【今さら聞けないゲイバー入門】扉を開ける勇気が湧いてくる初心者ガイド

誰にだって初めての体験はある。若い人はもちろん、どんなに歳を重ねていたとしても初めての体験は緊張するものだ。リアルなコミュニケーションを求めて、ゲイバーに行ってみたいと考える人に贈る、扉を開ける勇気が湧いてくるゲイバー入門をお届けする。

この記事では3つのテーマで、ゲイバーの雰囲気や仕組みを紹介していく。

ゲイバーの基礎知識「ゲイバーって、どんなところ?」 
ゲイバーの価格設定「料金は、いくらくらいかかる?」
ゲイバー攻略ガイド「飲みに行くなら、いつがいい?」

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ゲイバーの基礎知識「ゲイバーって、どんなところ?」

今さら聞けないゲイバー入門
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ゲイバーには大きく分けてターゲット客層が異なる3つのタイプがあると考えてほしい。

「MEN ONLY」基本、ターゲットの客層はゲイのみ
「MIXバー」ターゲットの客層はゲイと、それ以外の男女
「観光バー」基本、ターゲットの客層はノンケ男女

この記事は「MEN ONLY」のゲイバーを解説していくが、その前に「MIXバー」と「観光バー」について簡単に説明する。

「MIXバー」

MIXバーは、都会型と地方都市型の二種類に分かれる。

都会型は、新宿2丁目などゲイバーが集中しているエリアに目立つ。MIXバーはゲイ客と、ゲイバーならではの文化を楽しみたいゲイ以外の客が混在することで、セクシュアリティの垣根を越えた交流が生まれることも少なくない。

地方都市型は、ゲイバーが1軒しかない地域に見られるタイプ。

その地域のゲイ人口が少ないので、ノンケ男女も受け入れて経営を成り立たせている場合が多い。しかし、地域唯一のゲイバーなので、ゲイ客にとっては大切なコミュニティの場としての側面も持ち合わせている。

■「観光バー」

「MIXバー」との大きな違いは、ゲイのマスターやスタッフがノンケ客をもてなすスタイルということ。ゲイ客が占める割合が低いのが特徴。料金システムは、「MEN ONLY」「MIXバー」に比べると高めの設定の場合が多い。

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■「MEN ONLY」はゲイのコミュニティ

「MEN ONLY」のゲイバーの多くは、カウンター越しに接客するスナック形式。国内に数百軒あると思われるゲイバーは、カウンターのみか、もしくはカウンターに加えてボックスと呼ばれるテーブル席が何点か設置されているという小規模店舗が中心。

インターネットも、スマホもなかった昭和の時代、ゲイバーはその地域に住むゲイにとって、出会いの場であり、友達が作れる場でもあり、絆が生まれるコミュニティだった。

ほとんどのゲイがクローゼットだった時代は、ノンケ男性のふりをして社会生活を送っているゲイにとって本当の自分に戻れる大切な場所でもあった。

ゲイの出会いがGPSアプリなどインターネットを使うものに移ったとはいえ、ゲイバーは今でもリアルな出会いがあったり、友人が見つかるコミュニティであり続けている。

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ゲイバーの価格設定「料金は、いくらくらいかかる?」

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勇気を振り絞って初めてゲイバーに行く時に、料金が分からなくて不安で1万円札を数枚財布に入れて向かった、という話は珍しくない。しかし「MEN ONLY」のゲイバーは、キャバクラやホステスがいるクラブやバーよりも遥かに安価で楽しめる。

詳細な金額はエリアや店舗によっても異なるが、大半の店は

チャージ(チャームという場合もある)+飲み物代

で後払いシステムになっている。チャージには「席料」と簡単なつまみ(スナック類、もしくはちょっとした料理)の料金が含まれている。

飲み物を注文するたびに支払う「キャッシュ・オン・デリバリー」の店では、チャージがかからない場合が多い。欧米や東南アジアのゲイバーはキャッシュ・オン・デリバリーが一般的で、日本でも都市圏を中心に存在している。

「最後にいくら請求されるのか不安」という場合は、注文するときにドリンクの金額が分かる「キャッシュ・オン・デリバリー」の店から初めてみるのもいいかもしれない。

スナック形式のバーのなかには、ドリンクの金額を記したメニューがない場合もある。細かい料金設定はそのエリアや店舗によっても異なるが、2杯飲み物を頼んだ場合は3000円前後と考えておくとよさそうだ。エリアによっては、もっと安価な場合もある。

気に入ったゲイバーと巡り合い、いつも飲む酒のボトル・キープをした場合の料金システムは、

・新たにボトルを入れる時 ボトル代+セット料金

・キープボトルを飲む時 セット料金のみ

※セット料金は(チャージ)+(割もの=氷や水、炭酸、トニックウォーター、茶類など)を含む。

という感じだ。エリアや店舗によっても異なるが、セット料金は2000円前後に設定している店が多い。ボトルの料金設定は店舗によって異なる、店内にメニューがない場合は店のスタッフに尋ねて確認したい。

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MEN ONLYゲイバーで滅多に”ボられない”理由

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「MEN ONLY」のゲイバーで法外な料金を請求される、つまり「ボられる」話は、ほとんど聞いたことがない。

それには2つの理由が考えられる。

1つは、ゲイにとって「地元のスナック」のような存在だから。

「MEN ONLY」のゲイバーは、特別な時に気合いを入れていくようなラウンジバーとか、接待のために使う銀座のクラブのようなものではなく、郊外の駅前にある地元の人が毎日のように通ってくる居酒屋やカラオケスナックに近い存在だ。

