【ゲイの性欲研究】愛情ホルモン”オキシトシン”がゲイをムラムラさせる?

やってもやっても満足できない。毎日のようにハッテンしないと気が済まない。過剰に性的な欲望を抱き続け、それが止められない「セックス依存」のような状態に陥ってしまうのは男性ホルモン”テストステロン”の影響なのかと思いきや、愛情ホルモン”オキシトシン”が影響しているのではないか? という研究結果が発表された。

★ジオ倶楽部はひとつ前の記事も見逃せない
野生的で可愛い!包容力と性的魅力を兼ね備える世界の熊兄貴・親父図鑑17

強すぎる性欲は生活に悪影響を与えるかも?

オキシトシンとハイパーセクシュアリティ
イメージ画像

毎日のようにハッテン場に通ったり、暇さえあれば男探しのためにスマホをスクロールし続けたり。たしかにセックスは素晴らしいし、ゲイセックスは気持ちがいい。しかし、もしかしたら、連日のハッテン場通いやスクロールし続けることがあなたの人生に悪影響を及ぼしているのかもしれない?

新しい研究で、性欲が高すぎる状態である「ハイパーセクシュアリティ(性欲亢進症)」の男性は、しばしばオキシトシンというホルモンのレベルが高いことがわかった。

★あわせて読みたい!
【ゲイの本音】体の繋がりと心の繋がり、本当に求めているのはどっち?

ハイパーセクシュアリティとホルモン

オキシトシンとハイパーセクシュアリティ
イメージ画像

スウェーデンのウメオ大学(Umeå universitet)の研究者たちは、「ハイパーセクシュアリティ(性欲亢進症)」の臨床診断を受けた64人の男性を調査した。その結果が最近、医学専門誌で発表された。

「ハイパーセクシュアリティ(性欲亢進症)」とは、性的な空想や衝動、行動が生活に悪影響を及ぼす程度にまで過剰にとらわれてしまう状態をいう。

ハイパーセクシュアル参加者の約半数は、自分の行動に対処するための7週間の認知行動療法プログラムに登録、また研究のために定期的に血液サンプルを提供した。

※認知行動療法とは

認知療法・認知行動療法は、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。認知は、ものの受け取り方や考え方という意味です。ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

引用元:認知行動療法センター公式サイト

その結果、「ハイパーセクシュアリティ(性欲亢進症)」の男性では、オキシトシンのレベルが対照群のほぼ2倍であることが判明した。また、7週間の行動療法後、オキシトシンのレベルは著しく低下し、対照群をわずかに上回る程度になった。

「ハイパーセクシュアリティ(性欲亢進症)の根底にある病態生理に関する知識は不足しており、オキシトシンの関与を示した研究はこれが初めてです」

と、主任研究者のアンドレアス・チャッツィトフィス医学博士が語っている。

なぜ男性のオキシトシン濃度が高かったのかは不明である。しかし、少なくとも、「ハイパーセクシュアリティ(性欲亢進症)」の診断を受けようとする人がいれば、オキシトシンレベルをチェックすることは有益な指標になるかもしれないと研究者たちは考えている。

★あわせて読みたい!
【ゲイ・バイ・ノンケ】男の性的指向にきっちりした境界線は存在するのか?

オキシトシンとは何か?

オキシトシンとハイパーセクシュアリティ
イメージ画像

オキシトシンは生殖器系の重要なホルモンであり、出産や授乳に一役買っているため、男性よりも女性の方が多く持っている傾向がある。

しかし、人間は誰でもこのホルモンを持っている。オキシトシンは「抱擁ホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれることもあり、愛情や親密さを経験すると分泌量が増加する。男性も射精時に脳からオキシトシンが分泌される。抱きしめたり、手をつないだり、触れ合ったり、あるいはペットの犬や猫を抱っこするだけでも、このホルモンを増やすことができるという。

一般的に、オキシトシンは人を温かくファジーな気分にさせ、幸福感を向上させると考えられているが、ストレスの多い状況では、社会的接触を求めたり闘争本能を刺激することもある。ストレスが気分に与える正確な影響は不明であり、人が置かれた状況に大きく左右されるようだ。

この研究の研究者たちは、男性はストレスの感情を打ち消すためにオキシトシンのレベルを上げる方法を模索するのではないかと推測しているが、この理論を探るにはさらなる研究が必要であるとしている。

また、「射精は短期的に血漿オキシトシン濃度を有意に上昇させることが知られている。今後の研究では、この潜在的なバイアスの原因に対処し、適切に説明すべきである」と強調している。

この研究結果を報じた米国のゲイ・メディア「QUEERTY」は、キプロス大学の精神医学チャッツィトフィス講師に見解を求め、このように語った。

「ストレスと性行動の関係は、多くの要因によって複雑である。また、一般の人たちよりもうつ病の程度が高いことで知られるゲイの男性が、性行動過多になりやすいかどうかについては、推測の域を出ない。この研究ではセクシュアリティについて尋ねていないので、意見を述べるのは非常に難しい」

しかしチャッツィトフィス講師は、「ゲイの男性は一般集団よりも大きなレベルのストレスを経験しており、オキシトシンはそのような集団においてもストレス対処メカニズムに関与している可能性がある」という点には同意した。

あなたは「ハイパーセクシュアリティ(性欲亢進症)」だと自覚したことはあるだろうか? まだ経験していないとしても、今後のためにオキシトシンの存在は意識しておくほうがよさそうだ。

※参考記事:QUEERTY

(冨田格)

★あわせて読みたい!
ジムで筋トレするとムラムラするのは当然、という研究結果が発表された 

コメントを残す