【ついに同性婚!】ディズニープラス消防士ゲイ・ドラマから目が離せない

テキサスの消防署を舞台にした人間ドラマ『9-1-1 LONESTAR』の注目ポイントは、ゲイの消防士とゲイの警察官の恋愛模様がストーリーの核に据えられていることだ。現在配信中のシーズン4ではついに結婚式を迎えた2人のキャストとドラマの魅力を紹介する。

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スピンオフが人気のシリーズに成長

9-1-1 LONESTAR
Image Credit: ‘9-1-1: Lone Star,’ Fox

ドラマ『9-1-1 LONESTAR』は、テキサス州の州都であるオースティンの消防局126分署を舞台にした群像劇だ。アメリカではFOXでシーズン4まで放送されている。

シリーズのクリエイターは『glee/グリー』を大ヒットさせたライアン・マーフィー。最初はロスアンゼルスの消防局を舞台にした『9-1-1 LA救命最前線』をスタート、このドラマが大ヒットしたことでスピンオフとして誕生したのが、同じくFOXで放送中の『9-1-1 LONESTAR』。

ゲイであることを公言しているライアン・マーフィーの作品には多様性は必須。ポリコレが声高に叫ばれる以前から、ゲイやレズビアンなど性的少数者や多彩な人種がキャスティングされてきた。

9-1-1 LA救命最前線
『9-1-1 LA救命最前線』のブロマンス・カップル
9-1-1 LA救命最前線
『9-1-1 LA救命最前線』

『9-1-1 LA救命最前線』では、消防士のメインキャストにはレズビアン、そして実質ドラマの主役でもあるアンジェラ・バセット演じる女性警察官の夫が初回でゲイだとカミングアウトするところが描かれた。

他にもマッチョなイケメン消防士同士のブロマンスで視聴者を「萌え」させる工夫もあり、高視聴率のままシーズン6まで続いたものの、製作費の高騰などを理由にFOXでの放送は終了。今秋より放送予定のシーズン7はABCで継続ということになった。

一方、『9-1-1 LONESTAR』はすでにFOXでシーズン5の放送が発表されている。

多様性が満載のキャストとゲイ・ロマンス

9-1-1 LONESTAR
Image Credit: ‘9-1-1: Lone Star,’ Fox

『9-1-1 LONESTAR』の物語を簡単に紹介しよう。

火災現場での不幸な事故で隊長含むほとんどの署員が亡くなった分署を立て直すために、ニューヨークからやってきた新隊長オーウェン(ロブ・ロウ)と、その息子で消防士のTK(ローネン・ルビンスタイン)。

常にフサフサの髪を整える洒落者で意識高い系のオーウェンは、消防士としての能力が高く、かつ多様性のあるメンバーを集め、126分署を大きく生まれ変わらせる。

『9-1-1 LONESTAR』

イスラム教徒のデキる女性消防士、トランス男性、ドリーマー(不法移民の若者)の見習い、など多様性に溢れた署員たちのそれぞれのドラマも描かれていくが、なかでも比重が大きいのが署長の息子TKと、警察官カルロスの2人によるゲイ・ロマンスだ。

もどかしさも切なさもある男同士の恋模様

9-1-1 LONESTAR
Image Credit: ‘9-1-1: Lone Star,’ Fox

ドラッグ中毒から立ち直った経験のあるTKだが、ニューヨークで同性婚を考えていた相手に手ひどく振られたことに傷つき、ドラッグに手を出してしまった。心配したオーウェンは環境を一新するためにテキサスの仕事を引き受け、TKと共に越してきた。

テキサスに来た当初のTKは精神的にかなり不安定な状態だったが、彼を大きく変える人物と出会う。それが地元の警察官カルロスだ。カルロスもまたTKと同じく、ゲイであることをカミングアウトしているタイプで、2人は自然と意識しあい科学変化が生じる。

とはいえ、失恋で傷つき恋愛に臆病になっているTKと、きちんと恋愛したいと考えるカルロスの関係は、当初はギクシャクしながらも、時間をかけてきちんと向き合うようになる。

消防士と警察官、どちらも常に危険と背中合わせの職業だが、互いを尊重しながらTKとカルロスはその絆を強め、126分署の仲間達ともいい関係を構築していく。

互いに様々な試練を乗り越えた2人が、シーズン4でついに結婚式にたどり着くのだが、そこに至るまでにも大きな試練が立ち塞がっていた。一筋縄ではいかない『9-1-1 LONESTAR』らしい展開に、ハマってしまうこと確実だ。

俳優で活動環境家でボーカリスト

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ローネン・ルビン・スタイン Image Credit: ‘9-1-1: Lone Star,’ Fox

TKを演じるのは、ローネン・ルビン・スタイン。1993年、イスラエル生まれのスタインは、俳優であり、環境活動家であり、ロックバンドのリードボーカルでもある。

『9-1-1 LONESTAR』の前は、同じくライアン・マーフィーが製作の『アメリカン・ホラー・ストーリー』や、Netflixの『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』にも出演している。

2021年に雑誌「バラエティ」のインタビューで、バイセクシュアルであるとカミングアウト。現在のパートナーはカナダ人の女優でロサンゼルスで同棲中。子供の頃からバスケットボールのプレイヤーであり、2020年には菜食主義者からヴィーガンへと切り替えたそうだ。

ブラジリアン柔術家でもある俳優

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ラファエル・L・シルバ Image Credit: ‘9-1-1: Lone Star,’ Fox

カルロスを演じるラファエル・L・シルバは、1994年ブラジル生まれ。13歳の時にアメリカに移住、カルチャーギャップから内向的になってしまい、人前で話すことが怖くなったという。その恐怖を克服するために、高校時代から演技に取り組み始めた。

『9-1-1 LONESTAR』の前は、『マダム・セクレタリー』など何本かのドラマや短編映画の出演経験があり、カルロス役で初めて大きな作品のレギュラーキャストとなった。

ブラジリアン柔術家でもあり、ホイス・グレイシーと共にトレーニングをしていたそうだ。ドラマの中の役柄と同じく、シルバ自身もゲイであることをカミングアウトしている。

9-1-1 LONESTAR
Image Credit: ‘9-1-1: Lone Star,’ Fox

TKとカルロスをミックスして「タルロス」と呼ばれているこのカップルは全米のゲイにとってのラブ・アイコンにもなっており、2人の結婚式が描かれたシーズン4の最終回をキュンキュンしながら視聴したゲイが多いという。

またローネン・ルビン・スタインとラファエル・L・シルバは役を離れても仲良しのようで、その距離感の近さがゲイ・カップルを演じるうえでの説得力を増す効果にもなっているようだ。

ディズニープラスでは『9-1-1 LONESTAR』はシーズン4までを配信中。多様性のあるキャストたちのそれぞれの物語をシーズン1できちんと描き、シーズン2からは物語はダイナミックな展開となり、次から次へと大事件が起きていく。

ゲイ・カップルの恋の進展ばかりではなく、消防局員の物語や人間ドラマ、ミステリーとしても楽しめる『9-1-1 LONESTAR』の世界を、ぜひ堪能してほしい。

ディズニープラス

※参考記事:Out/Queerty

(冨田格)

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