ちくわフィルム『幸運の犬』など話題のゲイ映画が大スクリーンで観られる!
東京の夏のお楽しみ、今年も『第31回レインボーリール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~』が7月に開催。今年は精力的に映像制作を続ける”ちくわフィルム”の長編映画や、ジオ倶楽部で紹介した話題のゲイ映画の上映が決定した。
『レインボーリール東京』とは
毎年夏に開催している「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」をご存知だろうか? これは世界各国から性的少数者をテーマにした映画を、ジャンルを問わずセレクトして上映する映画祭だ。
「レインボー・リール東京」がスタートしたのは、1992年。以降、名称や会場を変更しながら30年以上続いてきた、日本でのゲイに関するイベントとしては最も歴史のあるもののひとつだ。
中野サンプラザの研修室からスタートした映画祭だが、その後規模を拡大して、青山のスパイラルホールをメイン会場にして、都内の映画館などのサテライト会場を組み合わせて開催するという形式が2019年まで続いていた。
2020年はコロナ禍で中止、2021年は「シネマート新宿」と大阪の「シネマート心斎橋」で規模を縮小して開催した。昨年2022年は、コロナ禍以前の本来の形に戻り、スパイラルホールをメインに、「シネマート新宿」と、さらに「シネマート心斎橋」の3会場で開催。
そして今年はスパイラルホールと渋谷のユーロライブの2会場で開催する。さまざまな作品が上映されるが、その中からゲイ・バイ男性必見の映画をピックアップして紹介する。
号泣者が続出する話題作『幸運の犬』
今年の大注目は、精力的にゲイ映像作品を続々と制作している「ちくわフィルム」の長編映画第3弾『幸運の犬』だ。上映するたびに号泣者が続出し、何度でも泣けると大評判の作品。
主人公は、仕事もまったくうまくいかず、46年間一度も彼氏ができたことがないヒゲポン。「クソみたいな人生だった。1回くらいGOGO BOYみたいなイケメンとキスしたかった」と嘆きながら自殺を図るヒゲポンの前に、突然一匹の「犬」が現れる。
その犬を連れて行きつけのバーに行くと、隣に居合わせた超絶イケメンのTENから「かっこいい方ですね。嫌なことは忘れましょう」と熱いハグをされ、人生最大級の幸運にすっかり舞い上がるヒゲポンだが、その犬が起こす奇跡は、まだ始まったばかりだった。
「ちくわフィルム」で監督としても活躍するヒゲポンを恋の虜にするTENを演じるのは、リアルGOGO BOYのTEN。イケメンなだけじゃなく演技の才能も開花した。
バーのマスター役にはGOGO BOY の千葉優人、さらに「ちくわフィルム」の名優・雄太がTEN の兄役で好演。肉感的で魅力的なキャストたちが、感動の物語を彩る。
『幸運の犬』
英題:Matchmaking dog/監督:まちょ
(2022年・日本・53分)
7月17日(月・祝)午後4時35分/スパイラルホール
田舎の朴訥な青年がハマる都会の性の闇
もう一つの注目作は、オーストラリア映画『ローンサム』。都会に逃げてきた朴訥な青年が、男たちの夜の世界に耽溺しながらも、ロマンチックな繋がりを求めていくという作品だ。
主人公は、田舎の牧場で育った青年ケイシー(ジョシュ・ラベリー)。ゲイだとカミングアウトしたが父親にも周囲ににも拒絶され傷つき、大都会のシドニーへとヒッチハイクで逃げてくる。
カーボーイ・ハットを被り朴訥なマッチョのケイシーは、都会のゲイにすればご馳走のような存在。年上のレザー・ダディであるピエトロ(イアン・ロバーツ)はケイシーに売春の仕事を斡旋する。
仕事で体を売るケイシーは都会の闇に落ちていき、カジュアルなセックスにも耽溺していく。そんな相手の一人であるティブ(ダニエル・ガブリエル)とは、次第に感情的でロマンチックなつながりを深めていくのだが。
都会のゲイの爛れた性的事情を直球で描く『ローンサム』は、上映時間94分の間に、ハードからフェティッシュなものまで、さまざまな性的場面が詰め込まれている。その過激さと相反するように、ケイシーとティブの間に生まれる感情の化学変化も際立ってくると評判だ。
ピエトロ役をカミングアウトした元ラグビー選手でゲイの活動家であるイアン・ロバーツが演じていることにも注目したい。
『ローンサム』
英題:Lonesome/監督:クレイグ・ボアハム
(2022年・オーストラリア・95分)
7月17日(月・祝)午前11時45分/スパイラルホール
7月22日(土)午後7時50分/ユーロライブ
他にも各国の映画祭などで話題になった作品を多数ラインアップした今年の『第31回レインボーリール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~』。気になる人は公式サイトで作品情報やチケットの販売情報などをチェックしてほしい。
『第31回レインボーリール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~』
スパイラルホール(東京都港区南青山 5-6-23 スパイラル 3F)
7月15日(土)~17日(月・祝)
ユーロライブ(東京都渋谷区円山町 1-5 KINOHAUS 2F)
7月22日(土)~23日(日)
主催:NPO 法人レインボー・リール東京
公式サイト:https://rainbowreeltokyo.com/
(冨田格)
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