なぜ、あの人はよく眠れるのか? 今夜、熟睡するための3つのヒント
不安やストレス、運動不足? なかなか眠れない理由を探りたい。
主婦と生活社は7月4日、一冊でいろいろなメソッドを試せたり、複数のメソッドを掛け合わせたりして活用できる睡眠大全『なぜ、あの人はよく眠れるのか 元気な自分を取り戻す101の快眠メソッド』を発売した。
なぜ、あの人はよく眠れるのか?
著者は自律神経研究の第一人者であり睡眠にも造詣が深い、医師の小林弘幸氏。共著者として、学校、行政、企業などで睡眠研修を実施しているメンタルトレーナーの三輪田理恵氏が「実践編」を担当。
快眠に近づくための方法を原因別に101種類以上カタログ的に掲載しているので、その日の体調や気分、環境に合わせた快眠法が選べる。「最近良く眠れない」という人にもきっとぴったりの快眠法が見つかる「快眠大全」だ。
小林弘幸(こはやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、腸内環境を整えるみそ汁や自律神経を整えるストレッチを考案するなど、さまざまなかたちで健康な体と心づくリを提案している。
三輪田理恵(みわた・りえ)
睡眠改善コーチ・メンタルトレーナー。日本睡眠学会正会員/上級睡眠健康指導士。幸せに生きるための方法を提供したいと強く思い、講師・コーチ・ライターとして独立。2016年より企業・学校・行政などで睡眠やメンタル講座、個別コンサルティングをおこない、10,000人以上を快眠にいざなう。
快眠のためのヒントが詰まった『なぜ、あの人はよく眠れるのか 元気な自分を取り戻す101の快眠メソッド』から、3つの有益なヒントを紹介する。取り入れられそうなものがあったら、早速今日から実践してみよう。
季節によって眠りは変わることを意識する
■解説
体内時計は「1日のリズム」をコントロールしている、と考えている人がほとんどかもしれません。しかし実際には、体内時計はさまざまなリズムをコントロールしています。
たとえば植物であれば、春に花を咲かせて、冬には枯れます。また、渡り鳥は季節によって移動しますし、クマは冬になると冬眠します。
このように、数か月以上の周期を刻む体内時計もあるのです。
睡眠に関していえば、季節によっても睡眠は変わってくることにお気づきでしょうか。日照時間、気温の変化など、1年の間でも私たちの睡眠は変わります。
「春眠暁あかつきを覚えず」という言葉がありますが、春先には多くの方が眠気を感じます。その理由は次の2つです。
1)年度が変わりさまざまな行事で多忙になるため、睡眠時間が不足しやすい。
2)日照時間が長くなり、睡眠ホルモンである 「メラトニン」 が冬に比べて早く低下するため、ゆっくり眠れなくなる。
そして、夏に関しても、下記の2点で睡眠不足を訴える方が多いようです。
1)暑さ
2)日照時間の長さ(暗い時間が短い)
そして、秋になると気候がよくなり、比較的長めに眠れるようになります。冬は、寒さのために眠りが浅くなり、中途覚醒が多くなる傾向があります。ただし、日照時間が短いことで、睡眠時間は長くなるようです。こうして1年を通してみてみると、秋が一番眠りやすい時期といえるでしょう。
■実践
眠れないことを必要以上に気にしすぎることは、ストレスの原因になります。仮に眠れない日が続いたとしても、1年を通して考えれば「季節によるものだ」と認識することで、気持ち的にラクになります。
日照時間や気温などの環境が異なることで、睡眠は変わるのです。逆にいえば、それら季節性の要因を解消していくことが、快眠につながるとも考えられます。
上手な“二度寝”を取り入れる
■解説
忙しすぎて平日は慢性的な睡眠不足、休日は昼まで寝ている……という人は要注意。体内時計のリズムを崩してしまい、睡眠の質が下がってしまいます。次の図をご覧ください。
休日にいつも通り目を覚ました場合と朝寝坊をした場合の、翌週の眠気度や疲労度を比較したものですが、休日に朝寝坊をすると、体内時計のリズムが崩れ、翌週まで眠気や疲労感を持ち越してしまうことがわかります。
ブルーマンデーという言葉がありますが、月曜日に体調不良で仕事を休む人が多いのは、休日にリズムを崩しやすいことも原因のひとつとして考えられます。
■実践
では、そもそも平日に睡眠時間が確保できない人はどうやって睡眠負債を解消していけばよいのでしょうか?
