ダニエル・クレイグ主演!ウィリアム・バロウズの小説「おかま」映画化決定

『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督が映画化する、ビート・カルチャーを代表する作家ウィリアム・バロウズの小説「おかま クィーア(原題:QUEER)」の主演にダニエル・クレイグが決定した。

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ビート・ジェネレーションの旗手

ナイブズ・アウト
ダニエル・クレイグ『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』 CREDIT: NETFLIX

1955年から1964年にかけてヒッピー文化が席巻する少し手前の時代に、米国文学界で異彩を放ったのが「ビート・ジェネレーション」と呼ばれるグループ。代表的な作家が、ジャック・ケルアックやアレン・ギンズバーグ、そしてウィリアム・バロウズだ。

映画化された『ブレード・ランナー』や『裸のランチ』が有名でSF作家というイメージも強いバロウズだが、ドラッグや性の解放を追求した著作も少なくない。デビュー作「ジャンキー」に続いて発表したのが「おかま クィーア(原題:QUEER)」。

小説「おかま」は、メキシコシティを舞台に自意識過剰で自信がないリーという青年が、アメリカ海軍を除隊したばかりのアラトンという男を追いかけるという物語。リーは、同性愛者もしくは両性愛者といわれるバロウズ自身を投影したキャラクターだと考えらている。

ボンド以前のダニエル・クレイグ

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『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』. CREDIT: NETFLIX

この小説の映画化に挑むのが、『君の名前で僕を呼んで』で世界中のゲイの心をつかみ、人喰いロマンスの最新作『ボーンズ アンド オール』(2023年2月日本公開)も話題のルカ・グァダニーノ監督。

そして、主演に決まったのがダニエル・クレイグだ。原作の主人公は青年なので、ダニエル・クレイグがどのようなキャラクターを演じるのかは現時点では不明だが、これはなかなか興味深いキャスティング。

ダニエル・クレイグは今でもジェームズ・ボンドのイメージが強く、ゲイ役を演じることに違和感を覚える人も少なくないと思う。しかし、ボンド以前のダニエル・クレイグはアート系映画を中心に活躍しており、ジャック・バロウズ作品とは相性がいいはずだ。

また1998年の映画『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』では、画家フランシスコ・ベイコンの同性の恋人ジョージ・ダイアーを演じており、ゲイ役も初めてではない。

最新作でもゲイを演じるダニエル

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『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』. CREDIT: NETFLIX

12月23日よりNetflixで配信開始する映画『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』では、主演のダニエル・クレイグ演じる探偵ブノワ・ブランが男と暮らしており、ゲイであることを示唆する場面があり、監督のライアン・ジョンソンはブランはゲイであると認めた。

クレイグはサンデー・タイムズ紙との新しいインタビューで、自身のキャラクターのセクシュアリティが明らかになったことについて、こう語っている。

「(映画を作る際には)人生を反映することにしている。あの(ゲイの)関係は、私の人生で出会った人々を反映している。それは特別視する必要のないことだ。歌や踊りで表現するような大袈裟にはしたくはない。ただ、普通に正しいことだと感じているんだ」

ゲイ、そしてゲイの役を演じることに関してとてもオープンなダニエル・クレイグが、ルカ・グァダニーノ監督の演出のもとで、どのような役を演じるのか期待が膨らむ。

※参考記事:OutINDEPENDENT

ナイブズ・アウト

「ナイブズ・アウト:グラスオニオン」
Netflix

『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』
U-NEXT

(冨田格)

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