【ゲイの人生相談】相性の合うセフレが淋病に感染、自然消滅させるべき？

ゲイ・バイが独身生活を謳歌するには、相性の合うセックス・フレンドの存在は重要だ。しかし、そんなセフレから性感染症にかかったと告げられたら、気持ちはどのように揺れ動くだろうか。セフレからの性病告白に動揺してしまったゲイ男性に人生相談の専門家が授けたアドバイスとは。

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セフレの性病告白に動揺、どうするべき？

結婚・家族セラピストの資格を持つジェイク・マイヤーズが担当する、米国のゲイ・メディア『QUEERTY』の人生相談コラムに、ゲイ男性アンドリュー君（仮名）が送った相談。

「ハイ、ジェイク。

僕は34歳の独身ゲイ、独身生活をなによりも気に入っている。過去には何度か恋愛を試したことがあるのだけど、苦手なんだ。誰かの恋人になるより、セフレ（FWB：Friend With Benefits）になる方がずっと得意みたい、というかその方が楽なんだよね。

僕はセックスに対しては前向き、プレップ（PrEP：性交渉する前からHIVの薬を内服し、HIV感染のリスクを減らすというHIVの予防方法）をやっていて、セックス・ライフは充実している方だと思う。

とはいえ、最近ちょっと問題が生じたんだ。この3カ月間ひんぱんに会っていたセフレから『淋病の陽性反応が出た』とメールが来た。ラッキーなことに僕は彼からうつされていなかった。セフレを独占したいタイプではないので、彼が他の相手を会っていることが分かっても動揺はしなかった。

でも先週、彼が深夜に 『WYD?（What you doing：何してるの？）』というメールを送ってきたのに、僕は返事をしなかった。数日後、彼は『怒っているの？』とメールを送ってきた。

怒ってはいないんだけど、淋病のことがあってから、もう彼と会いたい気持ちがなくなってしまった。性病は、セックスに前向きな独身生活にとってはありうることだし、それは理解している。でも、彼が淋病に感染したことで、ベッドでの相性は最高なのにまた会いたいとは思わなくなった。

僕は、身勝手で悪いセフレなのだろう？」

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コミュニケーションの重要さを考える

アンドリュー、まずはあなたが淋病に感染しなかったことを祝いたいと思う。そして、あなたが自分が誰であり、何を望んでいるかを知っていることに拍手を送りたい。

独身であること、複数のパートナーとセックスを楽しむこと、プレップで事前に予防をしていることはあなたがセックスに責任感を持っているわけで、全く恥じることはありません。また、30代、あるいは何歳になっても一対一の恋愛をしなければならないという決まりもありません。

とはいえ、ただ恋愛をしたくないだけなのか、それともあなたが言うように「恋愛が苦手」なだけなのか、よく考えてみてほしいのです。単に誰かとくっつきたくないだけなら、それはそれでいいでしょう。しかし、もし自分に何らかの欠陥があると感じて我慢しているのであれば、セラピストに相談してみるのもいいかもしれません。

さて、ご質問の件ですが。

たとえあなたが性的に最高の人生を送っていたとしても、やはり自分自身と健康を第一に考えたいものです。性感染症が陽性だと言われれば、自己防衛機能が働き、不快に感じる状況を避けたくなるのは当然のことです。

セラピストとして、私は皆さんに自分の感情的な反応に注意を払うよう勧めています。感情は私たちに何かを伝えるためにあります。この場合、あなたの避けたいという感情は、それを続けることがあなたにとって心地よいことではないことを告げているのだと思われます。それは判断に問題があるのではなく、あなたの個人的な健康と安全の問題なのです。

もちろん、素晴らしい性的パートナーを失うかもしれないというマイナス面はあります。彼が健康状態に問題がないと知っていたら、もっと安心して性的関係を続けられていたのは間違いないでしょう。

性感染症が増えているという最近のニュースを考えると、付き合う前に性感染症の検査をして陰性であることを見せてほしいと言うのは、まったくフェアなことだと思います。また、HIV予防のためのプレップに加えて、性感染症から身を守るための防御手段であるコンドームの使用を提案することもできます。

検査結果を共有することやコンドームを使用することは次のセフレを作るときに考えるとして、今のあなたの心には、何が起こっているのでしょうか？　あなたが考えるように淋病は誰にでも起こりうる病気であるにもかかわらず、無意識のうちに彼を”汚い”存在として見ていませんか？

ゲイに理解があってセックスに肯定的なセラピストと一緒に、あなたの心の中で無意識に淫乱なゲイへの辱めが行われていないかどうか探ってみるのもいいかもしれません。また、友人に相談したり、他のゲイ男性のSNSコミュニティに参加して、彼らの考えを聞いてみるのもいいでしょう。もちろん個人情報が流出しないよう気をつけてのことですが。

いずれにせよ、私はあなたが彼と何らかのコミュニケーションをとることを勧めます。このまま彼をスルーして自然消滅させてしまうのは、彼を不必要に混乱させ傷つけることになるかもしれなません。人間関係において感情は変化するものであり、あなたはそれを彼に伝える義務があります。しばらく冷却期間を取る理由を、どこまで話すかはあなた次第ですが。

プレップによって「生」がフリーパスのように感じられることもある現在ですが、性感染症はまだ現実のものです。そして、「セックスに前向き」であることは、自分の感情を無視することを意味しません。まずは自分を最優先して、できる限りリスクを避けることが何よりも大切です。

気持ちに変化が生じることは責められるべきではありませんが、自分の中の偏見を専門家と一緒に検証し、彼と明確なコミュニケーションを実践することをお勧めします。

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アンドリュー君の行動に批判の嵐

アンドリュー君の悩みに対するジェイクのアドバイスを受けて多くのゲイが意見を表明した。その大半は、アンドリュー君の行動・考えを批判するものだった。

「アンドリューはコンドームが嫌いで、いろいろなパートナーと性的に活発だからプレップをやっているんだろうね。僕はアンドリューのように感じることはほとんどない」

「この記事で唯一語られていないのは、アンドリューのセフレが淋病を陽性であると知らせてくれたことの価値だ。彼は、その意味で素晴らしい男だと思う。彼がアンドリューにとって最善の利益を一番に考えてくれているという、ある種の信頼すら感じさせてくれる。自分の感情と向き合って、正直に感じてみよう。彼はキープしておく意味がある男かもしれない」

「性病検査で陽性だったことを親切にも教えてあげたのに、スルーされて自然消滅になることに納得できるだろうか？　もし答えがノーなら、他の人にはしないことだ」

「セフレは淋病になったことを彼に話した。彼は、感染をかわしたことに安堵するよりも、彼自身の内面的な恐怖が大きくなったように思える。もっと安全に遊ぶか、もしくは自分のしていることが性感染症のリスクを冒していることを認めるよりも、このセフレと寝なければ大丈夫だと自分に言い聞かせているようだ」

「申し訳ないがアンドリューは嫌な奴にしか思えない。セフレは自分の検査結果を告げた。彼がすべきことは、正直に告げてくれたことへの感謝だった。たとえアンドリューが表面的な人間でセフレとの関係を終わらせるにしても、もっとまともに接することができたはずだ。メールを無視し、怒っているのではないかと心配させたのは最低な行動だった。セフレの人生にアンドリューがいないほうがいい」

もしあなたが、最高に相性の合うセフレから「性感染症になった」と告げられたら、どう反応するだろうか？

※参考記事：QUEERTY

（冨田格）

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