【ディズニープラス】もう一つの消防士ドラマもゲイが注目するべき理由
逞しくて強くてカッコいい、そしてなによりもセクシー。消防士は、そんな憧れの存在だ。ディズニープラスで配信中の消防士の活躍を描いたドラマ「9-1-1: LA救命最前線」にも、ゲイが注目すべきポイントが多数ある。人気ドラマをゲイの視点から解説する。
プロデューサーはオープンリーゲイ
ライアン・マーフィーというプロデューサーをご存知だろうか。「NIP/TUCK マイアミ整形外科医」「Glee/グリー」「アメリカン・ホラー・ストーリー」「POSE/ポーズ」などのヒットドラマを制作してきた、米国テレビ界の実力者の一人。
ゲイであることは以前よりカミングアウトしており、性的マイノリティのキャラクターの割合が高かったり、ゲイ好みのテイストが濃厚な作品が多いのが特徴だ。
現在はNetflixと契約して、「ザ・ポリティシャン」「ハリウッド」「ラチェッド」「HALSTON/ホルストン」「ダーマー」「ボーイズ・イン・ザ・バンド」「ザ・プロム」など次々と話題の作品を発表している。
ライアン・マーフィーがNetflixと契約する以前の2018年にスタートしたドラマが、「9-1-1: LA救命最前線」だ。これがヒットして、米国ではこの秋にシーズン6がスタートしたばかりだ。
このドラマの人気を受けてスタートしたスピンオフ作品が「9-1-1 LONE STAR」で、消防士（のちに救命士）と警察官のゲイ・ロマンスにかなり比重をおいた展開となっている。しかし、「9-1-1: LA救命最前線」もライアン・マーフィーらしいゲイ受け要素が大きい作品だ。
初回から衝撃のカミングアウト
「9-1-1: LA救命最前線」はロサンゼルス市消防118分署が舞台のドラマではあるが、主演のアンジェラ・バセットの役はロサンゼルス市警察の巡査部長アシーナ。担当地域が重なっているので、118分署を行動を共にすることが多い、という設定だ。
アシーナは建築家の夫マイケルとの間に二人の子供がおり、幸せな家庭を築いてきたが、初回で夫から「自分はゲイだ」とカミングアウトされ、そこから離婚に向けての夫婦の諍いが始まる。
自分がゲイであることを自覚しないまま結婚して家庭を築いてしまった男が、中年になってゲイであることを自覚して生じる苦悩。そして、そのことを打ち明けられた家族が受ける衝撃や、葛藤がシーズン1ではかなり重点をおいて描かれる。
嵐のような時期を乗り越えて、離婚しても家族の絆は変わらない様がシーズン２以降も描かれていく。マイケルと同じような境遇のゲイにとっては、共感度がかなり高い設定のはず。
ちなみにマイケルを演じたロックモンド・ダンバーは宗教上の理由からコロナ・ワクチン接種を拒否したために番組を降板している。
ブロマンスを超えた愛を感じる二人の男
「9-1-1: LA救命最前線」にゲイ的な注目度が高まるのは、実はシーズン2からで、しかもノンケ（という設定）の男二人の絡みが始まってからなのだ。
118分署には、マッチョでプレイボーイでナルシストのバックというキャラクターがシーズン1から登場している。シーズン１では、プレイボーイを返上して、9-1-1オペレーターの年上女性とのロマンスが描かれるのだが、シーズン2からは設定を大幅に変更。
年上女性は降板し、118分署にバック以上にマッチョなハンサム消防士エディが赴任してくる。当初はエディに対してライバル心を剥き出しにするバックだったが、エディの人間性に触れることでライバル心は消え、頼りになる相棒的な存在になっていく。
エディは、脳性麻痺の息子クリストファーを男手ひとつで育てている。バックはクリストファーとも仲良くなり、側からはゲイカップルが子育てしているかのような親密具合になっていく。実際、シーズン2の第10話ではゲイカップルと間違われるシーンが描かれる。
さまざまな事件を乗り越えて、バックとエディ、そしてバックとクリストファーの絆は深まる一方。
そして、そんな二人の描写は、アメリカのゲイやBL好きな視聴者の心をキュンキュンさせているようで、「Buck and Eddie」の場面だけをつないだ動画がYou TubeやTikTokに多数投稿されている。
バックとエディに注目して見ていると、思わず「もうお前らデキちゃえよ」と言いたくなる場面が多発する「9-1-1: LA救命最前線」。未見の人は、ぜひこのブロマンスを超えた男同士の絆をチェックしてほしい。
ディズニープラス
9-1-1: LA救命最前線：https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/9-1-1/2m7rY4gecjQw
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