【ゲイも野球が好きになる!?】賑やかでケバくて面白過ぎる野球チーム
大谷選手はじめ日本人選手の活躍が注目を集める米国のプロ野球だが、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)とは全く異なる、ショーアップされた野球への注目度が高まっている。独自なルールで展開する『バナナボール』のド派手で楽しい世界を紹介する。
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大人世代のゲイに野球嫌いが多い理由
男の子の好きなスポーツの上位が水泳やサッカー、体操、武道など多様になっている現代とは違い、昭和の時代は男の子が集まってやるスポーツは、なによりも「野球」だった。
少年野球のチームはどの町内にもあり、偉そうで強面の町内のオヤジが監督になって少年たちをしごいていた。
繊細なゲイの少年にとっては、そんな環境は耐えられるはずがない。そのため同調圧力が強すぎたその時代を生きた世代のゲイの中には、「野球嫌い」が非常に多かったのだ。
テレビのゴールデンタイムは連日プロ野球中継があり、試合が長引けば放送も延長され、楽しみにしていた歌番組やバラエティやドラマがどんどん時間がずれ込んでいったのも「野球嫌い」に拍車をかけたのかもしれない。
そんな時代に存在したらゲイの「野球嫌い」も少しは解消できたかもしれない、賑やかでケバくて面白過ぎる『バナナボール』が米国で注目を集めている。
すべては大学野球から始まった
まるでミュージカル映画の一場面のようだが、『バナナボール』を展開するチーム『サバンナ・バナナス』では日常のことだ。
2016年に米国ジョージア州サバンナで誕生した『サバンナ・バナナス』は、当初は大学野球夏季リーグのチームとして活動していた。2018年と2019年にはリーグで優勝するほどの実力チームに成長した。
ファンも増え、球場は満席になるのだが、気づけば5回から6回あたりで観客の半分が帰り始めるようになったという。「もうこれだけ見たから十分だ」と言わんばかりに。
その状況を認識したチームのオーナーであるジェシー・コールは、このままではダメだと真剣に方向性を考え直すようになったという。
そうして生み出したのが、野球をベースにしたよりスピーディーな展開のエキシビジョン・ゲーム『バナナボール』だ。
野球を超えた『バナナボール』の魅力
『バナナボール』は、野球のゲームが長引く要素をすべて撤廃した。
たとえば「試合時間のタイムリミットは2時間」とか、「2時間すぎて同点の場合はタイブレーク(決着)制」。またバッターには「バッターボックスを外したら反則」「バントしたら一発退場」「1塁への盗塁も可」というルールが課されている。
野球ではよく見る「マウンドへの集合禁止」や、野球ではありえない「観客がファウルフライをキャッチしたらアウト」というルールもある。
これにより、スピーディーな展開のゲームが実現した。しかし『バナナボール』の魅力はそれだけではない。選手も審判たちも文字通り「踊り」「歌う」、スポーツにエンターテインメントの要素を加えたのだ。なかには竹馬に乗った巨人のような身長の投手も存在する。
『サバンナ・バナナス』は野球チームであることをやめて、エキシビジョン・ゲーム『バナナボール』に専念することにした。
2021年より「ワールド・ツアー」と銘打ち、米国内を転戦しながら試合数を増加中。様々な野球チームが『バナナボール』に参戦し始め、2023年の「ワールド・ツアー」は80試合を越えた。
2024年の「ワールド・ツアー」は2月8日に幕を開け10月までの長いツアーを開催中。その後は、クルーズ船でバハマ諸島へ向かう大きなイベントを開催する予定だという。
通常の野球ではありえないスピーディーな試合展開と徹底したエンターテインメント要素の『サバンナ・バナナス』は、米国民の心を捉えたようで毎試合チケットは完売、TikTokフォロワーは600万人を超え、どのMLBチームよりも多いという。
野球嫌いなはずのゲイも惹きつけてしまいそうな、賑やかでケバくて面白過ぎる『サバンナ・バナナス』。近い将来、本当の意味での「ワールド・ツアー」を敢行して、日本でもライブ観戦できることを期待したい。
(冨田格)
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