常連客が毎日のように通ってくる気楽な飲み屋さんは、そこに集う人たちにとってのコミュニティの場。「MEN ONLY」のゲイバーも同じで、コミュニティという側面を持つからこそ、月に何回でも気楽に飲みに来られる金額設定になっている。

もう1つは、「ゲイバーには強固なネットワークがある」こと。

同じエリアにある店舗同士だけではなく、日本各地のゲイバーがそれぞれに繋がりを持っており、「口コミ」による情報共有のスピードはインターネットがない時代でも驚くほど早かった。インターネットを介して繋がる今の時代は、その速度はさらに上がっている。

もし法外な料金を請求するような荒っぽい商売をする店があったら、その情報も瞬く間に日本各地で共有されるだろう。つまり、ゲイバー同士の「口コミ」による情報共有ネットワークが、荒っぽい商売の抑止力になっているとも考えられる。

ゲイバー攻略ガイド「飲みに行くなら、いつがいい?」

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ゲイバーの基礎的な知識と、料金のイメージが掴めたら、実際に飲みに行ってみよう。

■頭を悩ますゲイバー選び

最初に頭を悩ませるのは、どのバーに行けばいいのかということだ。ゲイバーに詳しい友人がいるなら、その人に連れて行ってもらうのがもっとも間違いがない。

しかし、そういう友人がいない場合は、SNSを活用して店探しをするという方法がある。X(旧Twitter)やInstagramのアカウントを持っているのならば、フォローしているゲイの中で好みが合いそうな人を探して、その人のフォローリストを見てみよう。その中にゲイバーがあれば、そこはあなたが楽しめる店である可能性が高い。

そのゲイバーのタイムラインを見ていくと、店の雰囲気はなんとなく伝わってくる。また、店のマスターやスタッフの画像がアップされている場合もある。勇気を振り絞って初めての店のドアを開けたら、そこにはどんな人が待っているのか。事前にマスターやスタッフの画像を見ておくだけでも、ドアを開けるための精神的なハードルはかなり低くなるはずだ。

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■初めてならば週末を避けるべき理由

ゲイバーが混雑するのは、基本的には週末。一部のエリアを除くと、土曜日が混雑することが多い。混雑するということは、多くのゲイに会えるチャンスがあるわけで、楽しそうだと考えがちだ。

しかし、初めてゲイバーに行くのなら、週末は避ける方がいい。

週末のゲイバーは、友達同士で連れだって来る人の割合が高い。それぞれのグループで話が盛り上がっている中、知っている人が誰もいなければ一人でポツンと過ごすことになる。

また混雑しているときは、カウンターの中のマスターやスタッフも飲み物作りなどに追われて忙しく、客と会話できないことも珍しくない。そんな状況では、初めて行った店で誰とも会話することなく”ぼっちな時間”を過ごすことになりかねない。

勇気を振り絞ってゲイバーの扉を開けたにも関わらず、なにも楽しいことがないのではゲイバーを嫌いになってしまうかもしれない。

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■初めてゲイバーに行くなら平日に限る

混雑する週末とは打って変わり、平日のゲイバーは静かでゆっくり話ができる雰囲気の店が多い。それは、店の人や他の客と会話できるチャンスがあると言うことだ。

初めて来店した客に対して不躾に個人情報(本名とか仕事とか住所とか)を聞いてくる店はまずないので、マスターやスタッフに聞かれたことは隠さずに答える方がゲイバーを楽しめるようになる。

例えば

「どこでこのお店のことを知ったの?」
「どんなタイプが好きなの?」
「どんな感じの店で飲むのが好き?」

などの質問をされることが多い。

マスターやスタッフにとっても、初めて来店した客に対しては手探り状態。サービス業ゆえに、せっかく平日の暇な日に来店してくれた客には楽しんでもらいたいという気持ちを抱いている人が多い。

色々と質問をしてくるのは、客を楽しませるためのヒントを探そうとするから。初めてのゲイバーでは緊張したり、照れたりしてなかなか話しづらいだろうが、聞かれたことにはなるべくはっきりと答えて、会話を膨らませることを心がけよう。

話をすることで店の人に印象づけることができればが、次に店を訪ねた時にはスムーズに会話が弾んでいき、さらに楽しい時間が過ごせる。

また、平日は仕事帰りに一人で来店する客も多いので、客同士で話が弾むこともある。一度話が盛り上がれば、もう顔馴染み。次に会った時には、もっと会話が弾むだろう。

初めて行った店を楽しいと感じられたなら、平日に何度か通ってみるのがいい。日によってスタッフが違う場合もあるし、来店する客も違うので、違う雰囲気を楽しむことができる。そして、新たな顔馴染みができるチャンスにもなる。

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■他の店を紹介してもらえることもある

先述のように、ゲイバーは店同士の繋がりが深い。初めて来店した客にもっとゲイバーを楽しんでもらいたいと、その客の雰囲気に合いそうな他のゲイバーを紹介することも決して珍しいことではない。

平日に何度か飲みに行き、マスターやスタッフに存在を印象づけ、顔馴染みの客も少しずつ増え、さらに他の店にも行けるようになったら、混雑する週末のゲイバーに挑戦だ。のんびりしている平日とは異なる雰囲気は、また新鮮な面白さを覚えるだろう。

知らない場所を覗いてみたり、会う機会がなかった人たちと出会うのは、ゲイライフを大きく広げることに繋がる。もしゲイバーに行ってみたいと思っているなら、勇気を振り絞ってゲイバーの扉を開けてほしい。

今まで知らなかった新たな世界と出会い、人生がもっと楽しくなるチャンスが見つかるはずだから。

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(冨田格)

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