シーズン2予告編が登場!50代ゲイの”中年の危機”を描くウェブドラマ
ゲイ・バイ男性にも”中年の危機”は襲ってくる。人生の先が見えてきたような気がしてくるアラフィフになって無性に焦りを感じ始めた人なら共感度が高そうな、アメリカのウェブドラマ『The Disappointments(失望・失意)』のシーズン2予告編が公開された。
中年の危機に直面したゲイ男性を描く
2021年秋、YouTubeで配信がスタートしたゲイの中年男性たちが主役のウェブドラマ『The Disappointments(失望・失意)』。
クラウドファンディングで集めた資金で制作したこのウェブドラマは、米国で多くのゲイ・バイ男性の共感を集めた。そこで再度クラウドファンディングを実施して制作費を捻出、シーズン2の制作が実現した。
『The Disappointments(失望・失意)』のテーマは、40代後半から50代前半のゲイたちを襲う”中年の危機”を描く物語
人生の残り時間を意識する年代
「今まで生きてきた時間よりも残り時間の方がはるかに少ない」
気ままな独身生活を謳歌してきたゲイ男性が、男の本厄を越えたころから自分の人生の残り時間を意識し始め、
「この先、自分は何を成せるのだろうか?」
「このまま歳を重ねてしまっていいのだろうか?」
「自分はまだ何者にもなれていないのではないだろうか?」
など自分の中から湧いてくる、そんな疑問や焦りこそが”中年の危機”なのだ。
『The Disappointments(失望・失意)』の主演、監督、脚本を担当するリッチ・バーンズは、ディズニーやドリームワークスで脚本家として働いてきた人物。「ブラザーベア2」「きつねと猟犬2 トッドとコッパーの大冒険」「リトルマーメイドⅢ はじまりの物語」「シーラとプリンセス戦士」などの脚本に関わってきた。
バーンズが描く物語は、キャリアに失敗し、銀行口座が空っぽになった50代のゲイ男性が、これから先の数十年を生き抜くためにどうすればいいかを考えようと奮闘する姿だ。
友人たちに起きた実話がきっかけで生まれた
バーンズは、『The Disappointments(失望・失意)』の制作には長い時間がかかったと語っている。
「15年前、私たち数人の友人は夕食の席で、友人のゲイのプロデューサーのことを思い出していました。彼は鬱病で、お金とキャリアの挫折に苦しみ、悲劇的に自ら命を絶ったのです。私たちの知人には、その頃の3年間に同じことをした人が何人もいました。
みんなに共通していたのは、年齢が40代後半から50代前半で、自分の人生に抱いていた期待が実現しなかったということです。彼らはその現実に落ち込み、精神的な問題を抱え込んでいました
その反面、驚くべき人たちもいます。彼らは、学校を卒業したばかりの頃に自分で選んだ道がうまくいかないことを認識するや、40代になってから勇気を出して自分を変え、その結果、幸せと成功を手に入れています。
この2つは、同じジレンマ(中年の危機)に対するまったく異なるアプローチです。私はこの現象を面白いと感じ、物語を作ろうと考えました」
とはいえ、その後のバーンズはディズニーやドリームワークスでの仕事が多忙を極め、なかなか取り掛かることができなかった。しかし、プロジェクトが熟成するための時間をおいたことでバーンズ自身が主人公の年代になり主役を演じることになったのは意図しない幸運だったのではないだろうか。
なにせバーンズ自身が、あまりにもセクシーで魅力的な中年ゲイ男性だからだ。兄貴・親父世代が好きなゲイ・バイ男性にとって、まさに目の保養になる”アイキャンディ”な存在といえる。
シーズン2の予告編が公開開始
『The Disappointments(失望・失意)』のシーズン1と、関連する動画を配信している公式YouTubeチャンネルの再生回数は330万回を超え、優れたウェブシリーズに贈られる「ヒューマニタス賞」を受賞している。
シーズン2の撮影は終了しており、現在はポスト・プロダクションの真っ最中。配信スタートの日程は未定だが、一足先に予告編が公開された。
シーズン1では、同世代の独身ゲイたちが”中年の危機”に直面する様を描いた。
主人公のリッチ・バーンズ演じる「レイ」はキャリアに満足していない脚本家で、トレバー・ラパリア演じる年下の「ドワイト」と知り合い付き合い始める。レイの友人、ゲディ渡辺が演じる「ゲイリー」は健康の危機に直面し、ジェームズ・マシュー・キャンベルが演じる「ジェームズ」は不動産業者として新たなキャリアを模索することを決意。
シーズン2は、シーズン1から一年後の物語で、レイとドワイドは既にカップルではなくなっているようだ。
今回公開された予告編では、レイがドワイトをストーキングし始め、ジェームズは新しい不動産業で手一杯で、ゲイリーが間違った場所で愛を探し求めている様子が描かれている。
シーズン2で主人公たちは、仕事でもプライベートでも、コミカルで屈辱的な体験に巻き込まれることになる。そして、失望した人生を好転させるために、時には必死の手段を取るようになるとのこと。
日本のゲイ・バイ男性の心にも刺さること確実なテーマのドラマ『The Disappointments』。日本語字幕版もしくは吹替版が制作・配信されることを願うばかりだ。
『The Disappointments』
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(冨田格)
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