【戦闘服に身を包んだゲイたち】日本でも見たい7本の”ゲイin軍隊”映画

男たちが命をかけて戦う戦場。そこには究極の修羅場でしか生まれない、男同士の絆があっても不思議ではない。なかなか日本では見る機会のない、ゲイと軍隊を描いた欧米の映画を紹介しよう。

海兵隊新兵訓練所でゲイは生き延びれるか?

ゲイ軍隊映画ベスト7
Moffie(モフィ)

今月Netflixは、放送作家グレッグ・コープ・ホワイトのベストセラー回顧録「ザ・ピンク・マリーン(The Pink Marine)」を基にした新しいドラマシリーズ『ザ・コープス(The Corps)』の制作を発表した。

「ザ・ピンク・マリーン(The Pink Marine)」の舞台は、1980年代の海兵隊。

ゲイ軍隊映画ベスト7

ゲイのティーンエイジャーだったホワイトは、ノンケの親友からサウスカロライナ州パリス島の海兵隊新兵訓練所(ブートキャンプ)で夏を過ごすと告げられる。その時グレッグの耳に残ったのは「夏」と「キャンプ」だけだった。

「僕も一緒にキャンプに行くよ」というグレッグを、友人は必死で止めようとする。なぜなら、グレッグはやせっぽちで1マイルも走ったことがないゲイだったからだ。そんなグレッグが親友とともにブートキャンプを生き延びて、少数精鋭の誇り高き海兵隊員に変身していくまでを描いている。

この「ザ・ピンク・マリーン(The Pink Marine)」を原作にしたドラマ『ザ・コープス(The Corps)』で主演するのは、同じくNetflixの人気シリーズ『13の理由』でアレックス役を演じたマイルズ・ハイザー。

『ザ・コープス(The Corps)』が描く80年代後半から90年代前半の米国の軍隊は、『Don’t Ask, Don’t Tell』以前の時代。

『Don’t Ask, Don’t Tell(訊ねるな、答えるな)』は1994年から2011年まで米軍に存在したルールで、入隊する者に同性愛者かどうかを聞いてはいけないし、また入隊する者も同性愛者かどうかを言ってはいけない、というもの。これ以前の時代は、カミングアウトすると不名誉除隊や軍の刑務所行き、あるいはそれ以上になることもあったという。

しかし、米国内外でゲイが軍務に就いてきた長く複雑な歴史があり、実在の人物をベースにした説得力のある映画も多く作られて生きている。『ザ・コープス(The Corps)』に期待しつつ、過去20年間で軍に勤務するゲイにスポットを当てた7本の映画を紹介する。

Burning Blue(バーニング・ブルー)

Burning Blue(バーニング・ブルー)

『トップガン』が、これまで作られた映画の中で最もホモエロティックな興奮を掻き立てる濃厚すぎるブロマンス「ノンケ」軍隊映画であることは疑いようのない事実だ。

しかし、D.M.W.グリアの脚本・監督によるこの2014年の映画『Burning Blue』は、ブロマンスではない、ゲイの海軍パイロットたちを巡る物語。『Don’t Ask, Don’t Tell』時代の海軍パイロットの三角関係が事故調査によって炙り出され、彼らの関係やキャリアが台無しになっていくという、過酷な展開だという。

Firebird(ファイヤー・バード)

ゲイ軍隊映画ベスト7
Firebird(ファイヤー・バード)

2021年の映画『Firebird』は、『Burning Blue』と同じく軍隊のパイロット同士の許されざる愛の物語だが、舞台が冷戦時代の鉄のカーテンの向こう側を描いているのが特徴だ。ソビエト時代のロシア、軍にトム・プライヤー演じる若い二等兵が入隊することで、男たちの利害関係の様相が変わっていく様を描いている。

若い二等兵が先輩の戦闘機パイロット(オレグ・ザゴロドニイ)に恋をし、2人は数年にわたる秘密の関係に入る。しかし、もしその関係を周囲が知ることになったら、彼らの生活や人生が脅かされることになる。トム・プライヤーは、本作の共同脚本も担当している。

