【再掲】ゲイ同士で働く面白さを「ゲイ訪問看護ステーション」から考察する
※2021年11月にスタートした「ジオ倶楽部」1周年を記念して、この1年間公開した記事の中から今読むべき記事を再掲載する。
今の職場に不満があるわけではないものの、ふと考えたことはないだろうか? 「ゲイ同士で働く職場は、どんな感じなのだろう?」と。実際にゲイ同士で仕事をしているアライアンサーズの久保さんに、その実際を伺いながら、ゲイ同士で働くことの面白さを考えてみたい。
安心できる居場所の大切さを知る
ジオ倶楽部でも紹介してきた、看護師独立支援サービス「シエロ」をすすめているライアンサーズの久保さんに、なぜ「ゲイ訪問看護ステーション」を実現していこうと考えたのか、その理由をインタビューした。
ジオ倶楽部(以下”ジ”):久保さんは、起業する前はサラリーマンでしたか?
久保(以下”久”):そうです。西新宿で仕事をするどこにでもいそうなサラリーマンでした。
ジ:当時は、会社の人間関係など大変じゃなかったですか?
久:人間関係は良好でしたので、そこに不満はありませんでした。しかし、人事部にいたため、「体裁で結婚しろ」とか「家庭を持たないと半人前だ」とか言われるのは、ウンザリしてました
ジ:平成の後半になっても、そんなことを言われていたのですか?
久:そうなんですよ。でも時代は変わってきていますので、こういうこともいつかは過去の遺物になるかと思います。でも、気にするゲイの当事者の方は多少なりともいるとは思いますね。
ジ:仕事終わりには新宿二丁目で飲むことはありましたか?
久:もちろんです。毎週金曜日夜に、仕事終わりに二丁目でお酒を飲んで、帰る生活は楽しかったです。
ジ:楽しかった理由はなんでしょうか?
久:そうですね、そこにはゲイ同士のコミュニティだという安心感があったと思います。仲間がいる安心感というのか、「ほっとする場所」みたいな。当時の私にとって、それが新宿二丁目でしたね。
楽しさと高収益を併せ持てること
ジ:久保さんが独立して、ゲイのスタッフだけで「アライアンサーズ」を起業した理由は?
久:ゲイバーが都内に数多くあるのならば、それ以外の業種でもゲイ同士が活躍する場をつくってもいいと思ったのです。ゲイの問題を肌身で感じることが出来るのはゲイだからこそ分かり、ビジネスを創出出来るということも理由なのですが、そのためにはゲイ同士で冗談を言い合ったり、遊び心も大切だと思ったからです。
ジ:起業されて実際はどうですか?
久:私は「楽しいか?楽しくないか?」を基準に判断することが多いのですが、ゲイ仲間と働くことは楽しいと感じています。
ジ:アライアンサーズの事業が更に深化させ、ゲイ看護師による地域密着の訪問看護ステーションへと発展したのですね。
久:はい。ゲイの高齢者支援をするアライアンサーズの業務では、高齢ゲイの入院時や老人ホーム入居時に必要な身元保証事業で「HIV陽性の方が老人ホームなどの高齢者施設を断られるケースが多い」という課題にぶち当たっていました。今後、高齢者の在宅支援の拡充の必要性を痛切に感じたことから「ゲイ訪問看護ステーション」の事業をスタートしました。
ジ:具体的には、どのような事業なのですか?
久:訪問看護とは、看護師が退院後の高齢者など自宅で暮らす医療処置が必要な方に、医師の指示書をもとにケアをするという事業です。これは国策事業でもありまして、今後団塊の世代が後期高齢者に突入する時代背景も踏まえると、堅調にニーズが増えていくと考えています。収益性が高いので、特に地方勤務のゲイ看護師さんには、給与の高い東京や横浜の訪問看護ステーションで収入を上げて頂けたら嬉しいですね。一人でも多くの仲間を集めていきたいです。
訪問看護ステーションの特徴
訪問看護ステーションの特徴は、「高収益率・低コスト・低リスク」であることだ。
■高い収益率を見込める
訪問介護の価格は、1訪問で1万円。介護保険と医療保険の両方を適用できるうえに、訪問単価も非常に高く設定されている。すでに開業した人のなかには、開業後4ヶ月で黒字化した例もあるほどに、収益率は高い。
■低コストで開業できる
「訪問看護」の現場は、利用者の自宅。つまり、事務所は広いスペースや、特別な設備を必要としない。たとえば看護師3名で、マンションの一室や自宅を事務所として開業することも可能だ。「訪問看護ステーション」の経費のほとんどは、人件費だということを頭に入れておきたい。
■低リスクで運営できる
「訪問看護ステーション」は、国の制度下で安全に事業を展開できるということが、とても大きい利点だ。また、需要は全国どこにでもあるので、好きな場所で事業を展開することができる。
この3つの利点に、「ゲイ同士で働く」ことの面白さを加えると、「ゲイ訪問看護ステーション」のイメージがより鮮明になってくる。
社会人にとって、働く時間は毎日の生活の中でかなりの部分を占めている。「どのような仕事をするか?」はもちろん重要なことだが、「誰と働くのか?」という点もまた大切だ。
ゲイの看護師で、独立してゲイ同士で働くことに興味を持った人がいるなら、「訪問看護ステーション」についてもっと詳しく調べてみると、より具体的なビジョンが見えてきそうだ。
アライアンサーズ
所在地:東京都新宿区新宿2-12-13
電話:03-6260-8637
問い合わせ:https://alliancersjp.com/contact/
(冨田格)
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