全米第一位!ゲイ家族がひどい目に遭う新作映画『ノック 終末の訪問者』

2月3日に全米公開したM.ナイト・シャマラン監督の最新作『ノック 終末の訪問者』が週末興行で第一位と好スタートをきった。4月の日本公開が待ち遠しいこの映画の最新情報をお届けする。

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全米週末興行でトップとなる

ノック 終末の訪問者
映画『ノック 終末の訪問者』 CREDIT: UNIVERSAL PICTURES

休暇を過ごすために山奥のキャビンを訪ねたゲイ夫夫と養子の少女の3人家族が、厳つい風貌の男が率いる武装集団に襲われ、とんでもない決断を迫られる。

こんな気になる内容の映画『ノック 終末の訪問者』は、『シックス・センス』『サイン』などのM.ナイト・シャマラン監督の最新作。ゲイ夫夫を演じるのが、カミングアウトしている俳優のジョナサン・グロフとベン・オルドリッジというのも話題だ。

ノック 終末の訪問者
映画『ノック 終末の訪問者』 CREDIT: UNIVERSAL PICTURES

2月3日に全米で公開したところ、週末興行で第一位でスタートしたというニュースが届いた。

2022年秋に、ハリウッドのメジャースタジオ初のゲイ・カップルが主役のロマコメ映画『BROS.』が大コケしたこともあり不安要素もあったのだが、好スタートとなったのは嬉しいところ。

 4月7日(金)の日本公開が待ち遠しい『ノック 終末の訪問者』から、ゲイ夫夫の一人ベン・オルドリッジに関する2つのトピックを紹介する。・

カミングアウトが俳優業にもたらしたもの

ノック 終末の訪問者
(右)ベン・オルドリッジ 映画『ノック 終末の訪問者』 CREDIT: UNIVERSAL PICTURES

『ノック 終末の訪問者』でゲイ夫夫の一人アンドリューを演じているベン・オルドリッジは、2022年12月に全米公開された映画『スポイラー・アラート』では・ジム・パーソンズとゲイ・カップルを演じている。

3年前にカミングアウトしたオルドリッジは、最近、ポッドキャスト番組に出演してカミングアウトした時の心境をこう振り返った。

「ドラマチックに聞こえるかもしれないけれど、(カミングアウトしたこで)楽に呼吸ができるように思えたんです。カミングアウトが自分にとってどれだけ重要なことなのか、過小評価していました。肩から重荷を下ろすような楽な気持ちになれるとは、予想もしていませんでした。カミングアウトしてから、その後何日も『この決断は自分にとって必要なことだった』と実感し続けました」

1985年生まれのベン・オルドリッジにとって、カミングアウトを決意するまでは非常に長い時間を要した。20代の頃は、カミングアウトすると仕事を失うかもしれないと言われたことが心にひっかかっていたという。

エンターテインメント・ウィークリー誌のインタビューでは、こう語っている。

「『もし私のカミングアウトが何らかの形で不利になるなら、そういう選択をする人たちとは仕事をしたくない』と思い、決断しました。カミングアウトしたことで、それ以前なら候補に挙がらなかったはずの、ゲイをテーマにしたプロジェクトに参加できるようになったと思います。私は、ゲイを演じることに喜びを感じてきました。自分がやっている仕事に、より大きな意味を与えてくれると感じています。作品の中で自分自身と出会っているような感覚があります」

デイヴ・バウティスタの夫役を演じるつもりだった

Knock at the Cabin
デイヴ・バウティスタ 映画『ノック 終末の訪問者』 CREDIT: UNIVERSAL PICTURES

『ノック 終末の訪問者』でゲイ家族を恐怖のどん底に落とし込む強面の”訪問者”を、プロレスラーであり俳優のデイヴ・バウティスタが演じている。しかしオルドリッジは、オーディションを受ける時点ではバウティスタとゲイ夫夫を演じるつもりだったそうだ。

エンターテインメント・ウィークリー誌にその顛末を語った。

「私が受け取ったオーディションのメールには、デイヴ・バウティスタが出演しているとしか書かれていませんでした。私は、ベアパパになるデイヴの年下のボーイフレンド役のためにオーディションを受けるのだと思い込んでいました。オーディションの時に監督に『デイヴがこういう良識ある父親役を演じるのは初めてで、すごく斬新だね』と言ったところ『何言ってるの? デイヴがエリックを演じるわけないじゃない。頭がおかしくなったの?』と呆れらました。でもオーディションでは、デイヴを相手役に想定した演技をしていたのだけどね」

全身タトゥーの入った強面のデイヴ・バウディスタが良識的なゲイのベアパパを演じる姿はとても見たいのだが、残念ながら今回はその夢は実現しなかったようだ。

ノック 終末の訪問者

『ノック 終末の訪問者』は、ゲイ家族に「自分たちを救うのか」もしくは「世界を救うのか」という、究極の二択を迫られる物語だと発表されている。しかし、シャマラン監督は常にひねりの効いた映画を作っているので、この映画も予想とは異なる展開になりそうで期待がふくらむ。

4月7日(金)の日本公開がますます楽しみになってきた。

『ノック 終末の訪問者』公式サイト

※参考記事:instinct/Out

(冨田格)

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