ゲイの老後に友達は大切、高齢期を支え合う友達づくり「友活」レポート

若い頃は、知り合えばすぐ友達になれるような気になっていたけれど、歳を重ねて自分の生活スタイルが定まってくると、若い時分に「友達」と思っていた繋がりも次第に消えていき、そこから新たな人間関係を築こうとするのはなかなか困難なもの。

とはいえ、家族を作らない生き方を選択してきた高齢期のゲイにとって、たまに会って話したり、スマホでメッセージをやり取りしたりする友達の存在はとても重要だ。

概ね50代~80代の高齢期に支え合える友達づくりの場となる「友活(ともかつ)」イベントを紹介しよう。

高齢期を支え合う友達づくり「友活」レポート

若い頃、ゲイバーやサークル、もしくはハッテン場でよく顔を合わせて話をしていた「友達」が多かったはずなのに、気づけば誰もが音信不通。

友達がいたらいいなぁとか、誰かとご飯食べたりしたいなぁと思っても、いまさら友達と出会うきっかけが掴めないというゲイの兄貴、親父さんは少なくないはず。

そんな高齢期のゲイのために、出会いの場を提供してくれる「友活」というイベントを首都圏で不定期に開催している。

では、「友活」とはどんなイベントなのか、2021年12月に都内で開催した「友活」の様子を、主催したアライアンサーズの久保氏にレポートしてもらおう。

3つのグループに分かれてテーマについて話し合う

2021年12月は、秋葉原駅の近くにある会議室で開催した。冬が始まった寒い時期にも関わらず、約10名が参加、平均年齢は約65歳。

以前に参加したことのある人から紹介されたという人もいれば、初めて一人で参加する人や、何度目かの参加になる人まで、様々なゲイの人が集まった。

参加者を3つのグループに分けて、そこから3つのテーマについて話し合ってもらった。

「50歳以降の友達の作り方と孤独にならない方法」

「定年退職後の老後資金の使い方と減らさない方法」

「老後の住み替えについて」

この各テーマについて15分ずつ議論してもらい、その後講師である私・久保が解説と補足をした。

一つ目のテーマは「50歳以降の友達の作り方と孤独にならない方法」

このテーマに関しては問題意識・危機意識を持っている人が多いためか、実に様々な意見があげられた。「出会い系サイト」で人と知り合うことの利点を熱く語る人もいれば、プライドが高いために初対面の人とどう話をすればよいのかわからないという意見もあった。

二つ目のテーマは「定年退職後の老後資金の使い方と減らさない方法」

このテーマで議論してもらった後に久保から話をしたのは「預貯金」「保険」「住み替え」という3点。

預貯金については「1,500万円程は用意したい」。その内訳は、介護費用に500万円、入院手術代に200万円程、入院時や老人ホーム入居時に必須である身元引受料に150~200万円、親の介護に200~300万円、そして個人差はあるが年金額の不足分も考えておきたい。

預貯金という形でカバーできないならば「保険加入が必要」となってくる。親の介護に備える民間の保険は月額500円程度からあり、介護状態に備えた民間の保険は月額2,000円程度から、入院時の備えの保険ならば月額1,000~3,000円程度からあるということを解説。

注釈)入院費用個人負担額平均14,799円(住友生命資料より引用)90日入院で130万円超。入院時などは高額療養費制度もあるが、個室利用時は適用されないなど医療費は落とし穴もある。20代、30代の人は若いうちやガチムチになる前に入院保険の備えを考えたい。

さらに、月にかかる生活費を削減するためにも、リーズナブルな広さ・価格の部屋に「住み替える」ことを考えるべき、ということ。

そこから三つ目のテーマ「老後の住み替え」について議論をしてもらった。

今回、一番盛り上がりを見せたのがこのテーマで、質問や議論が白熱した。家賃を減額することや、近くにゲイ仲間が住んでいる環境がいいなど、老後の住宅に対する関心が高いことがよくわかった。

住み替えることで変わる高齢期のゲイライフ

アライアンサーズ ゲイの老後は横浜で

アライアンサーズでは、「ゲイの老後は横浜で」というサービスを勧めている。

50代後半以降のゲイに向けて、物価や家賃の高い東京23区から横浜市南部エリアに住み替えることを支援するというもの。年金の範囲内、家賃約4万円程度で毎月生活が出来る賃貸住宅を紹介。家賃を減額するだけではなく、同じエリアに高齢期のゲイが集まってくることで交流が生まれてくることも期待できる。

このサービスについて興味を示す人が多く、質問や議論が白熱した。参加した人の多くは、孤食(ひとりめし)や孤独になることの恐怖を感じているようだった。だからこそ、同じエリアに世代の近いゲイが集まってくるという環境に魅力を感じたようだ。

最後に、アンケートや帰り際に直接寄せられた参加者の意見を紹介しよう。

「一人は寂しかったけど、初めての人同士でもグループ分けしたことで話しやすく、最後には隣の人とLINE交換もできて良かった」

「悩んでいるのは自分だけでないとわかって、嬉しかった」

「今から終活準備をしておかないと、ゲイライフは難しいということがわかった」

「お金がないなりにも、横浜に住み替えして楽しい老後が実現出来るイメージが出来たのでもう少し話を聞きたい」

「友活」に参加したいなら、メッセージを送ろう

久保氏のレポートで「友活」イベントのイメージは掴めただろうか?

オミクロン株の蔓延のため、次回開催日は未定となっているが、参加してみたいと思うならアライアンサーズのサイトから「次回参加希望」とメッセージを送っておけば、開催が決まったらいち早く連絡をもらえるとのこと。

「ゲイの老後は横浜で」など、老後に関する個別相談も受け付けているので、不安なことがあったら尋ねてみるのも良さそうだ。

友活の会(アライアンサーズ)
公式サイト:https://tomokatsu.hp.peraichi.com/ 
「ゲイの老後は横浜で」:https://www.atpress.ne.jp/news/272581
※不動産賃貸案内は提携不動産会社が対応

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ゲイの老後に友達は大切、高齢期を支え合う友達づくり「友活」レポート”へ1件のコメント

  1. こういち より:

    ゲイの老後は準備をすれば、安心。
    準備なしでは悲惨なことになるのがよくわかりました。

    イベント参加してみて、まずはお話を聞いてみようと思います。

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