【ラグビー】オールブラックスの元選手が同性パートナーと結婚式を計画中
今年1月にゲイであることをカミングアウトして、元オールブラックス初のゲイ選手となったキャンベル・ジョンソン。勇気あるカミングアウトには多くの賛同の声が寄せられ、以降、本当の自分の人生を歩み続けている。現在、同性パートナーとの結婚式を計画しているというジョンストン。その恋の出会いから現在までを紹介する。
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元オールブラックスのプロップ
1980年生まれの元ラグビー選手キャンベル・ジョンストン、ポジションはプロップ。ニュージーランドのプロラグビーチームに所属し、ニュージーランド・オーストラリア・フィジーの3カ国のプロチームが参加するラグビーユニオン「スーパーラグビー」でも活躍した。
2002年から2008年は、ラグビーチーム”クルセイダーズ”に所属して、38試合に出場。この7年間でクルセイダーズはスーパーラグビーで4回優勝している。
そして、2005年にはニュージーランド代表チーム”オールブラックス”に選抜され、フィジー戦でデビュー、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズとの2つのテストマッチにも出場した。
今年1月にカミングアウトしたジョンストンだが、その時には同性パートナーのベン・トムソンと婚約していた。
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ジョンストンがカミングアウトした理由
ジョンストンはカミングアウトした時のインタビューで、アスリートとしての役割がゲイであることを受け入れる妨げになっていたことを認めた。
「僕の夢はオールブラックスになることだった。しかし自分の中で、アスリートはこうあるべきという概念が心地よかったことはなかった」
そんなジョンストンだが、家族や友人にカミングアウトして受け入れられたたことで自信を取り戻していく。そして多くのゲイのアスリートたちのロールモデルになるべく、公でのカミングアウトを決意したのだ。
「僕が自分を隠して閉じこもっていたクローゼットの扉を開けて、ゲイであることをカミングアウトした最初のオールブラックスになれば、ゲイであることのプレッシャーやスティグマ(差別や偏見から生じる負のイメージ)を取り除くことができて、他のアスリートたちの力になれると考えた」
ジョンストンのカミングアウトは一気に世界中に広まり、オールブラックスの影響力の大きさを証明した。それから数週間で、何千ものメッセージが彼の受信トレイに殺到した。
「本当にやりがいを実感した数ヶ月だった。人々の役に立っていると分かったことが、一番の喜び。僕のカミングアウトに感謝するメッセージは、今でも届くんだ」
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出会い、別れ、そして再会した2人
ジョンストンが1月にゲイであることを公にカミングアウトする7年前の2016年、ニュージーランド出身の2人はイギリスのパブで初めて出会った。すぐに恋に落ちた2人だったが、その時は長期的な関係にはならなかった。
乗馬のプロ選手であったトムソンはロンドンに移り住んでいたのだが、ジョンストンはラグビー・コーチの職を得てスペインに向かうことになっていたからだ。
しかし、それから3年後、世界がコロナ禍に襲われ、海外に住んでいた2人はニュージーランドに帰国することになった。母国で再会した2人、そのときから本格的にロマンスが始まった。
ジョンストンがカミングアウトを決意して実行するときも、トムソンはずっとそばでパートナーを応援していた。
「とても誇らしかった。カミングアウトするのは素晴らしいことだけど、そうせざるを得ない状況は、やっぱりちょっと悲しいね。私たちはそのことについてたくさん話し合ったよ。2人の関係を必死になって隠していたわけではないんだけどね」
現在43歳のジョンストンはニュージーランドの雑誌のインタビューで、2人の関係についてこう語っている。
「(一緒にいると)リラックスできて、とてもシンプルなんだ」
トムソンは外向的で、ジョンストンは目立たないことを好む。上品な紳士らしく、ジョンストンはプロポーズをする前にトムソンの両親に許可を求めたそうだ。
「彼のお母さんは、『もちろんいいわよ』と即答してくれた。そしてお父さんは立ち上がって、僕を抱きしめて、『かっこいいね』って言ってくれた。2人ともかなり興奮しているようだった。一番大変だったのは、ベンが両親のそばにいないときを見つけることだった」
そして、ジョンストンは2人でトルコに旅行した時に、トムソンにプロポーズした。その時のことをトムソンはこう語っている。
「そこは、風船と景色が素晴らしい場所で、いい写真が撮れそうだと思っていたんだ。プロポーズされる場所がどこであろうとも幸せに違いはないのだけど、あのロケーションは本当に素晴らしくて最高の思い出になった」
現在、2人は完璧な結婚式を計画中とのこと。笑顔があふれる素敵な結婚式が実現することは間違いなさそうだ。
※参考記事:QUEERTY
(冨田格)
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