米国プロ野球選手カミングアウト2連発!ラテン系イケメン選手の告白
2022年、2023年と立て続けに米国のプロ野球マイナーリーグ所属の2人の選手がゲイであることをカミングアウトした。今回は2023年2月にカミングアウトしたアンダーソン・コマス選手を紹介する。
メジャーリーグとマイナーリーグ
アメリカのプロ野球は、大谷翔平選手やダルビッシュ有選手が活躍しているメジャーリーグと、その傘下となるマイナーリーグがある。
メジャーリーグには、ナショナルリーグとアメリカンリーグがあり、それぞれ15チームが所属している。メジャーリーグの球団には2軍制度がないので、マイナーリーグが若手選手育成の場となっている。
マイナーリーグは7つのクラスがあり、各クラスに複数のリーグがある。マイナーリーグ全体で261チームが存在している。
アンダーソン・コマスが伝えたい想い
メジャーリーグの「シカゴ・ホワイトソックス」は傘下に6つのマイナーリーグ球団がある。そのなかでも、経験が少ない若手中心のクラスの「ALCホワイトソックス」在籍のアンダーソン・コマス選手が、2月19日(日)にインスタグラムでゲイであることをカミングアウトした。
ドミニカ共和国出身のコマス選手は、同性愛嫌悪の人々が彼の投稿を快く思わないかもしれないという免責事項を共有したうえで、カミングアウトのメッセージを公開した。
今までのなかで、もっとも個人的なメッセージを共有します。私は、LGTBQ+コミュニティの一員であることに誇りを持っており、幸せだということです。
私は情熱をもった人間であり、人に敬意をもち、恋人であり、家族と友人を愛しています。そしてプロ野球選手であることは、私にとって最高の出来事です。
だから、「自分はゲイだから何者にもなれない」と決めつけている人たちに言いたいことがあります。
私を見てください。私はゲイで、プロのアスリートであるのは、夢を叶えることを諦めなかったからです。私と同じように夢に向かって頑張ってる人たち気持ちを鼓舞したいから、カミングアウトするのです。
ゲイを見下すようなバカな話には耳を貸さないでください。自分の夢のために戦い、自分を信じて、突き進むんでいきましょう。
「ゲイは野球ができない」を時代遅れに
2015年にカミングアウトしたデビッド・デンソン、2022年8月にカミングアウトしたソロモン・ベイツに続いて、コマスは、公にカミングアウトした3人めのマイナーリーグの選手となった。
コマスのカミングアウトは、他のラテンアメリカ生まれの選手たちにとって、スポーツにおける性的少数者の進歩のための非常に重要なステップとなる扉を開くことになりそうだ。
「ゲイは野球ができない」という考えをいまだに持っている人たちがいるが、カミングアウトする選手が増えていくことでその考えは時代遅れなことだと認識が変わっていくはずだ。
コマスは外野手として活躍してきたが、昨年から投手に転向し11試合に登板、防御率6.35の成績を残している。
ホワイトソックスのクリス・ゲッツ副部長によると、コマスは昨年ホワイトソックスの組織にカミングアウトし、そのことはシステム全体で広く支持されているとのこと。
ゲッツ副部長は、「選手育成の面からも、彼が私たちと気持ちをシェアしてくれたことがとても嬉しかった。また、チームメイトを応援し、助け、祝福する組織全体の反応も期待通りで嬉しいことだった」と語っている。
現在、下部クラスの選手であるコマスがメジャーリーグに昇格できるようになるまではかなり厳しい道のりが予想されるが、いつかゲイのメジャーリーガーとして活躍する日がくることを期待したい。
※参考記事:Outsports
(冨田格)
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