【ザ・ホエール/ノック 終末の訪問者】見逃せない2本の映画4月7日公開
明日4月7日(金)ゲイとゲイ夫夫(ふうふ)が物語の中心となる2本のアメリカ映画『ザ・ホエール』『ノック 終末の訪問者』が同時公開となる。いずれも先行公開した米国では大きな話題を呼んだ注目作だ。
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ゲイ・セクハラで鬱になったブレンダン・フレイザーが巨デブなゲイ役で復活
『ザ・ホエール』巨漢ゲイ最期の5日間
先日発表された第95回アカデミー賞で、ブレンダン・フレイザーが主演男優賞を受賞した話題作。オフブロードウェイの芝居を原作としたこの作品で、ブレンダン・フレイザーは体重600ポンド(約272kg)の病的肥満のゲイの英語教師チャーリーを演じている。
監督は、『レクイエム・フォー・ドリーム』『レスラー』『ブラック・スワン』など強烈に印象に残る映画を作り続ける鬼才ダーレン・アロノフスキー。今作では、2000年代初頭に受けたゲイ・セクハラから鬱になり、一線から遠ざかっていたブレンダン・フレイザーをゲイ役で見事にカムバックさせた。
『ザ・ホエール』の主人公チャーリーは、結婚して娘も授かったのだが、ボーイフレンドのアランと暮らすために妻と娘の元を去る。ところがアランを亡くしてしまい、その辛さから現実逃避するために家にひきこもり、自宅のソファからほとんど動かず過食状態を続けた。
その結果、重度の肥満症となり心不全を患ったチャーリーは、アランの妹で看護師のリズの助けを受けながらオンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てていた。ところが心不全の症状が悪化、自分の死期がまもなくだと悟る。
チャーリーは、過食の原因にもなった心に押し込め続けたトラウマと向き合うことを決意する。それは、自らが壊してしまった家族、疎遠だった娘との絆を取り戻すことだ。ところが、久しぶりに再会した娘のエリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた…。
自分の死を前に、人生でやり残してきたことへの決着をつけようとするチャーリーの最後の5日間が描かれるこの映画、9月にベネチア映画祭で上映された際には上映後に6分間のスタンディング・オベーションが続いたという。
『ノック 終末の訪問者』ゲイ夫夫に究極の選択
2月3日に全米公開して週末興行で第一位と好スタートをきったのが、M.ナイト・シャマラン監督の最新作『ノック 終末の訪問者』。
休暇を過ごすために山奥のキャビンを訪ねたゲイ夫夫と養子の少女の3人家族が、厳つい風貌の男が率いる武装集団に襲われ、世界の終末を止めるために家族の一人の命を差し出せという決断を迫られる物語。
『シックス・センス』『アンブレイカブル』『サイン』『ヴィジット』『スプリット』『ミスター・ガラス』『オールド』など、ホラーテイストかつ予想を裏切る展開の作品群で有名なM・ナイト・シャマラン監督らしい、驚きに満ちた映画になっていそうだ。
武装集団のリーダーを演じるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ナイブズ・アウト グラス・オニオン』の俳優でプロレスラーのデイヴ・バウティスタ。
ゲイ夫夫を演じる2人は、いずれもカミングアウトしているゲイ俳優。
『glee/グリー』や『LOOKING』などのドラマでも知られるジョナサン・グロフはミュージカル畑の俳優。もう一人は、昨年12月に全米公開された映画『スポイラー・アラート』では、ジム・パーソンズとゲイ・カップルを演じたベン・オルドリッジ。
理不尽かつ究極の選択を迫られた2人が選ぶ選択は、そして物語の結末がどうなるのか興味は尽きない。
ゲイが物語の中心となる話題作を映画館で見る、そんな週末も楽しそうだ。
(冨田格)
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