体内時計を動かすのは、「光」と「食事」。これをうまく活用した上手な二度寝、そして仮眠を取り入れることで、体内時計のリズムを崩さずに睡眠負債を解消することができます。
まず、上手な二度寝のやり方ですが、休日の朝もできれば平日と同じ時間に、難しい場合でも1~2時間以内の差で起きます。そして太陽の光を浴びてコップ1杯の水を飲み、可能であれば朝ごはんを食べて少しゆっくりします。そしてそのあと、二度寝をするのです。
仮眠をとるなら、午前中に1~2時間程度(ノンレム睡眠とレム睡眠の1サイクル分)とり、それでもまだ眠いようなら、15時までの時間に30分以内の仮眠をとります。このように、効果的な二度寝・仮眠ができれば、体内時計のリズムを崩さずに睡眠負債を解消することができます。
夕方に軽い運動をして体温を調整する
■解説
体温が睡眠に与える影響は、非常に大きいといえます。人は眠りに入るとき、体の深部体温である脳や内臓の体温を下げることで、眠りやすくなります。
下のグラフをご覧ください。私たちの体内時計のリズムでは、起きてから11時間後、つまり夕方くらいの時間がもっとも体温が高くなる時間で、ここから夜にかけて体温が下がっていき、寝つきやすくなります。
この深部体温を下げるためには、運動がとてもおすすめです。体を動かすことで血流を促し、血液を体のすみずみまで流してくれます。
ただし、寝る直前の激しい運動は避けたほうがよく、理想は体温がもっとも上がる夕方の時間におこなう軽い運動です。体温の高いときに体を動かして体温のピークを高くつくることができれば、夜にかけて深部体温をグッと下げることができ、運動しなかったときに比べて、より深い睡眠に入ることができるというわけです。
■実践
運動といっても、ランニングや激しい筋トレをおこなう必要はありません。夕方、ウォーキングをしたり、仕事や家事の合間に意識して少し体を動かすだけでもOKです。また、仕事帰りに駅まで少し遠回りするなど、習慣化しやすい方法をみつけるといいでしょう。
紹介した3つのヒント、今日から取り入れられそうなものはあっただろうか。『なぜ、あの人はよく眠れるのか 元気な自分を取り戻す101の快眠メソッド』には、ほかにもストレッチや気持ちを書き出してポジティブになる方法など、101の快眠法を掲載。
なかなか熟睡できず悩んでいるなら、試してみる価値がありそうだ。
【目次】
第1部/なぜ、自律神経を整えるとよく眠れるのか
【1 快眠へ導く自律神経の整え方】
・寝不足が続いて不調になる“睡眠負債”とは?
・自律神経を乱すストレス、生活習慣、加齢
・自律神経の乱れがなぜ眠りに悪影響を及ぼすの?
・よく眠れない人は老けやすくなる?
・自律神経を整える3つの要素
・自分に合っだ“快眠法”を見つけよう【2 あなたの睡眠は大丈夫? 自分の眠りをチェックする】
・眠れている/眠れていないはどうやって判断するのか
・そもそも‘よい睡眠'とはどんな睡眠のこと?
・あなたは朝型?夜型?睡眠の「クロノタイプ」を知る
・睡眠力を身につけるには「からだ・こころ・環境」を整える第2部/からだ・こころ・環境を整える101のメソッド
【からだを整えるメソッド】
【こころを整えるメソッド】
【環境を整えるメソッド】
『なぜ、あの人はよく眠れるのか 元気な自分を取り戻す101の快眠メソッド』
著者:小林弘幸/三輪田理恵
定価:1,760円(本体1,600円+税10%)
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