Netflixでじっくり見たい”ゲイ関連映画”カタログ その1

Netflix、Amazonプライムビデオ、ディズニープラス、U-NEXTなどサブスク配信プラットフォームが増えたことで、日本で見られるコンテンツも激増。大量のコンテンツの中から、ゲイが関連する映画を厳選して紹介する企画。今回はNetflixで見られる”ゲイ関連映画”の第一弾。

Netflixで今こそイッキ見したい”ゲイ関連ドラマ”カタログ その1

Netflixゲイ映画
Netflix 先に愛した人

紹介作品

『先に愛した人』既婚ゲイの狂い咲きが周囲の人生をかき乱す
『詩人の恋』恋と呼ぶにはあまりに淡く痛い関係
『ボーイズ・イン・ザ・バンド』時を経ても変わらない都会のゲイの孤独
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』Z世代と昭和親父の決して相容れない感情
『ゲームオーバー!』ゲイであることを笑い飛ばせる理想郷

既婚ゲイの狂い咲きが周囲の人生をかき乱す

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Netflix 先に愛した人

『先に愛した人』

高校生の息子と妻を捨て男の元に走り、病に倒れて早逝した男。彼が生前に自分にかけていた生命保険金を巡りいがみ合う妻と”愛人(男)”。母の狂乱ぶりに嫌気がさした息子は、”愛人(男)”に接近していく。

人生をいい加減に生きているように見える軽薄そうな”愛人(男)”だが、夫との間には深い愛情があり、病に倒れた夫に誠心誠意尽くしていた。妻子と”愛人(男)”の間に奇妙な距離感が生じることから、お互いへの理解が始まり、妻が抱えている”絶対的被害者”という憎しみが解けていく。

湿っぽく重たい映画にもなる素材を軽妙なテンポに仕立てることで、逆に登場人物の心情が見えてきて切ない。

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Netflix 先に愛した人

先に愛した人
監督:シュー・ユーティン、シュー・チーイエン 
出演:ロイ・チウ、シェ・インシュエン、スパーク・チャン ほか
Netflix:https://www.netflix.com/search?q=DearEX&jbv=81045891

恋と呼ぶにはあまりに淡く痛い関係

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詩人の恋

『詩人の恋』

韓国・済州島の小さな港町で暮らす倦怠期真っ盛りの中年夫婦。実家の所有する不動産と働き者の妻の稼ぎのおかげで、夫は学校の臨時講師をしながら売れない詩人として同人活動を続けている。夢も希望も未来さえ無さそうな日常のなか、家の近所にニューヨーク・スタイルのドーナツ店がオープンする。

そのドーナツの旨さにハマった詩人は連日のように店に通い詰めるようになり、アルバイトの美青年がバックヤードでガールフレンドとエッチをしている場面も目撃。そこから青年のことが気になり始める。

たしかに詩人と青年の間には、なんらかの感情が生じるが、それは閉塞的な環境から逃げ出したいという2人の思いが生み出した化学変化のようにも思える。ゲイの恋愛と呼ぶにはあまりに淡く、そして痛すぎる物語だが、地方在住のゲイで閉塞感を覚えている人にとっては特に共感できるポイントが多数見つかりそうだ。

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詩人の恋

詩人の恋
監督・脚本:キム・ヤンヒ
出演:ヤン・イクチュン、チョン・ヘジン、チョン・ガラム ほか
Netflix:https://www.netflix.com/browse?jbv=80209030

時を経ても変わらない都会のゲイの孤独

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NETFLIX ©2020THE BOYS IN THE BAND

『ボーイズ・イン・ザ・バンド』

1968年にオフ・ブロードウェーで初演の芝居『真夜中のパーティー』は、1970年にウィリアム・フリードキン監督によって映画化。「glee/グリー」の制作者ライアン・マーフィーが2020年に、カミングアウトしている俳優を集めてリメイクした。

友人の誕生日を祝うためのホームパーティーに集まってくるゲイ友たち。一見、陽気なオネエさんたちの楽しそうな集いなのだが、ゲイの中に一人ノンケが混ざったことで雰囲気に微妙な変化が生じる。そして、それぞれが心の中に閉じ込めていた葛藤が剥き出しになることでパーティーの雰囲気は一変する。

この映画は、ゲイであることをひたすら隠していた時代の物語だが、2022年の映画『ファイアー・アイランド』を見るとオープンな時代になっても心に葛藤を秘めながらそれを手放してしまえば”孤独地獄”しか待っていないというゲイの友人関係の脆さは、意外に変わっていないようにも思える。

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NETFLIX ©2020THE BOYS IN THE BAND

ボーイズ・イン・ザ・バンド
監督:ジョー・マンテロ
出演:ジム・パーソンズ、ザッカリー・クイント、マット・ボマー ほか
Netflix:https://www.netflix.com/browse?jbv=81000365

Z世代と昭和親父の決して相容れない感情

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Netflix パワー・オブ・ザ・ドッグ

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

1920年代のアメリカ・モンタナ州を舞台に、傲慢で硬派なマッチョ牧場主と彼の弟嫁とその連れ子との緊迫した関係を描く人間ドラマ。

絵に描いたようなタフな牧場主だが、自分の世界に女性が侵入してくることを異常に嫌悪する。

そんな彼にとって、常に自分の側にいて従順であった弟が、子連れバツイチの女性と結婚したことが許せない。彼女の息子が荒くれ者のカウボーイとは別世界の存在のような、紅顔の美少年であることも気に入らない。

弟嫁を精神的に追い込む牧場主だが、誰にも知られたくない秘密を弟嫁の息子に知られたことから2人の関係に変化が生じる。

いわば昭和世代のやり方で若者を懐柔しようとするおっさんと、そんな旧世代には1mmも心を開こうとしないZ世代との断絶を見せつけられるような心理劇。

Netflixゲイ映画
Netflix パワー・オブ・ザ・ドッグ

パワー・オブ・ザ・ドッグ
監督:ジェーン・カンピオン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス ほか
Netflix:https://www.netflix.com/jp/title/81127997

ゲイであることを笑い飛ばせる理想郷

Netflixゲイ映画
Netflix ゲーム・オーバー!

『ゲームオーバー!』

コメディ・グループ「Mail Order Comedy」のアダム・ディヴァイン、アンダーズ・ホーム、ブレイク・アンダーソンが主演し、カイル・ニューアチェックが監督した、『ダイ・ハード』のパロディのようなアクション・コメディ。

ゲームで一山あてることを夢見る3人組は、ロサンゼルスの高級ホテルで清掃員として働きながらゲーム製作に邁進していた。そんなある日、3人のゲームに出資してくれる人が現れたが、その人物がホテルを襲ったテロに巻き込まれる。3人は出資者を救うべく、テロリストに戦いを挑む。

全編スパイスの効いた笑える場面の連続だが、意外な形でゲイが登場したり、いきなりのカミングアウトがあったりもする。それらもすべて笑いに変えてしまう演出は、ゲイであることを笑い飛ばせるタイプの人にとっては、ある種の理想郷といえそうだ。

ゲームオーバー!
監督:カイル・ニューアチェック
出演:アダム・ディヴァイン、アンダーズ・ホーム、ブレイク・アンダーソン ほか
Netflix:https://www.netflix.com/jp/title/80169617

Netflixゲイ映画
Netflix ゲーム・オーバー!

ゲイを題材とした映画も制作本数が増えることで作品の幅も広がっていることが実感できそうだ。時間に余裕があるときに、色々と見比べてみるのもいいかもしれない。

(冨田格)

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