の数時間を、ユーチューブやグーグル、書籍、友人などからカメラに関する知識を収集することに費やしたという。
そのうちに、当初の目的だったはずの動画制作ではなく、写真にのめりこんでいく。学んだことを実践するために、まずは常に励ましてくれるパートナーを撮影することから始めた。
写真撮影で報酬を得られるようになるまでは、不安や自信を喪失しそうになったこともあるそうだが、パートナーや家族、友人から応援されたことで写真の道を進むことができたそうだ。
「男たちが望む人物になれる空間」
短期間のうちに自分の写真スタイルを見つけることができたジョタ・ペーは、男性モデルに特化することを決めた。それは、写真に撮られたい男性が多い割に、男性の魅力を追求する写真家が少なく、あきらかにマーケットに需給のギャップが生じていたからだという。
ジョタ・ペーのテーマは「男たちが望む人物になれる空間」。
カメラの前で肉体を晒したいという願望を持つ男たちをただ写真に収めるポートレートではなく、沈黙していた肉体に声を与え「なりたい人物になる」ためのストーリーを構築する。
そのために始めたのが、”別の可能性”という意味を持つ「アルタナティヴァ」だ。
ここで紹介したのは、ジョタ・ペーの作品のごくごく一部。インスタグラムの公式アカウントには、もっとセクシーなものを含む膨大な枚数の画像を見ることができる。
ジョタ・ペーがこれから、どんな男たちにストーリーを与えていくのか、楽しみに待ちたい。
(冨田格)
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