米国プロ野球選手カミングアウト2連発!契約解除をきっかけに告白した選手

2022年、2023年と立て続けに米国のプロ野球マイナーリーグ所属の2人の選手がゲイであることをカミングアウトした。今回は2022年8月にカミングアウトしたソロモン・ベイツ選手を紹介する。

メジャーリーグとマイナーリーグ

ソロモン・ベイツ
画像引用元:Instagram

アメリカのプロ野球は、大谷翔平選手やダルビッシュ有選手が活躍しているメジャーリーグと、その傘下となるマイナーリーグがある。

メジャーリーグには、ナショナルリーグとアメリカンリーグがあり、それぞれ15チームが所属している。メジャーリーグの球団には2軍制度がないので、マイナーリーグが若手選手育成の場となっている。

マイナーリーグは7つのクラスがあり、各クラスに複数のリーグがある。マイナーリーグ全体で261チームが存在している。

ゲイも男らしいスポーツができることを証明

メジャーリーグの「サンフランシスコ・ジャイアンツ」と提携しているマイナーリーグの球団「リッチモンド・フライングスクウォーレルズ」に所属していたソロモン・ベイツ選手。2022年8月にインスタグラムで、自分の成績(スタッツ)の数字画像を添えてゲイであることを公にカミングアウト。同時にチームから契約解除されたことも発表した。

<要約>

大好きな野球をする機会を与えてくれたジャイアンツに感謝します。怪我から復帰して、最高のピッチングができました。契約解除されたことはショックです。でも、私の野球人生はこれで終わりではありません。

自分のやりたいことをあきらめません。私のようなゲイのアスリートが活躍するための門戸を広げていきたいのです。チャンスを与えてもらえるなら、ゲイも男らしいスポーツができるのだと証明できます。そのために、偉大なアスリートのひとりとなるべく努力し続けます。

だから、今は泣きません。前進していくだけです。

新天地を見つけて野球人生を継続中

現役のマイナーリーグ選手が公にカミングアウトしたのは、2015年のデビッド・デンソン選手が初めてで、ベイツは2人目となった。メジャーリーグではまだカミングアウトした選手はおらず、米国のプロ野球界でのカミングアウトは、まだハードルが高いようだ。

ベイツは2019年にチームメイトにはカミングアウトしており、SNSにはゲイであることを滲ませるような投稿もしていたという。

ゲイである前にプロの野球選手として見られたいという思いから公にはカミングアウトしてこなかったが、逆に自分の成績を見た人が「ゲイも野球ができるんだ」と分からせることが同じゲイのアスリートの門戸を広げることになると考えたゆえのカミングアウト。

契約解除となったベイツだが、カミングアウトの投稿をした2日後にはマイナーリーグの「スーシティ・エクスプローラーズ」からオファーを受け、契約した。

ベイツは、スーシティ・ジャーナル紙のインタビューで、こう語っている。

「チームメイトは、私がゲイであることを気にしていません。とても心強いです。最初は、とても心配でした。でも、彼らは歓迎してくれて、私は家族の一員になることができました」

特に米国プロ野球のゲイの選手たちに影響を与えそうな、ソロモン・ベイツ選手のカミングアウト。ゲイのアスリートの可能性を広げていくためにも、これから野球人生を満足のいくものにするべく頑張ってほしい。

※参考記事:Outsports

(冨田格)

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