【80年代】20世紀の懐かしいスポーツウェアは今見ると新鮮?
現代のような「筋トレ」ブームはまだ存在しなかった1980年代。しかしヒッピー文化のような不健康がカッコよかった70年代カルチャーに反発するように、米国西海岸の明るくヘルシーな文化が注目された。そんな80年代の象徴である男たちのワークアウト・ファッションを振り返る。
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ワーク・アウトの波が押し寄せた
1980年代初頭、日本にはまだ「ゴールド・ジム」はなかった。個人経営のボディビル・ジムが中心であり、大規模な施設は、健康増進やスポーツ教室が中心のスポーツクラブが大都市を中心に存在していたくらいだった。
当時、ボディ・メイクの意識が低かった日本人を驚かせたのが、米国西海岸カリフォルニアのワークアウト文化だった。
最初はハリウッドの意識高い女優の筆頭格であったジェーン・フォンダが、『ジェーン・フォンダのワークアウト』というエアロビクスのビデオを大ヒットさせた。エアロビクスという運動があることを、多くの日本人が初めて知ることになる。
またサプリメントという文化も、当時の日本人にとって未知のものだった。ビタミンCの錠剤くらいは薬局で手に入ったものの、さまざまなビタミンのタブレットを組み合わせて摂取するという概念は驚きをもって迎えられた。
さらに、清純派のカントリー歌手だったオリビア・ニュートン=ジョンが突如イメージチェンジをはかり発表した『フィジカル』という曲で、セクシーなワークアウト姿を披露。これが日本でも大ヒットとなった。
そんな頃に、最新のウェイト・マシーンとエアロビクス・スタジオを備えたスポーツクラブ『エグザス』が誕生、80年代後半には『ノーチラスクラブ』や『ティップネス』もオープンして、ワークアウトに勤しむ日本人も増え始めた。
80年代当時のワークアウト・ファッションとは
日本に大きな影響を与えた80年代の米国は、ワークアウトが花盛り。男たちが着用するワークアウト・ウェアのショートパンツはより短くなり生地はテカテカと光沢があった。そしてTシャツやタンクトップの首周りはより深いクロップトップが主流。
「ラケット・ボール」から「ホーム・エアロビクス」「ジャズ・エクササイズ」まで、多彩なフィットネス・トレンドが生まれ、それぞれの種目に合ったワードローブが求められた。
一方、『マッスル&フィットネス(Muscle & Fitness)』や『インターナショナル・メール(International Male)』という、ワークアウト系の雑誌は全盛期を迎え、逞しい男性の肉体を前面に押し出していた。
その流れは、想像しうる限り最も小さなウェアを身にまとった油まみれの男たち次々と生み出していくという、素晴らしい波及効果を呼んだのだった。
時代は巡り、今また80年代ワークアウト・ウェアのトレンドが巡ってきて、米国の男性たちはクロップトップや小ぶりのショートパンツを受け入れ始めているという。
とはいえ、それは80年代のトレンドそのままではないはずだ。そこで、80年代の男たちのワークアウト・スタイルを振り返ってみることにする。
リアル80年代のワークアウト・スタイルは今見ると野暮ったくてダサいと感じたかもしれない。しかし、だからこそ無骨で気が利かない男らしさも感じられて、そこが愛おしくもある。
※参考記事:QUEERTY
(冨田格)
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