The Inspection(インスペクション)

ゲイ軍隊映画ベスト7
The Inspection(インスペクション)

エレガンス・ブラットン監督の実話を基にした2022年の『The Inspection』は、ジェレミー・ポープ演じるゲイの海兵隊員が過酷な基礎訓練を受け、仲間に自分のセクシュアリティを隠そうとし問題児扱いされながら軍人として成長した後に、目標を探し求める姿を描いている。

この作品でポープはゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネート、また性的少数者を描いた作品を評価するGLAAD賞では優秀作品賞を受賞した。ほかにも、インディーズ・スピリット・アワードでのガブリエル・ユニオン受賞をはじめ、多くの映画賞を受賞している。

The Letter Men(ザ・レター・メン)

ゲイ軍隊映画ベスト7
The Letter Men(ザ・レター・メン)

第二次世界大戦中、軍人が同性のパートナーに書いた本物のラブレターからインスピレーションを得た2021年の短編映画『The Letter Men』。2017年に発見されたこの手紙は、ゲイのラブレターのコレクションとしては史上最大と言われている。

アンディ・ヴァレンタイン監督は彼らの手紙の言葉にロマンチックで切ない命を吹き込み、戦争によって距離が引き離されようとも2人は絆を保ち続けた様子を描く。

Love In Country(ラブ・イン・カントリー)

ゲイ軍隊映画ベスト7
Love In Country(ラブ・イン・カントリー)

2023年の新作映画『Love In Country』の舞台は、1968年、テト攻勢が始まったばかりのベトナム。ベトナム北部軍から連絡員を誘拐するという、危険な「フェニックス作戦」に駆り出された米軍歩兵を描く。

この危険な任務にもかかわらず、2人のゲイの兵士、イアン・アレキサンダー軍曹とジョン・リース軍曹の間には深いつながりが生まれ、彼らは自分たちの存在を認めたくない国のために戦う原動力に疑問を抱くようになるのである。

Moffie(モフィ)

ゲイ軍隊映画ベスト7
Moffie(モフィ)

南アフリカを舞台にした2019年の『Moffie』は、アパルトヘイト時代の悪名高い南アフリカ国防軍(SADF)への強制徴兵を振り返ったアンドレ・カール・ファン・デル・メルヴェの自伝を映画化した作品。

軍の厳しい同性愛禁止政策に怯える10代の兵士は、敵対的な環境の中で他のゲイの新兵に惹かれていることを隠そうとする。同性愛嫌悪にさらされ、忠誠を誓うしかないシステムの露骨な人種差別を目の当たりにし、日々の生活は生き残るための闘いとなっていく。

Yossi & Jagger(ヨッシ&ジャガー)

ゲイ軍隊映画ベスト7
Yossi & Jagger(ヨッシ&ジャガー)

今回紹介した7本のなかでもっとも古い『Yossi & Jagger』は、2002年の公開で時代の先端を行く作品だ。

エイタン・フォックス監督は、観客をイスラエルとレバノンの国境にある小さな前哨基地に連れて行く。その基地はヨッシの指揮下にあり、彼は部下の将校リオールと男同士の秘密の関係を楽しんでいた。リオールはロックスターのように威勢がよく、「ジャガー」というあだ名がついていた。

2人の秘密の関係は順調だったのだが、前哨基地に女性将校がやってきたことから事態は複雑化し、戦争の不安を背景に人間関係の緊張が高まっていく。

なんとも興味深い7本の映画だが、いずれも現時点で日本では見る方法がない。NetflixやAmazonプライムなどの配信プラットフォームで見られるようになることを切に願う。

※参考記事:QUEERTY

(冨田格)

★あわせて読みたい!
Netflixとchill(チル)を組み合わせるとHな意味になるって知ってた? 

コメントを残す