小池真理子・桐野夏生・江國香織・綿矢りさ・柚木麻子・川上弘美が書き下ろすユーミン・トリビュート小説集
松任谷由実のデビュー50周年アニバーサリーを記念してさまざまなイベントが進行しているなか、新潮社から、第一線で活躍する6人の女性作家がユーミンの名曲のタイトルから着想した中短篇小説アンソロジー「Yuming Tribute Stories」が6月27日に発売となる。
あの名曲たちをモチーフにした小説集
小池真理子、桐野夏生、江國香織、綿矢りさ、柚木麻子、川上弘美。
松任谷由実のデビュー50周年を記念して、ユーミンが生んだ数々の名曲タイトルの中から、6人の人気女性作家が新たなストーリーを紡ぎだした。この中短篇のアンソロジーは、6月27日に新潮文庫オリジナルとして刊行する。
いまも胸にのこる後悔、運命と信じたはかない恋心、忘れえぬ異国の光景、取り戻したかったあの瞬間の空気。
そう、願いがかなうものならば――。
メロディーを耳にしただけで、あの頃の幸福な気持ちや切ない想いを鮮やかに甦らせてくれる永遠の名曲たち。
ユーミン(松任谷由実)の人気曲のタイトルが、6人の女性作家によって新たなストーリーへと生まれ変わる。不世出のシンガーソングライターのデビュー50周年を記念して編まれた奇跡のコラボレーション。唯一無二のトリビュート小説集が誕生する。
巻末に『ユーミンの罪』の著者・酒井順子の解説を付記。カバーデザインは森本千絵が担当。
収載作品
「あの日にかえりたい」小池真理子
いまも私の心は学生時代を過ごしたあの場所にいる。「DESTINY」桐野夏生
大学職員の独身男子が心奪われた「運命の人」とは?「夕涼み」江國香織
かつて暮らしたポルトガルのあの光景を忘れられない。「青春のリグレット」綿矢りさ
離婚直前の私の心を占めるのは元彼への悔恨だった。「冬の終り」柚木麻子
友情とも憐憫ともつかない同僚への感情の行方は?「春よ、来い」川上弘美
一度だけかなえられる能力をもつ人々が願ったもの。
6人の女性作家たち
小池真理子(Koike Mariko)
1952年東京生まれ。1989年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、1995年『恋』で直木賞を受賞。以後、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞などを受賞。近著に『神よ憐れみたまえ』『月夜の森の梟』がある。
桐野夏生(Kirino Natsuo)
1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1997年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頰』で直木賞を受賞。以後、柴田錬三郎賞、読売文学賞などを受賞。日本ペンクラブ会長。
江國香織(Ekuni Kaori)
1964年東京生まれ。1987年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞を受賞。2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞。山本周五郎賞、谷崎潤一郎賞、川端康成賞も受賞。
綿矢りさ(Wataya Risa)
1984年京都生まれ。2001年『インストール』で文藝賞受賞。大学在学中の2004年に『蹴りたい背中』で芥川賞受賞。以後、大江健三郎賞、島清恋愛文学賞を受賞。主な著書に『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』などがある。
柚木麻子(Yuzuki Asako)
1981年東京生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年に『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞している。
川上弘美(Kawakami Hiromi)
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年には「蛇を踏む」で芥川賞を受賞。以後、ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞、泉鏡花文学賞などを受賞。
ユーミンの名曲にあの彼との恋愛や、青春時代の思い出が重なる人も、後追いでユーミンの魅力に気づいた世代も、音楽とは異なる魅力を持つ女性作家が紡ぎ出す物語の虜になりそうだ。
Yuming Tribute Stories
著者:小池真理子・桐野夏生・江國香織・綿矢りさ・柚木麻子・川上弘美
発売日:6月27日
造本:文庫判
本体定価:649円(税込)
ISBN:978-4-10-133963-4
Amazon:https://amzn.to/3abUnfP
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