【ハッテン銭湯】ゲイたちの露骨な”やりすぎハッテン行為”で銭湯が閉店した

2024年年明け早々に、銭湯でノンケに対してハッテンした男が逮捕され実名と顔出しで報道される事件が起きた。そして今度はやりすぎハッテンが原因で廃業した銭湯が現れた。ストレートの人たちにゲイの理解が深まる今日、私たちゲイ・バイ男性も「ハッテン」についてあらためて考え直すべき時がきたようだ。

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やりすぎハッテンが銭湯を廃業に追い込む

ゲイの露骨な”やりすぎハッテン行為”で銭湯が閉店
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今年1月に起きた、公共の温浴施設(いわゆるスーパー銭湯だと思われる)でノンケ男性にハッテン行為を働いたことを理由に逮捕されたゲイ男性が実名と顔出しで報道された事件に震撼したゲイ・バイ男性は少なくないはずだ。

銭湯などでの”やりすぎハッテン”を理由に通報され逮捕されたという話は、以前から耳にすることはあったが、実名と顔出しで報道される例はなかったからだ。

しかし、時代は大きく変わった。

性的少数者の権利運動が活発化したことで、それまで興味も関心も抱いていなかったノンケたちの中に理解が広まっていった。理解が広まることによって、ゲイ・バイ男性が望まざるにも関わらずノンケには「知られたくない面」にも光が当たるようなってきたのだ。

それが銭湯やスーパー銭湯などでのハッテン行為だ。

銭湯でのハッテンを好むゲイ・バイ男性の中には「俺たちが集まることで売り上げに貢献しているんだから」とうそぶく人もいる。

しかし、銭湯店主たちはどんなに対策しても止まないハッテン行為に頭を悩ませている現実を「ハッテン銭湯と呼ばれて~ゲイのハッテン行為で被害を受けた銭湯店主の本音」で紹介した。

そして今度は、ゲイ・バイ男性たちによる”やりすぎハッテン”のために閉店した銭湯が現れ、その経緯が詳細に報道された。

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ここで、日本のゲイ・シーンにおける公共施設でのハッテンがどのように変化していったのかを振り返ってみよう。

人が増えるとタガが外れる習性

ゲイの露骨な”やりすぎハッテン行為”で銭湯が閉店
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スマートフォンを誰もが持つ今の時代からは信じられないだろうが、昭和の頃はゲイ同士が出会う機会がとても少なかった。

ジオ倶楽部では「昭和~平成、日本のゲイの出会い方はどう変わってきたか?【前編】」という記事でゲイ雑誌が誕生以降のゲイの出会い方の変遷を解説しているが、1970年代にゲイ雑誌が創刊される前にもゲイが出会う場所が口コミで広まっていた。それは主に「夜の公園」だ。

「夜の公園」がハッテン場になるのは日本に限ったことではなく、欧米でも状況は変わらない。日本とは比べ物にならないほど同性愛者への弾圧が強かったキリスト教圏では、たとえばパリの「ブローニュの森」やニューヨークの「セントラルパーク」など、一般の人が訪れない夜の公園に同性愛者が集まり暗闇でひっそりと出会いを楽しんでいた。

当時の日本で有名な「ハッテン場」は、神宮の権田原だった。JR信濃町駅近くで神宮外苑の一角である権田原は、新宿二丁目から徒歩でも行ける都心の公園ハッテン場として1980年代前半まで夜な夜な多くのゲイが集まっていた。

東京近郊に住むゲイだけではなく日本各地のゲイにも有名となった権田原だが、深夜に男たちが集う不審な場所と思われたゆえか、柵で囲われ夜間に入ることができなくなった。

その後90年代前半にかけてゲイが集まるハッテン公園は新宿中央公園に変わり、さらに駒沢公園へと郊外に移動していったが、いずれも男たちが集まりすぎたりマナーが悪いことが問題となって廃れていった。

ゲイの悪い習性として、人数が多くなると人目が気にならなくなり「タガが外れてしまう」という面がある。昭和から平成初期にかけてハッテン公園が盛り上がっては廃れるという流れは、まさに「タガが外れてしまう」ゆえのことだろう。

そして、この習性は今も変わっていないようだ。

スーパー銭湯ブームとインターネット

ゲイの露骨な”やりすぎハッテン行為”で銭湯が閉店
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公園とは別に、昭和の時代から特定の「銭湯」「通勤電車(車両)」もハッテン場であると口コミで広がっていた。

さまざまなゲイ・バイ男性が集う場所なので、なかには過激な行動をする人もいたと思う。特にハッテン車両の場合は、女性に対する痴漢と同じように、お触りから始めて行為がエスカレートしていくこともあっただろう。

