サル痘国内5例目は種痘世代の60代、日本のゲイが今こそ注意すべきこと

9月21日、サル痘の国内感染5例目が報告された。海外渡航歴がない、東京都在住の60代だという。10月11日より水際対策が大幅に緩和され、入国上限数が撤廃される前に、日本のゲイがサル痘について注意すべきことを考える。

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今まで報告された5例を振り返る

サル痘
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まずは、これまでの国内の感染報告例を振り返る。

7月25日
30代男性/東京都在住/渡航歴:あり/渡航先にて、その後サル痘と診断された者との接触歴有

7月28日
30代男性/国外(北中米)在住

8月5日
20代男性/東京都在住/渡航歴:なし/発症前に海外から日本を短期訪問中の者との接触歴あり。

8月10日
30代男性/国外(欧州)在住

9月21日
60代男性/東京都在住/渡航歴:なし/発症前に海外から日本を訪問中の者との接触歴あり。

※参照「厚生労働省・サル痘について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html

・【ゲイとサル痘】日本のゲイ・バイ男性がサル痘に感染するとヤバい理由

種痘世代もサル痘は他人事ではない

サル痘
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上記の5例目で注目すべきは、年齢が60代であることだ。

サル痘に関しては、天然痘のワクチンが有効であるといわれている。天然痘は1980年に撲滅され、自然界には存在しないものとされている。それ以前、日本でも天然痘ワクチンの予防接種(種痘)が1976年まで実施されてきた。

「種痘」を受けている世代に関して、国立感染症研究所で長年サル痘ウイルスの研究を続けてきた西條政幸・札幌市保健所医療政策部長は、毎日新聞の取材でこう答えている。

効果は持続し、ワクチンを打っている人はウイルスに感染してもサル痘を発症しないと考えられます。仮に発症したとしても症状は軽くなるはずです。ワクチンを受けている人から感染が広がるリスクも極めて低いと考えられます。

https://mainichi.jp/articles/20220624/k00/00m/040/099000c

5例目となった人も、発症はしたが症状は軽いもので治るかもしれない。しかし、種痘世代だからといって感染しない、とは言い切れないようだ。

当初より、天然痘ワクチンが有効であることが広く報道されており、種痘世代の人にはある種の安心感を抱いている人も多いと思う。たしかに重症化率は下がるかもしれないが、感染を完全に防げるわけではないことは、頭に入れておきたい。

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個人旅行解禁で、欧米からの旅行者が激増

サル痘
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欧米での感染拡大に比べると、日本はずいぶん速度が緩やかで、サル痘への警戒感も薄れている人も少なくないと思う。

日本とは比較にならないほど厳しいロックダウンが長期に及んだ欧米では、この春以降、国を跨ぐ移動が解禁となり人の往来が活発となった。そのタイミングに重なったことで、サル痘の感染が一気に拡大したと考えられる。

しかし、日本は厳しい水際対策が続けられていたこともあり、欧米からの旅行者も決して多くない状況が続いていた。

ところが、10月11日より、「入国者数の上限撤廃」「個人旅行の解禁」「ビザなし渡航の解禁」と、水際対策が大幅に緩和され、ほぼコロナ前の状態に戻ることになる。

コロナ以前と異なるのは、日本の円安が一段と進んでおり、海外からの旅行者にとっては予算面からも旅行先としても魅力が増しているということだ。当然、欧米から一気に多くの旅行客が入国してくることが考えられる。

厳しい水際対策ゆえに防げていたサル痘の感染拡大が、日本でも始まる可能性が高くなるということも頭に入れておきたい。

そのためにも、今のうちに感染リスクを低くするためにはどのような行動をとるべきか、またもし感染した場合はどうするべきなのか、という基本をきちんと押さえておこう。いざというときに、パニックにならないことが何より重要だから。

ジオ倶楽部ではこれからも継続して「サル痘」の情報を発信していく。

(冨田格)

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