07.12サル痘最新ニュース「ゲイ向けサル痘予防マニュアルの中身がすごい」

感染症に関するデータをリアルタイムで提供する国際的な連携組織「グローバルヘルス」がまとめるサル痘の確定症例や疑い症例をリアルタイムで監視する「サル痘トラッカー(Monkeypox Tracker)」によると、7月11日(月)現在で、全世界の確定症例は9,000例を超えた。

そんななか、ニューヨークではワクチン不足が問題になっているようだ。今回もサル痘の、気になるニュースをピックアップする。

・サル痘が日本上陸する前に日本のゲイが知っておくべき「サル痘の基礎知識」

ニューヨークではワクチンが不足

サル痘
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現在、ニューヨークでサル痘の感染が急拡大しているようだ。

7月12日にFNNプライムオンラインが公開した記事「ニューヨーク市で「サル痘」感染拡大 無症状の人からの感染も…ワクチン供給追いつかず」から引用する。

ニューヨーク市でのサル痘の感染は、7月7日(木)までに141人確認され、2週間で370%増加した。市では、14日以内に男性同士の性交渉があった人などを対象にサル痘のワクチン接種を行っているが、需要に供給が追いつかず、予約が取りづらい状況となっている。

https://www.fnn.jp/articles/-/387946

サル痘には天然痘ワクチンが効果があると言われている。これは暴露後、つまり感染している人と濃厚接触した後に接種しても症状を抑えられるということで、アメリカでは積極的に天然痘ワクチンの接種が推奨されている。

しかし1980年5月にWHOが天然痘の世界根絶宣言を行ったことにより、現在は天然痘ワクチンの在庫には限りがあるため、需給バランスが崩れてしまっているようだ。

日本ではまだ感染報告が為されていないが、国内で感染が広がった場合のワクチン接種のシステム作りを進めてもらいたいものだ。

・致命的じゃないが発症すると厄介な「サル痘」性に開放的なゲイは最新情報を抑えておきたい

ゲイ・バイ男性に向けたサル痘予防マニュアル

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そんなアメリカで、7月11日にCDC(アメリカ疾病対策予防センター)が、ゲイ・バイ男性に向けて「Social Gatherings, Safer Sex, and Monkeypox(パーティー、セーファーセックスとサル痘)」と題した、サル痘予防マニュアルを発表した。

ゲイ・バイ男性にとっては非常に有益な情報が詰まっているこのマニュアルから一部を引用し紹介しよう。

まずサル痘の感染経路だが、通常考えられている皮膚と皮膚の接触や、リネン類の共有などに加えて、性的な場面におけることも記載されている。

オーラルセックス、アナルセックス、膣セックス、またはサル痘患者の性器(陰茎、睾丸、陰唇、膣)または肛門に触れること。ハグ、マッサージ、および長時間の対面での接触。

このような親密な接触で起こる可能性がある。

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/specific-settings/social-gatherings.html

では、性的な場面で何を注意すべきかというと、まずはパートナーとお互いの体や陰部に新しい発疹や原因不明の発疹がないか確認することが必要だ。もし新しい発疹や原因不明の発疹を見つけたら、性的交渉はしないで、病院を受診するようにしたい。

また自分がサル痘にかかった場合の注意点を引用しよう。

自分自身やパートナーがサル痘にかかった場合、自分や他の人を守る最善の方法は、あらゆる種類のセックス(経口、肛門、膣)を避け、病気の間はキスやお互いの体(特に発疹)に触れないようにすることです。タオル、フェティッシュな道具、セックスのおもちゃ、歯ブラシといったものを共有しないようにしましょう。

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/specific-settings/social-gatherings.html

サル痘は、発疹が出てから2~4週間で自然治癒すると言われている。すべての発疹がかさぶたとなって落ちてしまうまでは、セックス厳禁であることは覚えておきたい。

・ゲイ(バイ)男性必読!海外の実例から考える「サル痘」とゲイコミュニティ

サル痘に感染しないセーファーセックスとは

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このマニュアルは、サル痘に感染しないためにさらに踏み込んだセーファーセックスを解説している。

もっとも安全だと考えられるのは、直接接触しないバーチャルなセックス。スマホやPCなどを使いインターネット経由でのバーチャルなセックスならば、接触する可能性はない。

また「少なくとも6フィート(約3メートル)」離れて、お互いを見ながらオナニーすることも接触しない方法として推奨されている。

衣服を着たまま、あるいは発疹のある部分を覆って、できるだけ肌と肌の接触を減らしてセックスをすることを考える。発疹が性器や肛門に限定している場合は、コンドームを使用するとよいでしょう。しかし、コンドームだけでは猿痘の予防にはならない可能性が高いです。

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/specific-settings/social-gatherings.html

やはり、直接の接触はリスキーであると考えられる。また「キスは避ける」ことも重要だ。

さらに重要なことは、これだ。

複数のセックスパートナーや匿名のセックスパートナーがいると、サル痘に感染する可能性が高くなります。セックスパートナーの数を制限することで、曝露の可能性を低くすることができます。

サウナ、セックスクラブ、私的および公的なセックスパーティーなど、複数のパートナーとの親密でしばしば匿名での性的接触を行う閉鎖的な空間では、サル痘が広がる可能性が高くなる場合があります。

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/specific-settings/social-gatherings.html

日本でもサル痘の感染拡大が始まったときは、セックスする相手は限定することを考える方がよさそうだ。

・2022年6月29日サル痘最新ニュース「ゲイ・バイ男性に広がるサル痘の症状は発疹が局部や肛門から始まる場合もある」

クラブイベントで感染の可能性は?

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最後に、クラブイベントやパーティーでのサル痘感染予防の方法を紹介しよう。

祭りやイベント、コンサートなど、着衣で参加して皮膚の直接接触の可能性が低い場合は、より安全だと考えられる、しかし、キスやハグなどは避ける方がいい。

レイブ、パーティー、クラブなど、衣服をほとんど身につけず、直接、個人的に、しばしば肌と肌が触れ合う場所では、ある程度の危険性があります。他の人の発疹は避け、肌と肌の接触を最小限にすることを検討してください。

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/specific-settings/social-gatherings.html

夏の期間は特に肌の露出が多いので、日本でも感染拡大が始まったときは注意する必要がありそうだ。

日本国内での感染報告が為されても、「サル痘」に関する知識があれば、いたずらに慌てることもなく冷静に対応できる。「ジオ倶楽部」では今後も、最新のサル痘情報を紹介していく。

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