ブレンダン・フレイザーが巨デブなゲイに!映画『ザ・ホエール』来春公開

ゲイ・セクハラがきっかけで鬱に陥り表舞台から遠ざかっていたイケメン俳優ブレンダン・フレイザーが巨デブなゲイ役でカムバック。話題の新作映画『ザ・ホエール』の日本公開が2023年4月に決定した。

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北米限定公開で記録的ヒット

ザ・ホエール
ブレンダン・フレイザー

12月9日に北米全6館での限定公開がスタートした映画『ザ・ホエール』。オフブロードウェイの芝居を原作としたこの作品で、ブレンダン・フレイザーは体重600ポンド(約272kg)の病的肥満のゲイの英語教師チャーリーを演じている。

北米では限定公開で2022年の1スクリーンあたりの興行収入平均の最高記録を叩き出し、12月21日より拡大公開を開始。1月にはさらにスクリーン数を拡大する予定ということで、好調なスタートをきったようだ。

『レクイエム・フォー・ドリーム』『レスラー』『ブラック・スワン』など強烈に印象に残る映画を作り続ける鬼才ダーレン・アロノフスキーが、ブレンダン・フレイザーのカムバックをどのように演出したのか、非常に気になるところ。

映画『ザ・ホエール』の物語

ザ・ホエール

『ザ・ホエール』の主人公チャーリーは、結婚して娘も授かったのだが、ボーイフレンドのアランと暮らすために妻と娘の元を去る。ところがアランを亡くしてしまい、その辛さから現実逃避するために家にひきこもり、自宅のソファからほとんど動かず過食状態を続けた。

その結果、重度の肥満症となり心不全を患ったチャーリーは、アランの妹で看護師のリズの助けを受けながらオンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てていた。ところが心不全の症状が悪化、自分の死期がまもなくだと悟る。

チャーリーは、過食の原因にもなった心に押し込め続けたトラウマと向き合うことを決意する。それは、自らが壊してしまった家族、疎遠だった娘との絆を取り戻すことだ。ところが、久しぶりに再会した娘のエリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた…。

自分の死を前に、人生でやり残してきたことへの決着をつけようとするチャーリーの最後の5日間が描かれる。

※9月にベネチア映画祭で上映された際には上映後に6分間のスタンディング・オベーションが続いた。

公開前に巻き起こった論争

アメリカでは公開を前にして、『ザ・ホエール』をめぐるいくつかの論争が起きている。その一つが、チャーリーを演じるためにブレンダン・フレイザーが肥満スーツを着用する特殊メイクを施していることが、脂肪恐怖症を蔓延させるのではないか、ということだ。

監督のアロノフスキーは、この論争に対しての見解を述べた。

「俳優がメイクアップをするのは、演技を始めた当初からで、それは彼らのツールの1つです。そして、この映画でメイクのリアルさを描くために必要とした時間は、これまでにはなかった長さだった。

メイクアップアーティストとともに、肥満スーツをよりリアルに見せるよう工夫もしました。「冗談」に見えてしまうようであれば、やるべきではないですから。

肥満の人は、一般的に悪者や物語のオチとして扱われています。しかし、この映画のチャーリーはとても利己的ですが、愛にあふれ、許しを求めているのです。だからこの論争は、私には意味がないものです。ブレンダン・フレイザーはこの役を演じるのにふさわしい俳優でありますし、この映画は共感のエクササイズなのですから」

チャーリーの娘エリーを演じるのは、『ストレンジャー・シングス』シリーズに出演している若手女優セイディー・シンク、看護師のリズは近作『ザ・メニュー』で存在感を放っていたホン・チャウが演じる。

ザ・ホエール
セイディー・シンク
ザ・ホエール
ホン・チャウ

ブレンダン・フレイザーは、すでにゴールデン・グローブ賞の最優秀男優賞候補にも選出されており、今後発表されるアカデミー賞にも期待がかかるところ。

2023年4月に日本公開が決定した『ザ・ホエール』から、今後も目が離せそうにない。

『ザ・ホエール』
原題:The Whale
監督:ダーレン・アロノフスキー
原案・脚本:サム・D・ハンター
キャスト:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
配給:キノフィルムズ
2022年/アメリカ/英語/117 分/PG12
公式サイト whale-movie.jp

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※参考記事:OutWEEKEND CINEMA

(冨田格)

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