【ホモソーシャルな調査結果】英国の体育会男子は男同士で抱き合うのが好き

女子が自然に手を繋ぐように、男子が手を繋ぐ光景はなかなか見ることがない。複数で酔って歩くときに肩を組んだりという状況はあっても、決してしょっちゅう見かけるものではない。しかし、男同士は滅多にスキンシップしないという感覚は若い世代にはなくなってきているという調査が発表された。

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体育会男子はバックハグで寝るのが好き

体育会男子は男同士で抱き合うのが好き
画像引用元:Meaws

少々古い話になるが、2014年に英国で40人の大学生の体育会所属男子を対象に行った調査結果が、『Men and Masculinities』誌で発表された。

この研究は、ウィンチェスター大学で共著者エリック・アンダーソン氏のスポーツ社会学のクラスに在籍する18歳と19歳の白人中所得大学生の社会的習慣を観察したものである。

調査対象となった体育会所属男子の93%近くが、定期的に男友達とハグしあったり、バックハグをして楽しんでいると答えた。また、調査対象となった40人のうち39人は、大学入学以来、他の男性とベッドを共にした経験があることも明らかにした。

ちなみに、バックハグとは後ろから抱きしめることだが、英語では「スプーン(Spoon)」「スプーニング(Spooning)」というそうだ。これは大小のスプーンが重なっている様子から来た言葉だとか。後ろの人を「ビッグ・スプーン」、前の人を「リトル・スプーン」という。

共著者であるダラム大学のマーク・マコーマック氏とともに、アンダーソン氏は、ノンケの友人同士の間でホモソーシャルな行動が受け入れられるようになったのは、時代の流れであると結論づけている。

「抱き合うことに対する社会的タブーは、伝統的に男性同士が接近することが “ゲイ “と見られてきたからです。男性は同性愛嫌悪の罵倒の的になることを避けたかったので、同性愛の認識から距離を置くためにマッチョになったのです」

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「ブロマンス」な友人が最低1人はいる

体育会男子は男同士で抱き合うのが好き
画像引用元:MANBA

現役の大学体育会男子たちが男同士でハグしたり、ベッドで大小のスプーンになって寝ていると考えただけでもエキサイティングだが、この研究にはさらにエキサイティングな結果があった。

それは、実験に参加した男子全員が「ブロマンス」と表現できる同性の親しい友人が少なくとも1人はいると述べたことだ。彼らはその関係を、「文字通りいつもそばにいてくれる人」「必要であればいつもそばにいてバックアップしてくれる人」と表現している。

この調査に参加した体育会学生のジャレットとマックスに話を聞いた。

促してもいないのにジャレットは繰り返し、彼と彼の仲間がハグする回数の多さを強調する。

「僕たちはいつも抱き合っているよ。みんな一緒にいると落ち着くんだ」

スプーンになってベッドで寝るのでなく、日中に軽いハグやバッグハグすることを「クイックハグ」と表現するそうだ。ジョンは「クイックハグ」を賞賛し、こう言った。

「友達がそばにいて、そばにいてくれるということを忘れないように、クイックハグするのが大好きです」

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調査結果は米国ゲイに大反響

体育会男子は男同士で抱き合うのが好き
画像引用元:Gayety

英国でのこの調査結果は、米国のゲイにとっても大きな衝撃となったようだ。ゲイメディア『QUEERTY』が調査結果をレポートした記事には読者から膨大な量のコメントが寄せられた。その中から興味深いものをピックアップする。

「くそっ、やっぱり大学に行くべきだった」

「ノンケ男がビーチで競泳パンツを穿かないのと同じように、これはアメリカでは決して流行らないだろう。文化が違いすぎるんだ」

「この40人のうち、何パーセントが相互オナをすることになるんだろう。ヨーロッパに留学すればよかった。そうすればゲイ嫌いな奴らからいじめられることもなかったのに。性的な要素はなくても、この習慣が米国に拡大することを願っている」

「私が大学に行きたいと思う主な理由が、これを経験するためだというのは悲しすぎるかな(笑)?でも、ここはイギリスじゃない。運が悪かった」

「大学時代、寮でノンケの男性とやりたいと思ったことはない。確かに、セクシュアリティは流動的だけど、特に男同士の『愛情』を男同士の『セックス』と混同しないほうがいい」

「見出しを読んだだけで、この研究には何かがあるはずだと思った。英国の研究なら納得がいく。ヨーロッパの男はアメリカ人男性のようにセクシュアリティにこだわりがない。私のヨーロッパのノンケの友人たちは、私と触れ合うことに抵抗がなく、そこに性的なものはない」

「私の知る限り、これはヨーロッパでは珍しいことでもない。バスケやサッカーをする私の友人たちは、長時間ビデオゲームで盛り上がった後に、一緒に一つの大きなベッドで眠りに落ちる・もしくは単なる友人として一つのベッドで一緒に寝る」

「大学時代、ノンケと何度か酔った勢いで抱き合ったり、スプーンで寝たことがある。ゲイだとカミングアウトしていたので、彼らは誰とスプーンしているのか知っていた。そこでHするという選択肢もあったかもしれないけど、彼らはノンケの友人で酔っぱらっていた。だから彼らを性的に利用することはなかった。私たちはその後も親しい友人であり続け、後に問題になることもなかった」

「この行動を理解するためには、ペットを見ればいい。彼らはいつも一緒に寝ている。オス猫、メス猫、猫と犬、オオカミの群れでの行動も見逃せない。人類がこのような心地よさを排除した唯一の理由は、私たちが考えすぎて罪悪感を感じ始めたからだ」

英国発祥のスポーツであるラグビー選手たちが試合後にジャージを脱いでじゃれあう様を見ると、ノンケ体育会男子たちが男同士のスキンシップを楽しむことに違和感を覚えないことも理解できそうだ。

この調査からすでに10年近い時が流れている。今、もっと大規模に調査したらどんな結果になるのか、とても気になるところだ。

※参考記事:QUEERTY/Gayety

(冨田格)

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