自分の肉体に愛と自信を見出す瞬間の男たちを写す写真家ジョシュ・ニュー1

どんな場所でもためらわずにシャツを脱ぎすてて肉体をさらすことができるゲイ男性は、はたしてどれくらいいるだろうか? 多感な青春時代に他人と比べて自分の体に劣等感を抱いてしまうと、そのトラウマを解消することは決して容易いものではない。

ゲイ男性が自分の肉体を誇りを持って愛し、自信を持つ瞬間を撮影しつづける写真家ジョシュ・ニューのインタビューと、彼の作品を2回に分けて紹介する。

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厳格な福音派家庭でトラウマを背負う

ジョシュ・ニュー
画像引用元:Instagram

写真家ジョシュ・ニューは、1980年代から1990年代にかけてのアメリカ中西部オクラホマで育った。

厳格なバプティスト教徒の家庭で育ったニューにとって、家も教会にも自分の居場所がない感覚がしていたと言う。選書原理主義の福音派バプティストでは、同性愛は認められるものではなかったので、ゲイを自覚していたニューはずっと「ゲイは忌まわしいこと」だと思い込まされていた。

2000年代初頭に、ニューは日本に長期滞在をした。その時に、世界中すべてがオクラホマと同じではないことに気づくことができたそうだ。とはいえ、植え付けられた罪悪感を脱ぎ捨て自分の殻を破るためには、もう少し時間が必要だった。

そして今、ニューは写真家としてゲイの男性たちの裸のポートレートを撮り続けている。若い頃に植え付けられたトラウマを脱し、自分の人生を堂々と生きている写真家ジョシュ・ニューのインタビューとともに、彼が撮影したゲイ男性たちの魅力的な写真を紹介していく。

被写体が自分自身でいられることにやりがい

ジョシュ・ニュー
画像引用元:Instagram

「究極的にいえば、私は写真のため撮影現場にいるわけではないのです。もっとはっきりと言うならば、私は男性たちと親密な瞬間を過ごすために撮影現場にいます。

他の写真家のことは分かりませんが、私にとっては、モデルとなる人たちと心のつながりがあってこそ、初めて良い写真が撮れると考えています。

モデルになる人たちは、カメラの前でどのようなポーズをとるべきか、表情はどうするのかなど、撮影者に指示されることを期待するものです。しかし私は細かい指示をすることよりも、彼らを自然な笑顔にしたり、リラックスさせたりすることの方がずっとやりがいがあります。

私は彼らが”自分自身”でいられるように仕向け、それが作品にも表れていないでしょうか。被写体になってくれたモデルたちは、写真を見る男性を誘惑するような視線ではありません。

彼らはいわば森にいる美しい雄鹿のような堂々とした姿と穏やかな精神で、自分が見られていることにさえ気づかず無意識のうちにポーズをとっているのです」

裸を見たくない男性には会ったことがない

ジョシュ・ニュー
画像引用元:Instagram

「私は新しい人に会うのがとても好きです。特に活気あふれる人に出会うと『あなたの写真を撮らせてほしい』と頼みます。

多くのゲイ男性は、自分の体に対してとてもネガティブな考えを抱いています。そんな人たちに、私の目には彼らの肉体がどう見えているのかを、写真を通じて提示することが好きです。

私は、裸を見たくないと思った男性に出会ったことは、今までありません。これは、私が厳格なバプティスト教徒として育ったせいもあるでしょう。なにせ中学生になるまで、自分のペニス以外を見たことがなかったのです。裸になること、裸を見られること、裸を見ることなど、人間の体を恥じるように仕向けられていましたから」

「その反動で今は、インターネットやアートギャラリーなど公共空間を、できるだけ多くのさまざまな裸の男性の画像で埋め尽くしたいと強く思うようになりました。

私は、日本のビデオゲームやアニメ、ギリシャ神話、アメリカのスーパーヒーローコミックのスタイルがずっと好きでした。この3つはいずれも、突拍子もないことをしでかす人々を生々と描く壮大な物語で、私の作品にはそのスタイルが視覚的に表れているはずです。

常に、無意識のうちに、モデルを自分の冒険の主人公に投影してきたのだと思います。私の写真はどれも、コミックやアニメ、ゲームからそのまま抜け出したり、古代ギリシャの彫刻のようなものであったりします」

後編では、母親とパートナーをほぼ同時期に失った絶望を写真によって乗り越えたエピソードなど、さらに深い話を紹介していく。

★後編はこちら
自分の肉体に愛と自信を見出す瞬間の男たちを写す写真家ジョシュ・ニュー2

ジョシュ・ニュー公式サイト:https://xyexperiment.com/

※参考記事:gayety

(冨田格)

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