【ゲイの人生相談】”隠れゲイ”だと確信しているイトコのデキ婚を止めたい

結婚することで幸せな家庭を築いていけそうなら心から祝福するのだけど、将来に疑問符がついてしまう場合は祝福しづらいもの。「彼はゲイに違いない」と確信している身近な男性が結婚することで悩むゲイに、人生相談の専門家が授けたアドバイスとは。

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”隠れゲイ”のはずのイトコがデキ婚

結婚・家族セラピストの資格を持つジェイク・マイヤーズが担当する、米国のゲイ・メディア『QUEERTY』の人生相談コラムに、ゲイ男性ピーター（仮名）が送った相談。

「ハイ、ジェイク。

僕のイトコが男に夢中なのは確かです。ところが彼は最近、女性を妊娠させて婚約しました。数ヶ月後に出産予定で、いわゆるデキ婚です。

子供の頃から彼はとても繊細で、ミュージカルやダンスといったステレオタイプな “ゲイ”的なものに夢中でした。

20代になるとジムで筋トレすることにハマり、ワークアウトに励んだ後はロッカールームで自撮りしたセクシー画像をしょっちゅうインスタにアップしていました。30代前半になった今も完全に引き締まった肉体で、僕が知っている誰よりもセンスがいい服を着ています。

特に、逞しい上腕二頭筋を強調するようなピチピチのデザイナーズTシャツを好んで着ています。

しかし、僕にとって本当に驚きなのは、彼のリアルな友人や、SNSでフォローしている人の中でゲイが占める割合の高さです。僕と彼には、衝撃的なほどに多いゲイの知り合いが共通しています。

地元のゲイ・コミュニティにこれほど入り込んでいるノンケ男性は、僕の知る限りはいません。

「彼が自分がゲイであることをどう認識しているのか」とか、「なぜそんなに多くのゲイの男友達がいるのか」などを、実際に面と向かって話したことはありません。

でも、彼が夫や父親になろうとしている今、そのことがとても気になっています。彼が、幸せになれないような役割や状況に自分を押し込もうとしているのではないかと心配なのです。

僕は彼の人生に踏み込んで何か言うべきでしょうか？」

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誰もが個々の人生を歩んでいる

こんにちは、ピーター。

たしかに状況証拠は揃っているかのように思えますが、必ずしもあなたのイトコがゲイであるとは限りません。

ノンケのなかには、ゲイの友人を持ったり、テレビで『ルポールのドラァグ・レース』を見たり、ミュージカルに挑戦したり、典型的な男っぽい洋服ではないものを着ることを好む人もいます。

また、ワークアウトの後にセクシーな自撮りをアップすることも、女子や男性、その両方から「いいね」を得るための自己承認欲求の表れであって、性的指向が誰に向いているのかを示すとは限りません。

とはいえ、あなたの”ゲイダー”（ゲイがゲイを見分ける特有の能力）は的中しているかもしれないし、あなたのイトコはまだ誰にもあるいは自分自身にも「ゲイであること」に無自覚なだけかもしれません。

もちろんバイセクシュアルである可能性もあります。親しいあなたでも内面を完全に理解できるはずもなく、彼の選択がより複雑に感じてしまうのでしょう。

とはいえ、多くのゲイやバイ男性が知っているように、カミングアウトは非常に個人的なプロセスです。もし彼が、内心では同性愛嫌悪や恐怖、さらに家族や社会からのプレッシャーを抱えていたら、自分の真実を認める準備ができるまで時間がかかるかもしれません。

悲しいことに、その過程で婚約者や妻、あるいは子供までもが巻き添えになる可能性もあります。

特にあなた自身が同じような経験をしたのであれば、介入したいと思う気持ちはよく理解できます。でも残念なことに、誰もがそれぞれの人生を歩んでいるのです。

もし彼が、自分自身や他人に何かを認める準備ができていないのであれば、おそらく彼はあなたの言うことに耳を貸さないでしょう。たとえそれが、もうしばらくの間自分の一部を隠すことを意味するとしても。

あなたが早急に事を進めようとしたら、彼は脅威を感じあなたから離れるかもしれません。

ゲイに関する事をはっきりと言わないまでも、もし彼がサポートを必要とすることがあれば「安全な場所」になれるよ、ということを伝えることはできます。

あなたがゲイであることを彼が知っているのであれば、彼はアドバイスが必要なときや愚痴をこぼしたい時に頼れる存在がいることを分かっているでしょう。私なら、あなたが彼のところに行くのではなく、彼があなたのところに来られる状況を作ります。

ゲイ・バイ男性が苦労している状況、特に彼らの人生に関わる他の人々が最終的に傷つく可能性があるとわかっているときは、私たちの心も痛みます。しかし、世界を救うのは私たちの仕事ではありません。

自分自身のカミングアウトを思い返せば、準備が整っていなかった頃の心境が分かるはずです。自分の内心の準備が整っていない時に、周囲の人から「お前はゲイだ」と指摘されたら困るでしょう？

あなたには彼のロールモデルとなるように、できるだけオープンに正直に自分の人生を生きることを勧めます。

もしあなたが確信しているように彼が”隠れゲイ”だとしたら、身近にいるゲイのお手本としてあなたに注目しているはずですから。

親身なアドバイスと、お節介な忠告の境目はどこにあるのかを見定めるのは、かなり難しいと思える。身近な”隠れゲイ”だ確信する人がデキ婚しそうになったら、あなたならどうする？

※参考記事：QUEERTY

（冨田格）

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