【ゲイとサル痘(エムポックス)】感染もしくは濃厚接触したらどうすればいい?

欧米での感染拡大が落ち着いてきたサル痘(エムポックス)だが、日本では今年に入ってから感染報告が増え始めた。ゲイ・バイ男性にとっては他人事ではないサル痘(エムポックス)に感染した場合、もしくは感染者と濃厚接触した場合にどう行動すればいいのかを、復習しておこう。

2023年に入ってから感染報告が増加

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1月30日に都内在住の男性2人と埼玉在住の男性1人の感染報告が為された。これで国内での感染報告は14例めとなり、2023年になってからは6例が報告されたことになる。

今回報告された3人の男性は、いずれも最近渡航歴はないということで、国内での感染が疑われている。

昨年初夏から秋にかけて欧米のゲイ・バイ男性の間で、サル痘(エムポックス)が広い地域で感染拡大でしていった。その当時、日本はコロナ感染対策のために実質的な鎖国状態で海外からの個人の旅行客はほとんど入国していなかった。

しかし、昨年11月後半より個人旅行客の受け入れが始まったことで外国人観光客の入国数は一気に増加してきた。欧米では感染拡大が落ち着いた状態であるとはいえ、サル痘(エムポックス)が根絶したわけではなく、感染が拡大していた地域との交流が盛んになれば、今後も国内感染が増加していくことが考えられる。

ゲイ・バイ男性にとっては他人事ではない状況だからこそ、サル痘(エムポックス)に感染した場合、もしくは感染者と濃厚接触した場合、どう対応すればいいのかを頭に入れておきたい。

自治体での対応方法は共通

ジオ倶楽部では昨年秋に、東京・大阪・愛知・福岡・北海道の県庁に「サル痘(エムポックス)に感染した場合、もしくは感染者と濃厚接触した場合、どう対応すればいいのか」というテーマで取材をした。

各自治体からの返答は、いずれもほぼ同じ内容であった。そこで、東京都福祉保健局に取材した内容を再度掲載する。

サル痘(エムポックス)に感染もしくは感染者と濃厚接触した時も、慌ててパニックになることなく、おちついて対応できるようにしておきたい。

【ゲイとM痘】感染したと思ったらどうすればいいの?

ゲイとM痘

東京都福祉保健局感染症対策部防疫・情報管理課の担当者に、サル痘(エムポックス)に感染、もしくは濃厚接触者かもと思った時の対応を尋ねた。

なお、サル痘(エムポックス)への対応に関しては日々状況が変化しているので、ここで記載する内容は2022年8月30日現在のものであることを理解してほしい。

感染したかな、と思ったら保健所に連絡

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第一の質問

「ゲイ・バイ男性が「サル痘(エムポックス)」と思われる症状を自覚した時は、どういう対応をすればよいのでしょうか?」

「病院を受診すればいいのだろうか、その場合は何科を受診すればいいの?」「かかりつけ医に診てもらえばいいの? もしくは専門の病院があるのかな?」「病院で受診する前に保健所とか専門の窓口に相談する方がいいのかな?」

サル痘(エムポックス)に感染した人がほとんどいないためにどうしていいのか途方にくれてしまいそうだが、その時の対応はこれだ。

まずはお住まいの近くの保健所に御相談ください。保健所で症状や行動歴などの状況を聞き取りの上、サル痘(エムポックス)の感染が疑われる場合は、医療機関を御案内いたします。保健所の代表電話に連絡し「感染症の担当に繋げてください」とお伝えください。 

また、発疹が現れる感染症には、現在急増している梅毒などもあります。性的接触から3 週間(多くは 1~2 週間)以内に、特に顔、口、手足、肛門、性器、臀部(尻) で発疹があった場合は、その旨を保健所にお伝えください。また、定期的に性感染症の検査を受けることも重要です。 

濃厚接触者の疑いがある時も保健所に連絡

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第二の質問

ゲイ・バイ男性が「サル痘(エムポックス)」の濃厚接触者ではないか、という疑いを抱いたときには、どういう対応をすればよいのでしょうか?

サル痘(エムポックス)患者から連絡があり、その患者と接触歴を有する場合や、自身でサル痘(エムポックス)の患者と接触したという疑いを持った場合など、ご心配な場合は、最寄りの保健所にお問い合わせ下さい。

接触者の特定は保健所が行います。具体的には、サル痘(エムポックス)患者の発生を受け、患者に対して担当保健所が疫学調査を実施し、行動歴、接触歴のあった方を聞き取った上で、接触者を特定します。

保健所から接触者に該当すると連絡があった場合は、保健所の指示に従ってください。 

ワクチンはどうすれば接種できるの?

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第三の質問

「サル痘(エムポックス)」の感染者が拡大した場合、ワクチン接種を希望するゲイ・バイ男性が増えると考えられます。ワクチン接種について定められているルールを教えてください。

ワクチン接種については、現時点では一定の基準を満たした濃厚接触者に対して、発症や重症化予防を目的とした暴露後予防としてのワクチン接種が、臨床研究として実施されています。

また曝露前接種については、保健所職員や医療従事者等、業務従事の中でサル痘(エムポックス)患者やサル痘(エムポックス)が疑われる方と接触の可能性がある者へ接種が検討されているところです。

子供の頃に「種痘」ワクチンを接種している世代に関しても同様の考え方をもとに接種が実施されます。 

HIV感染者に対しては、その人の病状やワクチンの種類に合わせて、主治医によりCD4陽性リンパ球数など免疫状態を評価しリスク/ベネフィットを勘案して接種を検討することになります。 

サル痘(エムポックス)に感染した? もしくは濃厚接触者になった? と思った時は、焦って病院に行くのではなく、まずは近くの保健所に相談しよう。

繰り返しになるが、サル痘(エムポックス)への対応に関しては日々状況が変化しているので、ここで記載した内容は2022年8月30日現在のもの。情報がアップデートされた場合は改めて紹介するので、最新のサル痘(エムポックス)情報をチェックしてほしい。

ジオ倶楽部ではこれからも継続して「サル痘(エムポックス)」の情報を発信していく。

厚生労働省「サル痘について」
国立感染症研究所「複数国で報告されているサル痘Q&A」
サル痘(mpox)が日本で感染拡大 ~現状を知って感染リスクを下げよう~

(冨田格)

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