イケメン元ゲイAV男優がスペインの小さな村の市長選に12票差で勝利した

スペイン、バレアス海から少し内陸の山のふもとにある人口約500人の小さな村の市長選挙が、元ゲイAV男優のイケメン農夫が立候補したことで一躍世界中のゲ・バイ男性が注目することになった。先日行われた選挙で、見事に新市長に選出された元ゲイAVスター男優ヘクター・デ・シルバことアントニオ・モレノを紹介する。

ゲイAVのスターから畜産農家へ転身

Héctor de Silva
画像引用元;el plural

人口約500人、スペインの小さなカルセレン村の新市長となったアントニオ・モレノは、ヘクター・デ・シルバ(Hector de Silva)という芸名で、2015年から2018年にかけて30タイトル以上のゲイAVに出演。『Hung Country』『2 Wet』『Star Wars: A Gay XXX Parody』などが有名だ。

アルバセテ市で生まれたモレノは、ゲイAV業界を引退した後に、地元の近くの村カルセレンにパートナーとともに移り住んだ。移住当初は森林消防士として働いていたが、カルセレンの壮大な自然環境に惚れ込み畜産農家をはじめた。

畜産農家として村にとけこみ働くモレノに注目したのは、保守派のスペイン人民党(PP)だ。党関係者の熱心な説得を受けて、モレノはカルセレン村のスペイン人民党の代表となり市長選に立候補した。

カルセレン村に惚れ込んで移住したものの、村の人口が激減していることに危機感を抱いていたモレノは立候補を表明したときにこう語っている。

「カルセレン村は人口が約500人で、いわゆる空洞化したスペインの一部であり、高齢者が多く、生活の質を向上させるためのプロジェクトが必要です。改善が必要な非常に多くの問題が放置されています。固定資産税がとても高く、子供のいる家族を惹きつける仕事がないため、人口が減っているのです。この村には、自然や遺産、8月の祭りなど、もっと広く知られてもいいものがあり、多くの可能性があると考えています」

ゲイAV男優だった時代を恥じていない

Héctor de Silva
 画像引用元:Instagram

選挙でモレノが闘った相手候補は、2011年から市長を続けている現職のマリア・ドローレス・ゴメス・ピケラ、彼はリベラルな社会労働党(PSOE)のメンバーだ。

現職をわずか12票の僅差で破ったモレノは、当選後の新聞の取材に対してこう語った。

「この町は非常に政治的な町なので、簡単な選挙運動ではありませんでした。私たちを叱責したり、口をきかなくなったりする人たちにも出会いました。しかし、私は、性的指向の問題や、以前の仕事の問題で、町で問題を起こしたことは今まで一度もありません」

実際、選挙への出馬を決めた当時の取材で、ゲイAV男優だった過去についてはこのように語っている。

「私はポルノ俳優としての過去を普通に受け止めています。なぜなら、私を支えてくれた家族はそのことを知っていましたし、私はいつも隠さずにを話してきたからです。その仕事を通じて多くのことを学んだので、私はAV男優であったことを後悔していません」

選挙で勝利したとはいえ得票数は文字通りの僅差、順風満帆とはいえないスタートだが、地域のインフラ、水質、税金などを立法優先事項として取り組んでいくそうだ。もしかすると、小さな村の市長に止まらず、将来はスペインを代表する政治家になるかもしれない。

ヘクター・デ・シルバことアントニオ・モレノの名前を覚えておきたい。

※参考記事:QUEERTY

(冨田格)

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