天から二物も三物も与えられたハンサムでセクシーなゲイのアーティスト

この数年、世界中のゲイの心(と下半身)を熱くさせているデジタル・クリエイターの一人がジュリアン・トーレスだ。ハンサムな顔立ち、筋肉と程よく脂肪がのった肉体に豊かな体毛、両腕には和彫りの刺青。男たちのセクシャル・ファンタジーを具現化する存在のトーレスだが、アーティストとしての評価も高まりつつある。

動画制作を本業にしたきっかけとその理由

Julian Torres
ジュリアン・トーレス 画像引用元:instinct

今や世界各国をまわり、さまざまなデジタル・クリエイターたちと共演する動画を制作・配信したり、ゲイ・イベントに登場したりと、大活躍しているジュリアン・トーレスが、今のキャリアを築くきっかけとなったのは、元彼の存在だったという。

ベネズエラ出身のトーレスは、ワシントンD.C.で自動車部品メーカーの経理部で働いていた。当時付き合っていた元彼は、ゲイAV業界で活躍するモデルだった。トーレスがマスクで顔を隠し、元彼と性行為をするビデオを撮影、編集したものをインターネットで公開するようになった。

その投稿につくコメントは、「謎のトップ(タチ)」つまりトーレスに関するものばかりだったという。

2018年末、元彼のエージェントからAVメーカーの作品に出ないか、と声がかかった。その当時のトーレスの悩みは、治安が悪化しているベネズエラに住む家族をペルーに移住させるための資金がまったく貯まらないことだったという。

AVメーカーの依頼に応じるのか決断する前に、大の親友でもある実の兄2人に相談した。すると彼らはトーレスを非難することもなく、トーレスが決断することならばそれは最善にものになるだろうと答えたそうだ。

心を決めたトレースが2018年が終わる直前に初めての撮影に挑んだ。最初の撮影が終わった直後に監督から「君の登場する場面を増やしたい」と言われるくらい、トーレスの演技が評価が高かった。

年が明けて2019年1月に仕事を辞めたトーレスは、月に2回ほど元彼と一緒にさまざまな都市を旅してそこに住むデジタル・クリエイターたちと共演しながら、生活のために動画制作をすることにした。そしてすぐに軌道に乗り、3月には家族をベネズエラからペルーに移住させるための資金が用意できたそうだ。

アーティストとしてのキャリアとこれから

コロナ禍によるロックダウンなどで在宅時間が長くなったことは、デジタル・クリエイターたちのビジネスには大きな追い風となったことは間違いない。2019年にキャリアをスタートしたトレースは、その後4年間で世界中にファンを持つゲイAVのトップスターの一人と数えられるようにまでなった。

トーレスが恵まれた才能はセクシーなテクニックだけではなく、アートの面でも発揮されるようになってきた。

アーティストとしてのジュリアン・トーレスは、作品を購入するクライアントを増やし、ギャラリーでインスタレーションをやり、欧州の大きなイベントでライブ・ペインティングと挑発的なショーを組み合わせるなど、まさに飛躍しようとする段階にきている。

トーレスが創作活動を始めたのははるか以前、物心がついた時からだという。5歳のときに祖母に筆と絵の具とスケッチブックを買ってもらったことから絵画に興味をもち、ディスカバリー・チャンネルで見ていたツタンカーメンを描いたそうだ。

創作活動はトーレスの人生におけるストレス発散の方法であり、動画制作を本業にするようになってからは狂気に引きずられることなく正気を保つための手段にもなっていった。トーレスにとって創作活動は、生を実感感できるようにするため常に開いておく必要がある出口だという。

トーレスのなかには、デジタル・クリエイターからアートへと軸足を移していこうという考えもあるようだ。トレースはこう語っている。

「動画制作の業界は、将来なりたい場所や目標を達成するための足がかりとして、金銭的な面で機能する職業の1つです。私はこの業界で働き、自分の仕事をするのが大好きです。しかし『美しさ』『セクシーさ』『スタミナ』などが永遠に続くわけではないので、ある種の賞味期限がある職業でもあります。

だからこそ、私はこの仕事を最大限に生かす方法を探していますし、それができなくなったときのプランも用意しています」

デジタル・クリエイターとしてのトーレスを見られる時間は限定的かもしれないので、彼の動画に興味を持った人は今のうちに楽しんでおく方がいいかもしれない。しかし、セクシーなアーティストとしての姿は結構長く見ることができそうなので、楽しみは大きい。

※参考記事:instinct/instinct

(冨田格)

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