とはいえインターネットが普及する前の「口コミ」で情報が伝搬する時代は、まだ「人目を盗んで」という意識が強かったのは事実だ。

たとえば、ハッテン銭湯。ある地域では店主自らハッテン行為を黙認しているという噂の銭湯もあったが、これはあくまで特殊中の特殊な例外。かつて銭湯に集っていたゲイたちは、「出会い」の場として利用している人たちが主流だった。

髪型や体型、視線などでゲイか否かを確認し、好みのタイプなら浴槽などで軽いボディタッチや直接声をかけて、銭湯を出てどこか(どちらかの部屋)にしけこむ、という感じで。

ところが平成中期以降、インターネットが広まり携帯電話からもインターネットを介して情報を入手できる時代になると「口コミ」とは比較にならないほどの速度で、ハッテン情報にアクセスするゲイ・バイ男性が増加した。

同じ時期に、かつては「健康ランド」「ヘルスセンター」と呼ばれていた施設が、よりカジュアルで若い世代にも利用しやすい「スーパー銭湯」として全国的に増えていった。いわゆる銭湯よりも広く内湯と露天風呂を備えたスーパー銭湯は趣向を凝らした設備が売りで、人が少ない夜遅い時間は死角となる空間がある店舗も少なくない。

銭湯ハッテンを好むゲイ・バイ男性が、そんなスーパー銭湯を見逃すはずがない。「あのスパ銭はハッテンしやすい」という情報はインターネットで瞬く間に拡散され、口コミの比ではないレベルで多数のゲイ・バイ男性が集うようになっていった。

そして、人数が多くなると人目が気にならなくなり「タガが外れてしまう」というゲイの習性がここでも遺憾なく発動されることとなった。

ミニ・スパ銭に改装した銭湯が狙われる

ゲイの露骨な”やりすぎハッテン行為”で銭湯が閉店
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「口コミ」時代のハッテン銭湯は、出会いの場として利用することが主流だった。そうはいってもゲイだと勘違いしてノンケにアプローチしたりなど暴走するゲイ・バイ男性が皆無だったとは思えないが、大きなトラブルの話が伝わってくることはなかった。

ところがインターネットで一気に情報が拡散するようになると、ハッテン銭湯(スパ銭)を直接的な「性行為」の場として利用する人が増えた。一旦「タガが外れてしまう」状態になると、人目を盗んでという意識を最初から持たない人も増加して、大胆な性行為が繰り広げられることになる。

そんな状態になればノンケの利用者とのトラブルも多発して、施設側も監視に力を入れたり営業時間を短縮するなど対策を講じざるを得なくなり、ハッテン目的では利用しづらくなっていく。

最初に紹介した「公園」と同じように、ハッテン目的で人が集まりすぎてトラブルが生じるとその場所は使えなくなり、別のスパ銭に移っていくようになる。

その向かう先にはスパ銭だけではなく、街の銭湯も含まれていた。

スーパー銭湯が一気に増え始めたのと同時期に、利用客が減り続けるなか生き残りをかけてミニ・スーパー銭湯的に充実した施設へと改装を試みる銭湯が現れ始めた。そんな銭湯がハッテン目的の人たちのターゲットにされた。

番台から全体が見渡せる、つまり監視の目が行き届きやすい従来の銭湯と違い、ミニ・スパ銭風に改装した銭湯はサウナなどの設備が備えられ、死角となる空間ができたからだ。

「自分で自分の首を絞める」状態

ゲイの露骨な”やりすぎハッテン行為”で銭湯が閉店
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人目をしのんで”ひっそり”とハッテンしている頃は大きなトラブルになることはなかったが、銭湯やスーパー銭湯でいわゆる”本番”行為をおおっぴらに繰り広げるようになればトラブルとなって当然だ。

昭和から平成を生きてきた人たちの中には、ゲイ関連のトラブルは”お目こぼし”してもらえるという意識をなんとなく抱いている人も多いと思うが、前述したように性的少数者への理解が広まった現在は状況が大きく変わってきた。

ノンケに対して手を出せば「性加害」として逮捕され実名と顔出し報道によって人生が詰んでしまう。そして”やりすぎハッテン”という迷惑行為を続けていれば銭湯やスパ銭を廃業に追い込むことになり、その経緯が詳細に報道される。

なにごとも”やりすぎ”ると周囲との軋轢が生じるのは当たり前のこと。公共施設での無分別なハッテン行為は「自分で自分の首を絞める」ことになっていないか、一旦立ち止まって考え直してみる時期がきている。

それでも、あなたはまだ公共空間でハッテン行為を続けるのだろうか?

(冨田格)

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