「まだ付き合う準備ができていない」と言われたら待つ? 待たない?
恋愛はシーソーゲームのようなもの、と言われている。めちゃめちゃ好きになっても、相手が同じ気持ちになっているのかは分からない。米国のゲイ専用のネット・フォーラムで、好きだと伝えたら「まだ付き合うには心の準備ができていない」と言われたときに、どう対処するのが正解なのか、という話題が盛り上がった。
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国を問わずゲイ恋愛事情に共通する話題
米国のゲイ専用ネット・フォーラムで最近盛り上がった話題は、国を問わずゲイ男性の恋愛事情に共通する面が多いにある。
あるユーザーが問いかけた。
「好きな人に『付き合ってほしい』と告白したのですが、その人は『まだ付き合うには心の準備ができていない』と言いました。彼の心の準備が整うまで、彼を待つことが良い考えでしょうか?
私と同じような状況で、相手の準備が整うまで待ったことがある人はいますか? もしいたなら、どれくらいの期間待って、そし結果はどうでしたか? また、あなたの考える “待つ “とは、その間に他の人と寝たりデートしたりしたりすることですか?」
この問いかけに対して、多くのユーザーが自分の経験を語り始めた。そして、残念なことに大多数の人にとっては、結末はハッピーエンドではなかったことがわかった。
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”待つ”経験は、まさに「災難」だった
2人の男性の準備が整うまで待った経験がある人は、その体験を語った。
「時期が重なっていないのだけど、私は2人の男性が交際する準備が整うまで待ったことがある。彼らとの間にはそれぞれ友情を築けていたし、友達同士で遊ぶことを楽しんだし、共通の趣味もたくさんあった。
でも、そのうちの1人とはタイプが合わなかった、つまり向こうが私を恋人とは見られなかったんだ。そしてもう一人とは、性的な相性が合わなかった。彼は自分が望んでいることを私にはっきり伝える勇気がなかったみたい。
だからどちらもうまくいかなかったし、そのことを自分できちんと受け入れるまで、しばらくの間は落ち込むことになった。結局、もう3年以上どちらとも話していない。私は、同性パートナーと結婚して、今はとても幸せな毎日なので、もう2人のことは考えることもないけどね」
現在60代の別の男性は、この経験は自分にとって “災難 “だったと語った。
「彼の準備が整うまで待つ時間が長くなるにつれて、実はありもしなかった可能性を必要以上に大きなものだと思い込んでしまった。彼が私に興味がない、とは言わなかったから可能性があるはずだと思いこんでしまった。
今振り返れば、バカだったと思う。”待つ “ということは、”何かある “という期待を意味する。でもそこに約束がない限り、結局は待つ側の頭を混乱させるだけなんだ」
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エネルギーを注ぐべき相手とは?
相手の準備が整うまで待つことで多くの人が学んだ教訓はこうだ。
「自分にエネルギーを使いたいと思う人にエネルギーを注ぐこと」
ある人は、すぐに人生の教訓を学んだと言った。
「1ヶ月ほど彼を待った。でも、時間の無駄だった。自分の夢を一時停止し、可能性を待つことに集中するには人生は短すぎると思った」
しかし、待つことが結果的に有益であったと答えた人も少なからずいた。
告白したときにすぐに応じられない人には、深い理由がある場合も考えられる。たとえば、感情的なトラウマを抱えているとか、失恋した傷がまだ癒えていないとか、もしくは恋愛以外の何かに集中していて時間も心の余裕もなかったりとか。
そんな状態だった場合、”待つ”選択をしたことで相手が抱く印象はより良い方に向き、準備が整ったあとにハッピーエンドを迎えた例もあるようだ。
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記事に対する読者たちの多彩な意見
この記事を掲載した米国のゲイメディアQUEERTYには、多くの読者のコメントが寄せられた。その中から抜粋して紹介する。
「相手が準備ができていない理由をきちんと話しているのかは重要な問題だ。
たとえば『別れたばかりでまだ心の準備が出来ていないんだ』とか『カミングアウトする準備ができていないし、隠さなければならない関係になるのはフェアじゃない』とかの理由なら、全然構わない。それ以上の関係になることを期待して友人関係を築くだろう。
でも理由を説明することもなく『まだ準備が出来ていない』と言ったなら、私が彼の人生のパートナーとしてのタイプではないと感じたのだと判断する」
「あなたが目指すゴールが誰かと付き合うことなら、相手が『交際する準備ができていない』と言ったときにそれを信じないのは愚かなことだ。そんな相手にしがみつくのは時間の無駄。もしかしたら、あなたと交際したくないだけかもしれないのだから」
「人生は短い。それは陳腐な言葉かもしれないけれど、年を重ねるほどに正しいと実感できるものだ。その気がない相手を待っている時間は無駄だ」
「その頃の私は、恋愛を望まない人間でした。悪い恋愛から抜け出したばかりで、自由が欲しかったんです。そんな時に、まだ家族にカミングアウトしていない魅力的な男性と出会いました。私たちは友達になり、彼は家族にカミングアウトし、1年間私を追いかけ、そして私は彼の虜になりました。彼がアルツハイマー病の合併症で亡くなるまで、私たちは37年間一緒に暮らしました。人生は、何が起こるかわからないのです」
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友達として付き合う考えは否定しない
最後に、この問題についてカウンセラーの話を聞いてみることにしよう。カリフォルニア州公認の心理療法士であるマイケル・デール・キンメルは、こう語る。
「私は、まだ準備ができていないという人の言葉を信じます。たいていの場合、彼らは正しい。彼らは100万もの理由を挙げるかもしれないし、またそのどれもが重要ではないのです。どんな理由を挙げるにせよ、今はその気になれないのであれば、それは正しいことなのです。
私は同じ状況で、この両方の側にいるクライアントを持ったことがあります。
準備ができていないという人の理由は、かなり主観的なものです。まだデートする準備ができていないと思っていても、素晴らしい人に出会った途端に、”やっぱり試してみよう “と心変わりすることもあります。
あなたが待つ側であるならば、そこにはリスクがあることも知るべきです。待つことの長所と短所を考えて天秤にかけてみましょう。いたずらに誰かのために人生を保留にすることは勧めません。待つ間も、他の人と会い続け、気になる人とは連絡を取り合いましょう」
さらにキンメルは、相手がまだ付き合う準備ができていないと言った場合、友達として付き合うという考えを否定しないよう警告している。
「可能性のある関係なら、何よりもまず友達になりたいと思いませんか? 準備が出来ていないと言われたら、まずは友達として付き合うことを勧めます。付かず離れずの関係性を維持しながら、2人の関係がどう発展していくのかを楽しみましょう」
誰かと出会って、もし「待つ」側になったとしたら、あなたはその時どのように対応するのだろうか?
※参考記事:QUEERTY
(冨田格)
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