【ゲイと仕事】世界初!国勢調査で分かったゲイが好む職業とは
「ゲイはどんな仕事をしている人が多いのか」、今まできちんと調べられてこなかったことが、英国の国勢調査によって世界で初めて明らかになった。はたしてゲイに人気の職業とは?
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国勢調査にセクシュアリティ設問
自分の職業や趣味嗜好によって、どんなゲイの友達ができるのかは人によって異なるもの。それゆえ、ゲイはどんな仕事をしている人が多いのかは、自分の半径5メートルくらいで集められる情報から感覚的に把握するしかできない。
5年前の秋、国勢調査票が届けられ記入したことを覚えているだろうか。日本の国勢調査では、性的指向に関する設問がまだなかった。これは、アメリカでも同じようだ。つまり、日本でも米国でも、セクシュアリティと職業の関係を調べることは現時点では成されていない。
ところが、2021年のイングランドとウェールズの国勢調査では、自分のセクシュアリティと性自認をどのように認識しているかを尋ねる任意の質問を導入した。集まったデータはまだ分析中だが、ある団体が性的指向と職業について数字を割り出して発表した。
その発表によって、「ゲイはどんな仕事をしている人が多いのか」ということが世界で初めて数字として明らかになったのだ。
ゲイに人気の職業トップ8
この発表は、職業ごとにゲイ・バイ男性がどれくらい占めているのか割り出した。そして、少なくとも10人に1人がゲイまたはバイセクシャルであると自認している職業が4つあることを発見した。
では、ゲイ・バイ男性に人気の職業ベスト8を、占める割合とともに紹介しよう。
1位 航空会社の客室乗務員(13.7%)
2位 俳優/芸能人/司会者(12.3%)
3位 レジャー/テーマパークのスタッフ(11%)
4位 カフェ/喫茶店の店員(10.8%)
5位 アーティスト(9.8%)
6位 バーの店員(9.4%)
7位 芸術役員/プロデューサー/ディレクター(9.3%)
8位 作家/ライター(8.9%)
「航空会社の客室乗務員」が1位になったのは、予想が的中した人が少なくないだろう。
筆者が以前とあるLCCの国内線に搭乗したとき、明らかにオネエなゲイ男性2人が客室乗務員だったことがあった。まるで、2013年のペドロ・アルモドバル監督の映画『アイム・ソー・エキサイテッド!』を思い浮かべてしまうくらいに。
この発表を受けた国際客室乗務員協会の広報担当者は、こう語っている。
「今日、性的少数者を自認する多くの人々は、仲間に囲まれ、支えられながら客室乗務員として働いています。法律が現実に追いつく何十年も前から、私たちは協力して性的少数者の雇用保護を交渉し、契約において同性パートナーの福利厚生を確保してきました。
私たちの連帯のおかげで、何千人もの客室乗務員が本物の自分として生き、働くことができたのです」
ゲイに不人気な職業とは?
一方、ゲイ・バイ男性が占める割合が最も少なかった職業は、「屋根葺き職人、瓦葺き職人、板葺き職人」で0.5%しかいなかった。これは総数45,735人の労働者のうち約250人である。
次いで、「レンガ職人」「農夫」「とび職人」がそれぞれ0.6%、「配管工」と「ガラス清掃職人」はともに0.7%を記録した。
肉体労働に占めるゲイ・バイ男性の割合が少ないことは、ガテン系男子を好むゲイ・バイにとっては嬉しくない事実かもしれない。
とはいえ、ガテン系好きの間では「本職」「養殖(コスプレ)」という言葉があるくらい、ファンタジーとしてきちんと消化できている側面もあるのだろう。
ちなみに、イングランドとウェールズで最も多かった職業は「販売・小売業」の110万人だが、このうちゲイ・バイ男性が占める割合は4.5%だった。
隠れゲイ・バイも必ずいる
国勢調査全体では、16歳以上の回答者の約3%がゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、またはパンセクシュアルであると自認している。89%がストレートまたはヘテロセクシュアルと答えた。残りのほとんど(約8%)は、質問に答えないことを選択したという。
セクシュアリティを答えなかった人や、ストレートと答えた人の中にも、実は隠れゲイもいる可能性がある。
ゲイ・バイ男性に不人気な職業に就いている隠れゲイ・バイも、実は少なくないかもしれない。
日本では、どんな職業にゲイ・バイ男性が占める割合が高いのだろうか。次の国勢調査では、セクシュアリティを尋ねる設問を追加したら、どんな結果が出るのか興味がある。
※参考記事:QUEERTY
(冨田格)
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