【ゲイの自己愛】普通体型が好きなのに、普通体型の自分の身体を愛せない
ゲイ・バイ男性の男の好みは十人十色。完璧なマッチョを好む人がいれば、GMPDを好む人もいいる。しかし、なかでも普通体型を好む人は少なくない。特徴のある肉体は鑑賞用にはいいけれど、付き合う相手は普通体型の男性がいいと考える人たちだ。ところが、自分の身体に対しては、一転、厳しい目を向けてしまうタイプがいるようだ。
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自分を愛するようになるためのヒント
米国のゲイ・メディア『QUEERTY』で人生相談を担当しているジェイク・マイヤーズは、結婚・家族セラピストの資格を持ち、性的少数者のコミュニティ初のオンライン・セラピー・プラットフォーム「Gay Therapy Space」の創設者。心理学の学士号と臨床心理学の修士号を持つ人物だ。
ジェイクが自分の体験を踏まえて、ゲイ・バイ男性が自分の肉体にコンプレックスを抱くのではなく、愛することができるようになるためのヒントを語った。
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「ベストな一枚」と自分を比べる愚かしさ
正直に言おう、インターネットを介して男と出会うためには、外見は重要だ。誰もあなたがどんなアーテイストの映画にハマっているか、どんな本を読んでいるか、どんな仕事をしているかなんて気にしない。私たちはまず外見で判断される。私たちの身体は本質的に「通貨」であり、互いにつながりを持てるかどうかは、身体で決まるのだ。
多くのゲイがそうであるように、私も自分の「通貨」、つまり自分の身体を受け入れるまでに長い時間がかかった。鏡を見ると、欠点ばかりが目についたものだ。
常に自分の腹を批判していた。自分の髪の生え際を見て、かつての髪の生え際と比べていた。どんな小さなシミや欠点があるかを探すかのごとく、自分の肌を仔細に観察していた。そんな厳しいチェックを続けていると、嫌悪感、羞恥心、自己嫌悪の波が襲ってくる。
「なぜ私は、SNSやアプリで見た男たちのようになれないのだろう?」
私は今では自分のことを「案外悪くない」と思うようになったが、それは、誰もが自分の「通貨」を維持するためできる限り完璧に見えるように、ネット上で自分をキュレーションしていることに気づくことができたからだ。
そう気づくまでは、ネットで知り合う男性の画像を見ては、「俺はあんな風には見えない!明らかにセクシーではない」というコンプレックスに苛まれ続けていた。
しかし、いろいろな男たちとやりとりをしリアルをすることで、ほとんどの男たちは自分の「ベストな一枚」をやりとりの「通貨」として使っていることが分かってきた。時には5年、いや10年前に撮った画像もある。
そんな「ベストな一枚」と比較して、「自分は劣っている、セクシーではない」とコンプレックスを抱く必要はないと思うようになったのだ。
ネタバレになるが、世の中にはあなたが思っているよりずっと多くの平均的な男性がいるが、プロフィール画像や交換する画像で人々が見せるもの、または見せないものからそれを知るのは難しい。
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根拠なき「自信のオーラ」があなたを輝かせる
私が心理療法を実践する中で気づいた興味深いことのひとつは、多くのゲイ男性は、自分自身を批判するほど他人を厳しく批判しないということだ。ごく普通体型の男性に惹かれるゲイ男性も、彼らは自分の体が「平均的」であるという事実を全く受け入れられない。明らかに、ここにはダブルスタンダードがある。
私たちは、自分自身を達成不可能な完璧さという考えに縛り付ける一方で、他人には自由を与え、時には不完全な部分を賞賛しさえもする。それは理屈では割り切れない、不思議な感情としか言いようがない。
では、鏡と仲良くなるにはどうしたらいいのだろう?
手始めに、「完璧」を維持するという幻想を捨てることが大切だ。完璧な人などこの世に存在しないし、男の魅力は完全に主観的なものだから、「完璧」という概念自体がありえないものだ。たとえば、ある人にとってはセクシーだが、別の人にとってはまったく興味がないということは珍しくない。
私たちは皆、自分の外見に関して長所と短所を持っている。自分の長所に感謝をして、長所を生かすことに集中するべきだ。
また他人は、あなたが自分自身をチェックするような厳しい目であなたを見ていないことを知ってほしい。ゲイの世界では、J系、スト系、アスリート系からマッチョ、ビルダー、GMPD、クマに至るまで、あらゆる種類の様々な嗜好を持った男たちが大勢いて、それぞれ出会える場をもっている。
あなたが自分自身の長所(持ち味)を受け入れて堂々としていれば、他の人もあなたを受け入れてくれる。だからこそ、自分を受け入れる前向きなメッセージを発信する練習をしておきたい。
典型的な「モデル」のようなルックスでなくても、その人がとても魅力的だと感じるのは堂々としているからだ、と気づいたことはないだろうか? 自信に満ちたオーラを身につけることはセクシーな印象を周囲に与えることにつながる。普段は「7点」くらいに思える人を「10点」に跳ね上げるほどにだ。
ありのままの自分自身を愛し受け入れることを実践すれば、その自信は他の人からの見え方の変化にもつながっていく。もちろん、これは必ずしも簡単な道ではないが、ゲイ・バイ男性の人生において努力する価値は必ずあると約束する。
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魅力的の基準は常に変化するもの
ジェイクの考えを紹介した記事には、ユーザーのコメントがいくつか寄せられている。それを紹介しよう。
「『私が心理療法を実践する中で気づいた興味深いことのひとつは、多くのゲイ男性が、自分自身を批判するほど他人を厳しく批判していないということです』とジェイクは語るが、面白いことに、私はこれとは正反対な男とばかり巡り合ってしまう」
「自分の体は批判するけど、”完璧ではない”男性を愛する友人がたくさんいました」
「セクシーとか魅力的という基準は、見る人の目の中にある。そして、そのコンセプトは常に変化する、なぜなら気まぐれなゲイが多いから。自分自身では本当はどう見られたいのか見当もつかないのに、周囲のゲイに合わせて毎日ジムに時間を費やし、必死に体を作っている人がどれだけいるだろうか?
もしあなたが自分を大切にし、正しく食べ、運動し、一般的に見栄えが良く、気分が良くなるように最善を尽くすなら、あなたを拒絶するバカはくそくらえだ。あなたのことを好きで、そのままのあなたを魅力的だと思ってくれる人のところに行けばいい。結局のところ、私たちは皆、一人一人に欠点があるのだから」
あなたは自分自身を厳しくチェックして、コンプレックスの種を探したりはしていないだろうか?
※参考記事:QUEERTY
(冨田格)
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